銀翼の戦乙女が夢見た理想郷
クリックありがとうございます (つ∀<○)゜好きな言葉は『森林伐採』ひとりぼっちの桜ですw
本編を読んだ方がワクワク出来るような物語を目指しました。
ではどうぞお楽しみ下さい♪(本編でも出てくるあのキャラの若い時も出てくるかもw)
その場所は切り立った崖と崖の間に自然に出来た渓谷であり、途方も無く長い道となって国と国を結んでいた。
長い間、2つの国の関係を良好に保ってきていたそれ、名を
『リーベル渓谷』
だが1つのほころびは両者の関係を一気に悪化させた。
きっかけはとてもくだらないものだった。
もはや両国民自体も思い出せないような小さなきっかけ…、しかし国同士の小さなほころびはやがて互いの優劣を決定的に決める戦いへと向かう事になった。
そして今まさに大国と大国はここでぶつかる事となった。
開戦である。
プルート暦271年 ― リーベル渓谷
青々とした草木1本すら存在しない渓谷の谷底で無骨な岩肌を足の裏で感じながらひた走る集団。
集団はプルートという国の兵士たち。
主に軍事において力を発揮してきた大国、しかし彼らは追い詰められてしまった。
両脇を石の壁に挟まれた長細い空間、不意に現れた敵兵に踵を返して逃げるも、時既に遅し、その数を減らし追い詰められ、そして今、数倍の数で取り囲まれた兵たちは取り囲む敵兵に懇願する。
「助けて!助けてくれ!俺達は投降する!」
しかし敵兵士たちは嬉しそうに嗤う。
「助けてくれだぁ?どうするお前ら~?」
「ハッハッハ!そいつぁ~無理だ」
その醜悪な表情を見るや否や、追い詰められた兵士達の体温は下がり、心臓が凍りつくのを実感した。
そしてそれはすぐ現実になる。
「おっと、手が滑った」
「っ!」
真横でさっきまで喋っていた仲間の胸部分の肉に敵兵の剣が「ズブズブ」という音を立ててめり込む。
「おっと、俺も手が滑った」
「俺もだ」
軽口の枕詞のように次々と剣を突き刺す兵士達。
自分達が絶対的優位であるとこを殺す相手に思い知らせるように命を刈り取っていく。
取り囲まれた兵士達は覚悟した。
こいつらは俺達を生かす気なんて微塵もない。
自分たちはここで死ぬ。
国に帰ることも出来ず。
待っている人に会うことも無く。
こんな日も薄っすらとしか入ってこない渓谷の底で…
もはや、命を捨てる特攻で祖国の為に1人でも多くの敵兵を道連れにして死ぬか、はたまた諦めてラクに死ぬかしか選択肢がない。
各々がその選択肢に迫られる中、1人の兵士の頭上にも命の審判とも思える剣が振り上げられた。
「嫌だ!やめてくれ!」
「おとなしく死ね!プルートのドブネズミ共が!!」
今から剣を抜いたとて間に合わない。
いや、抜いたら最後全員にいたぶられて殺されるだけだろう、、
だから兵士は両手で頭を抱えるように、そして目を瞑る、そして心から祈った。
「誰か…助けてくれ!!」
その時だった。
不意に風が渓谷に吹いたのは。
急な出来事に目を閉じる兵士達。
「何だ、今の風は?」
と、同時に剣を振り下ろそうとしていた兵士の重心がグラリと揺れた。
「ぁぁぁ」
そして死ぬ寸前の蚊のような声を奏でながら力なく崩れ行く兵士の瞳には、まるで銀細工で出来た芸術品のような剣を手にした、銀色の長い髪をした女の姿が映っていた。
≪銀翼の戦乙女が夢見た理想郷≫
× ×
死の風が充満した場所。
腐敗臭が周囲一帯に漂い、山のように死体が積み上がっていた。
一息嗅いだだけで吐き気を催すような肉が腐った臭いが鼻に残って取れない。
地面に視線を下ろすと大量に流れた血が黒く色づいている。
死体は皆元から着ていた鎧や剣といった必要な物を剥がされた上で油をかけられていた。
そして今尚、兵士達がバケツに入った油をせっせと運ぶ。
不必要な物に動物が寄ってくるのを防ぐため、燃やすために。
そんな地獄絵図とも思える空間で死体の山の横を何度も通り過ぎていく兵士達、その前で1人祈りを捧げる女がいた。
「…………」
歳の頃は18ほど、凛と整った顔立ち。切れ長な瞳は閉じられ、スッと高い鼻の下の淡いピンクの唇は真一文字、女性だが小柄というわけではない、周りにいる成人男子たちと同等の背丈、だが筋骨隆々(きんこつりゅうりゅう)というわけではない、どちらかと言えば華奢まだ何処かあどけなさが残る。そんな女。
1つ言い切れる、血に塗れた戦場では異質な存在。
ふくらみが2つある胸プレートにスカートの上には膝の辺りまでを守る数枚が連なったプレート、それらの気品漂う高級な軽装備に血は一滴も飛び散ってはいない。
1つの戦闘が終わったというのに鎧は力強い光沢を放っていた、しかしそんな物よりも目立ったのは女の髪であろう。
肩を通り越して背中まで真っ直ぐ伸びた髪は1つに縛るわけでもなく、しかし一切絡まる素振りもなくサラサラと風に乗って踊る。そしてその色は他の人間には持ち得ない色をしていたのだ。
まるで新品の銀製品のように美しく、月の恩恵を与えられたような煌きを放つ銀線の髪。
見る人が見れば女神のような外見、だがその女神の両膝は今、血と泥水と油が混ざった水たまりに浸かっている。
でも女にそれを気にする素振りはまったく無い。ただ、今にも泣き崩れそうな表情で両手を組み、目を閉じ、それをもって神への言の葉としていた。
その盲目的な姿勢を見かねた足音が近づいてきた。
「リーシャ様。そのような者たちの為に膝を折ってはせっかくの御召し物が汚れてしまいますぞ」
神妙な面持ちで祈っていたリーシャと呼ばれた女だったが、背後からの呼びかけに瞳を開けた。そしてしゃがれ声に憎たらしさを足した様な声に対して返答した。
「放っておいて、私に出来る事はこれぐらいなの」
そう口にしたリーシャの瞳に嘘はなく、心から人々の死を憂いていた。
リーシャは跪いたまま首だけゆっくりと後ろへ。
するとそこにはえらく猫背の初老の男が立っていた。
手には高価そうな杖。
男は御伽噺に出てくるようなローブを着ていた。
そしてフード部分を脱ぎ去るとそこから出てきた痩せた頬に意地悪そうな笑みで白髪混じりの髪を数度かく。
「一軍を預かる軍師という身としては、大将が敵兵に対して膝をついているのを見過ごせませんのですよ」
「もう敵じゃないわ、死んでいるもの」
「死んでいようが生きていようが敵は敵、味方である配下がどう見るかが問題、そんな事すら分からないほどあなたは愚かでもあるますまい」
いつもと変わらない嫌みったらしい文言にリーシャは頬を少し緩めてゆっくりと立ち上がった。
「あーあー、五月蝿いなぁマーリンはぁ~いっつも小言ばっかり」
そして「流石にまだ必要な年じゃないでしょ?」とマーリンの持っていた杖を指差す。
「そんな物を持っていると余計老け込むわよ」
「余計は余計じゃ。そしてこれは威厳を出すために必要な装飾品、ワシのような目立たない人間は色々と苦労が絶えないんでな」
「その絵本に出てきそうな魔法使いのローブだけでも十分だと思うけど?」
「それだけだと浮浪者にでも間違えられるだろうが。元来、杖というものは権威や知力を示す、つまり今のワシにはもってこい」
断言するマーリンにリーシャが疑問を呈する。
「威厳なんてそもそも必要?」
「威厳とは恐怖や畏怖を生む、そして同時に強固な指揮系統も出来る、つまり指揮官が威厳を失えば兵達の統率が乱れる、下手をすれば離反、反逆もありえる、そうなったら士気が下がる、戦闘において士気が下がればそれはイコール敗北を意味する」
「取り繕ったものなんて偽物よ、本物が欲しければ立場が自分を育てるのを待つべきだと思うけど?」
「残念ながら、急ごしらえのワシらのような弱小部隊に悠長にそんなものを待つだけの期間などない。今、必要なのは圧倒的なカリスマ性を持った人間と部隊内の風紀を厳守させる存在。そいういう意味だと誰かさんがもっと偉そうにしてくれれさえすれば両方揃って、作戦指揮官のワシはここまで苦労することがないのじゃがな、本~~当、策を練ることだけに集中したいもんじゃ」
「私は人の上に立つほどの器はないわ」
「何を言うか、カリスマ性が服を着て歩いているような人間が」
「そんなこと無いよマーリン、私は…」
褒め称えるような発言にリーシャはぎこちない笑顔を作る。
「ただの…人よ。皆と変わらない、ただ運よく魔道具という奇跡を手にしただけの、ただの人間」
しかしそれは今にも泣きじゃくりそうな表情であった。
「まったく、、、何て顔をしとるんじゃ」
溜め息混じりのマーリンはそれから、全く手間のかかる…、と呟いた。
「お主のおかげで数多くの命が今回救われた」
それは気遣い、大人びているとはいえまだマーリンからしたら子供。
その優しさから敵にまで過度な感情移入をしてしまって、神経をすり減らしている年端も行かぬ女の子への気遣いであった。
だがそんな気遣いも彼女は頷くのではなく、首を左右に振ることで拒否する。
「その分、他の人達が死んだわ」
「敵国の人間じゃ」
「でも同じ人間。息もしてご飯も食べる、同じ人間。それにちょっと前まで彼らの国とは仲良くしていた、、なのに私は彼らの死に対して手向ける花1つすらまともに用意できない、なんて無力なのかしら」
花というこの場にそぐわない単語を聞き、それを鼻で笑うマーリン。
「何を馬鹿な事を、敵からそんな事をされてもランドアミーナの兵士…いや、国民に至るまで誰一人喜ばんわ。今は戦争中じゃ」
そして「いいか、良く聞け」と、眉間のシワを深めて立ちはだかるようにリーシャの前に出る。
今まで数多くの戦場を乗り越えてきたシワだらけの手がガッシリとリーシャの肩を掴む。
「今回のリーベル渓谷での攻防戦、もし負けていたら我らプルートは前線を大きく後退することになったじゃろう。開戦直後の後退、、その場合、最悪そのままズルズルと敗戦に向かう可能性も否定はできなかった。それだけ大きな攻防だったんじゃ」
「分かってる」
「どちらの兵も祖国を守るために命をかけて戦った、ワシも含め死ぬ覚悟は全員出来ている、私怨で動いている人間など戦場にはおらん」
「分かってる」
「じゃあ」
「それでも!」
リーシャの表情が悲痛に歪む。
そして感情を振り絞るように続ける。
「私が今日、殺した人たちにも家族や恋人、子供がいたかもしれない。その人たちは覚悟なんて出来てないかもしれない。私を…恨む」
死体が放つ生暖かい風に乗って、異臭が周囲に漂っていた。
まるで本当に呪をリーシャに与えるかのように…
「忘れろ…とまでは言わん。じゃが気にするな、気にしていてはこれから先進めんぞ」
「進むことがそんなに大事なことなの?…マーリン」
「お主は隠居しようとしたワシにこう言ったな、『私の進む道を照らせ』、と、こんな所で止まることなぞ許さんぞ」
「安心して、止まるつもりなんてないわ。でも……」
その後しばらく黙っていたリーシャであったが、やがて痛みを堪えるような声で言った。
「私はそれでも、死んでいった人たち全ての命を背負って生きていきたい」
× ×
「死んでる?」
地面に広がった血だまりの上で動かない兵士。
大量の血液だけが鎧の隙間から今尚、勢い良く流れ続けてていた。
呆然とした敵兵士たちは口々に言う。
「いったい何が!?」
「分からない!」
「じゃあ何でこいつが死んだ…がっ!?」
兵士達は突然目の前に現れた人間に対して目を丸くして固まった。
そして視線の先、瞬間、声を失った。
美しい…
世界中の音を消し去った。
そこには今まさに、事切れて死んでゆく兵士ですら見惚れるほど神聖な輝きの放つ銀色の髪が踊っていた。
「女神」
そう称してもいいほどの美貌を持った女。
あまりにも速い剣の軌跡を追った先には彼女の髪同様に神秘的な輝きを放つ銀色の片手剣。 刃には真新しい真紅の血が付いていたが、その圧倒的存在感をも置いてきぼりにするほどの銀色の輝きを纏った剣。
普通であればその美しい剣を前にして、持っている人間など付属品として記憶にも残らないであろう。
しかし、この目の前の女だけは別格。
銀髪はもとより、月明かりのように冷たく輝くお会い瞳、抜けるような白い肌、その美しい外見は有無も言わさず剣の方が付属品だと言っている様であった。
女は目の前の武器を持った兵士達に目もくれる事無く、その後ろにいる味方の兵士に対して言った。
「あなたたち大丈夫?」
「リーシャ様」
「助けが遅れてごめんなさい」
「そんな、とんでもない! 私どもの為にこんな前線の場所まで!」
近々、我がプルートと敵国ランドアミーナが衝突するという情報がを掴んだのは数日前。
そして目の前のこの部隊は調査を生業とした本来200人はいた部隊。
しかし現在、目の前にいるのはたった30人足らず。
リーシャは即、その理由を問いかけた。
「他の人たちは?」
「………」
視線を逸らして黙る30人の兵士たち。
その後の言葉などいらなかった。
黙っている…
これこそが答えだった。
つまり、間に合わなかった。。
部下達は…。
リーシャは奥歯をギリッと鳴らす。
「感動の再開を邪魔して悪いがたった1人でどうするつもりだ?」
「…………」
「お前が何なのかは知らないが俺達は囮だ、本隊の1万以上の兵は今周りの岩壁の上に潜んで今も矢でお前の眉間を狙ってるんだよ」
バカめ、と自身の眉間を指で突っつきながら笑う敵兵の男。
そんな挑発にもリーシャは無視して首を傾げるのみ、そして呟く。
「1万人以上?」
「ん?ああ…1万以上だ! 分かったならそのお高そうな剣をこっちに渡して俺達のいいなりになれ。なら命だけは助けてやってもいいぞ」
突然、目の前に現れた美しい女。その身体を嘗め回すようにして生唾をごくっと飲み込んた後、今まで押されつけていた欲情を瞳に宿した兵士たち。
口の端を歪ませ、値踏みするように1人が言った。
「おお!そうだ!まずは服を脱いでもらおうか!」
「いいね~、ゆっくり脱げよ」
「あと色っぽくな!」
1人が言い出したことで、たかが外れたように各々好きな事を言い出す。
次第にそれはもっと下品な要望と姿を変えていく。
「全裸!」「全裸!」「全裸!」
渓谷にこだまする野太い声。
普通の女性であれば、血なまぐさい剣をかざして大声を上げる男達に動揺して震えが止まらなくなるような状況だろう。
しかし女は現れた時と表情1つ変える事無く涼しい顔で言った。
「知ってる」
「へ?」
その声はとても追い詰められている人間のものではなく、静かな声であった。
彼女は更に続ける。
「でも1万以上は嘘」
「何言ってんだ、、嘘じゃ」
「本当は8千なのに?それに今、この渓谷にランドアミーナの兵はあなたたちしかいない」
「っ!?」
ランドアミーナの兵士、全員が絶句した。
なぜなら女の言っていることは全て当たっていたから。
実際、この渓谷に味方は1人もいない。
女は続ける。
「あなた達はこの後、捕虜条約を破って、ここにいる人たちを半分ほど殺し、残った半分と死体を後ろの物陰に隠している木材に縛り付けて地面に突き刺す」
「そ、そんなことは」
「あなた達は8千人、その4千ずつを両脇の崖上に配置させて矢を構えさせる。そして後詰として助けに来た私達が木に縛り付けられた味方に唖然としてい頭上に向かって矢を放つ。結果、私達は全滅する、それがあんた達ランドアミーナの立てた策」
そして女は「そしてここが一番大切なところ」と釘を刺して
「今潜んで矢で狙っているというのも嘘、実際はまだ到着していない。到着は今から数刻後、今じゃない」
こちらの心を見透かすように言い当てた女。
それはまるでこれから起こる事を実際に見てきたかのような素振りに口ぶり。
聞いたことがある。
プルートにはどんな劣勢な場面からでも戦況をひっくり返す悪魔がいると―
悪魔は銀の翼を美しく羽ばたかせ人々を魅了して、心を透かして盗み取る、そして全ての戦術を読み取られる。
出会ってはいけない。
戦ってはいけない。
相対してはいけない。
だって相手は人間で無いのだから…。
眉唾だと思っていた。
プルートに負けた敗戦国が、自身の保身の為に苦し紛れに流した情報操作の一環だと思っていた。
だが実際、目が覚めるようなキラキラした銀線の髪をなびかせてこちらを見る女を見て噂は事実だと確信した。
ごくん、と敵兵の喉が鳴る。
兵士の1人は後ずさりするように足を後ろへ、だがあまりの絶望的な状況に足がもつれ地面に尻餅をついた。
「うわっ!」
先ほどまでの威勢のよさは何処にいったのやら、兵士はさっきまで女神のように思えた目の前の女が急に悪魔に思えた。
そして、その悪魔の通り名を口に出した。
「銀翼の悪魔」
息を飲んで、カサカサの唇から出た言葉、それをリーシャは無表情で受け取る。
そして崖の上を見上げた兵士の1人の表情が凍りついた。
「そ…んな」
視線の遥か先、切りだった崖越しに見える夕焼け色の中にいたのは自分達の国、ランドアミーナの兵士ではなく、敵国プルートの鎧を着た兵士であった。
そしてこちらを狙っている人影が目に飛び込んできた。
人影の1人は大声で言う。
「リーシャ様!近くの森に潜んでいた敵兵4千、殲滅いたしました!」
ランドアミーナの兵士たちにとってはそれだけでも心臓が止まるほどの衝撃なのに、間髪いれずに向かいの崖から更なる声量の声が返ってきた。
「同じく!!千舞大将チドリ!敵兵4千を1匹残らず殲滅した!!」
渓谷に木霊する大声は敵兵たちに本来くるはずだった増援は来ないことを全員に知らしめた。
ランドアミーナの兵達に流れる冷や汗。
「おい!あんた!ちょっと待ってくれ!」
敵兵の男は目の前の女をどうこうしたかったわけではない。
ただ、僅かな希望にすがる様に、
そして本能的に命惜しさに手を伸ばそうと思っただけ。
こんな袋小路のような状態で歯向かって命を捨てるほど愚かではない。
動いたのだって、小指ぐらいだろう。
だが伸ばそうとした手は崖の上、真上からの大声と1本の矢が兵士の頬を掠めることによって止められた。
「おい!これ以上リーシャ様に一歩でも近づいたらお前の頭をぶち抜く!俺の弓は100m以内であればどんな得物でも射殺す!」
鼓膜を破るような声だけが渓谷にこだまする。
その声の主の姿は視認出来ない。
夕焼けに映る大軍の兵の中にいるのか、それとも崖の隙間から狙っているのか、だがその自信のこもった声が得物を仕留める鷹のような大声がこちらに向かって矢を引いているのが分かった。
一拍おいて兵士の1人が言った。
「た、助けてくれ。さっきの私達の行いはやりすぎた、敵を追い詰めて思い上がっていただけなんだ、頼む」
「…………」
銀髪の女はその申し出を聞き入れたかった。
戦意の失った相手を殺したくない、だってそれは私がもっとも嫌う虐殺と遜色ないことだから。
でもそれは…
リーシャは口元を引き結んだまましばらく黙っていた。
そして
「私はあなた達が捕虜条約を破ったことを攻められない。だって私も今からあなた達に同じ事をするから」
「えっ!?」
「あなた達の死はこの戦場では必要不可欠、何も出来なくてごめんなさい」
「そ、そんな…」
懇願に対する救済は無い。
そう言い切った。
「許してくれなんて言わない、それでも言わせて」
最後に唇を噛み締めて
「心の底から、私を…恨みなさい」
言い終わる、、、
そしてリーシャはゆっくりと背を向ける。
腰に刺した鞘が澄んだ金属音を立てる中、ゆっくりと右手を上げた。
すると豪雨のような矢が敵兵の頭上に降り注いだ。
「う、うわぁぁぁぁぁぁ」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ」
× ×
「先ほどもだが、あまり前線に出るな」
「私でないと彼らを助けられなかったわ」
視線の先には先ほど助けた兵士達の姿があった。
彼らはせっせと油を運ぶ。
兵士達はリーシャー達と目が合うと深々と頭を下げた。
それに軽く答え、話を戻すマーリン。
「あなたが死んだら元も子もない、我らは旗印を失うことになるんじゃぞ」
「すぐにあなたたちも追いついてきたじゃない」
「結果論を論じておるのではない、自分の身がどれほどの意味を持っているかもう一度考えろ」
「大丈夫」
「何が大丈夫か!? 今回は我らが『たまたま』『運よく』敵の潜んでいた敵兵を見つけ、迅速に排除して崖上に来れたからよかったものの、もしも見つけられなかったら、勝手に先行したお前さんは敵兵の中に1人いたことになるのじゃぞ!」
「だって視えたもの、あなた達が私の後すぐに助けに来るのが」
それを聞くや否や訝しげそうにリーシャの腰に刺さった剣を見る。
口論では誰にも負けないと自負しているマーリンだったが、その口は有無も言わさず開く事をやめた。
それは誰よりも彼女の持っている剣の能力を知っていたから。
「ならば…よいが!今後は先に出る前に一言ワシに言ってから行け。プルートの4大貴族の1つベルリオン家、プルートにおいて皇族の次に権威のある家柄のご令嬢をむざむざ戦死させたらワシの首が飛ぶ。…言っておくが職を失うのではなく、命を失うという意味じゃぞ」
「なんだぁ、偉そうに軍師面して結局は保身かぁ」
「保身で何が悪い?ワシはワシが大好きなんじゃよ、お利口さんで未来まで視えるあなた様ならもちろん知っておられるでしょう?」
「嫌みな言い方」
思いっきり口を尖らせるリーシャであったが、当のマーリンは気にする素振りも見せずせせら笑う。
「嫌みで何が悪い?もしも分かって自分の身を晒してワシが死んだらお主の枕元に毎日化けて出てやるからの」
「それは…地獄ね」
「お主はこんな所で死んではならん人間だ。お前さんは間違いなく英雄になる。だからこの先誰が倒れようと、、例え、ワシが目の前で倒れるような事があろうと自分の命を第一に考えて行動しろ」
それが冗談ではないということはその口調から明らかだった。
マーリンは本気で思っているのだ。
彼女、リーシャ・ベルリオンは英雄になると。
「英雄、か」
「なるんじゃろ?」
「必要ならね」
「必要じゃよ。この戦乱を収めるためには」
リーシャは「わかってる」、そう口元を動かすと、次の瞬間、力いっぱい自分の頬を両手で叩いた。
「よし!ちょっと身体動かしてくる!」
「は?何処に?」
駆け出すリーシャ。向かった先は
「リーシャ様!?」
「私も手伝うわ!この鎧を洗えばいいのね」
「だからぁリーシャ!そんな雑用お主が手伝わんでもよい! 一軍を率いる人間がみっともない!わかっとるのー」
言いかけた言葉を遮るように着ていた高価な鎧を乱暴に取っ払うと、ロングスカートを膝上で纏め、袖を肘までめくったリーシャ。
「命をかけて私を守ってくれている兵士達の為に汗を流せることに何の恥を覚えなければならないの?」
そしてバケツに入った冷たい水に手ごと雑巾を漬け、黙々と鎧に付いた血を落とし始めた。
言っても無駄か…
マーリンは諦めたように肩を落とすと、
「はぁ~まったくぅ。じゃあせいぜい頑張れ、ワシも応援してやる」
「何言ってるの?」
「は?」
「ほらっ!マーリンもやるのよ!」
「えっ?お前が何を言っておる? ワシはもう年寄りで…おい!引っ張るな!リーシャ!おい!やめろーー!!」
上空では茜色の地平線をいくつもの雲が泳いでいる。
この空の果てがどこに続いているかは分からない。
だが理想はこの手で掴もう。
死体の山から立ち上る炎を背にするリーシャ。
その瞳に先ほどまでの弱々しく儚げな色はなく、背後で燃え上がる炎をも飲み込むような力強い青色をしていた。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
数年後、戦場に立つのは自信にあふれた堂々としたリーシャの姿。
彼女達はあのリーベル渓谷の戦いの後、7年で大陸の半分を平定導いた。
そして元々4分の1ほどの支配していたプルートという国を大陸の半分を支配下に置くほどの更なる大国に引き上げた。
既にこの頃にはリーシャの部隊は小さな国の軍と遜色ない数にまで増えていた。
それに伴ってリーシャ、マーリンに肩書きも変化していた。
リーシャは大陸全土に響き渡るほどの大英雄、銀翼の戦乙女。
マーリンは大陸最強とも呼ばれるプルートが誇る天才軍師。
もうその名を聞いて知らない者などこの大陸にはいないであろう。
肩書きが変われば人の見る目も変わる。
今では誰もが彼女らの一挙手一投足に注目する。それは敵も味方も。
しかし、この数年で変わらなかった事もあった。
「無理です!」
「無理じゃないわ!」
「無理じゃって!」
「無理無理うるさーい!私はそれでも信じてみたいのよ!人の可能性を!」
相変わらずの交わることのない平行線の会話。
その日の夜中は流れの速い川を背にしてリーシャとその部隊たちは大規模なキャンプを張っていた。
午前中に1つ戦いを終えたことで浮かれる兵士たちは「やれやれ、またか」と含み笑いながら食事を取る。
「人の可能性って何じゃ!?」
「争いの無い世界よ!!」
「残念!もう戦いの火蓋は落ちてから数年経っとるんじゃよ!!」
「落ちてるならもう一回持ち上げればいいだけじゃない!!」
少し、いや、だいぶ息切れを起こしているマーリン。
あれからマーリンもずいぶん年を取った、そろそろ本当に杖が欲しくなる程に。
マーリンは虫でも払うように手を振る、そして連動して首も振る。
「またそのような無茶な事を…、いいか、相手のミナギ族はたった数百人で国1つを落としてしまうほどの戦闘民族なんですぞ」
「それが私たちの味方になったらこれ以上ないほど頼りになるじゃない」
「無理」
「何でよ?」
一歩も引かない、引く気の無い言葉に、聞き分けのない子供にどう言ったものか…とマーリンは頭を掻く。
「何度も言いますが、奴らは金雇われるだけでどこか特定の国には属さん。そして今狙われているのは我が祖国プルート、なら倒すしかないじゃろ」
「雇い主は先月倒したんだし契約不履行って事にならないの?」
「ミナギ族を雇う際に必要なのは金のみ、金銭の支払いは全額先払い、そして支払われればキャンセルは不可だそうじゃ。確認を取ったことろ支払い済み」
「そこを何とか…」
「ならんわ!」
「だって律儀すぎるのも生きていくのに不便でしょう!?融通と妥協も生きていくのには必要よ!」
「ワシに言うなよ!」
「ケチ!」
肩で息をしていたマーリン、近くにあったちょうどいい石の上に腰を下ろし溜め息1つ。
「やつらに人の言葉は通じん、ただ人を殺す事のみを楽しみとする戦闘狂ですぞ」
リーシャは即答する。
「くだらない迷信よ」
「その瞳と髪は燃えるように赤く、動きは魔物のように俊敏、先祖脈略殺しを生業としている民族ですぞ、交渉など時間の無駄、出会ったら即、首を跳ねましょう」
「分かんないわよ、案外喋ってみると結構フランクかも。『おう!元気?ブラザ~ブラザ~』みたいな。それに赤って綺麗じゃない♪」
「またそんな楽観的な…」
「未来に希望持ったからこそ、私達はここまでこれたんじゃないの」
「そう言ってドラゴンの卵を返しにわざわざ谷底まで持って行ったじゃろ!」
「親ドラゴン、喜んでたじゃない」
「途中何度も死にかけたわ!」
「でもそのおかげでプルートのドラゴン被害が無くなったじゃない」
「他の敵国のドラゴン被害も無くなったけどな!」
「自分だけが良ければいいなんてクズの思想よ!」
「悪かったな!クズの思想で! その思想に何度助けられたか言ってみろ!」
何回だったかな~?、と片手数えようとするリーシャにマーリンは「片手で足りんわ!」と
「じゃあそこまで言うなら、もちろん視えたんじゃろうな?」
「何が?」
「そのお得意のその魔道具でミナギ族とお主が仲良く手を繋いでスキップしている未来でも視えたのかと言っておる!」
「何度も言ってるじゃない!そこまで先は視えないわ!」
「じゃあ無理じゃ!」
「無理じゃないもん!」
「無理に決まっておる!」
「決まってる未来なんてあるか!」
「方法は!?展望は!?」
「それを考えるのがあなたじゃない!」
「無理じゃ!!」
今度は2人してぜぇぜぇと息を切らした。
このままだとマーリンを言いくるめられない、リーシャは顔の向きをぐるりと変える。
「ねぇ、クルウェイもそう思うよね?」
「えっ、自分…ですか?」
既にリーシャは25歳
昔、旗揚げの頃に垣間見えたあどけなさは無く、どんな男でも一瞬で虜にする絶世の美女となっていた。
そんな絶世の美女に戦場に不釣合いな艶やかな笑みを向けられた日には、クルウェイと呼ばれた少年兵は顔を赤くするしかない。
彼はまだ声変わりしきっていない幼い声で答えた。
「そ、そうですね、普通なら諦める所ですが、リーシャ様ならあるいわ。と、自分は思います」
「ほらっ!」
「クルウェイ、甘やかすな。甘やかすとまたこのじゃじゃ馬姫は調子に乗って無理難題を言い始めるぞ」
「でも何だかんだ言っても、あなたも付いてきてくれるんでしょ?」
「まぁ~嫌々、階級制度の弊害の結果ですがな」
フフフ、と微笑むリーシャ。
リーシャは一度言葉を切ると、周りにいる兵士達1人1人の顔を見回して高らかに声を張り上げた。
「皆も私に付いてきてくれるでしょ!」
夜空の下、凛とした声が闇夜に響いた。
男達は次々にその太い腕を振り上げる。
彼らはかつてプルートと争っていた多種多様な国、部族であった。
皆元は自分が最強だと疑わない荒くれ者たち。しかし、今はリーシャという旗印の下、1つになっていた。
「「「おう!!」」」
男達の雄たけびが夜空にこだまする。
リーシャも大きく声を張り上げる。
「みんな大好きだぁ!」
「俺は個人的にリーシャを愛してるぞ!結婚しよう!」
「おっけぇ!気が向いたらね♪」
「いっつもそれじゃねーか!」
「お前にリーシャ様なんて釣り合わないんだよ!そんなふざけた事、この俺、チドリの目が黒いうちは許さねぇからな!」
「いちいち五月蝿いぞ!お前には関係ないだろ! 身分とか言ってリーシャに言い寄れないヘタレ野郎が!」
「き、聞き捨てならんぞ!貴様!」
「おっ!やるか!」
眼帯の男と羽飾りを頭に付けた男がケンカする。
これも日常風景。この部隊においてリーシャ、マーリン、に続く階級を持っていたとしても、ここでは同列。
掴み合いながらケンカをする2人を見ながら部下達も「もっとやれ♪」と笑いが周囲を包む。
「ちょっと、2人ともケンカは…っ!?」
その時リーシャの表情が少しだけ強ばった。
すぐさま異変に反応したのはマーリン。
「その反応、何か視えたか?」
「マーリン…。いい話と悪い話、どっちから聞きたい」
「何じゃ?急に」
少し考えた後マーリンは「良い方」と言った。
「案外、早くミナギ族と会えそうよ」
「ふぅ~ん、そうか、別に良い話でもないが…。で、悪い方は?」
「………」
なぜ…黙る?
そう思いながらも、もう一度問う
「悪い方は?」
それまでの明るい口調から一点、リーシャは弱弱しい声で言った。
「どうしようマーリン」
嫌な予感がした。
かれこれ長い付き合いだ、こういう時は間違いなく何かある。
「何が…ですかの?」
「えっと実は」
「いやっ!言わんでいい!嫌な予感がする!……いやっ!やっぱり言え!」
「あと14分後、対岸からそのミナギ族が奇襲を仕掛けてくるわ」
目だけを動かし様子を窺うマーリン。
背後に流れる川に変わったところは無い。
それどころか勢いの良い水流が100mに渡って流れていた。
「対岸ってあそこから?」
「うん」
「結構…いや、だいぶ流れが強いこの川を?」
「うん」
「ここ、深いぞ」
「うん」
「ここを生身で泳いでくる?」
「うん、素潜りで、どうしよ―」
「もっと早く言え!! 皆の者、傾注!!」
年寄りとは思えない張った声に全員の手が止まる。
「いいか、よく聞け!あと14分後」
「マーリン、あと13分」
「じゃかーしわ! あと13分後に背後のこの川からミナギ族が奇襲をかけてくる!おそらく狙いはリーシャ、全員戦闘準備をせえ!」
急な敵の襲撃にケンカを止め、急いで持ち場に移動する眼帯の男とは対極にこの場に残った羽飾りを付けた男。
自分の武器である2本のトマホークを準備運動がてらジャグリングしながら
「ハハ!ミナギ族、思った以上にイカれてんな! 我がガンジナ族といい勝負だ、面白い相手じゃねぇか! なぁマーリン卿!」
「笑える点が無いわ、早く持ち場にいけ」
「了解だ。そう怒りなさんな、恐い恐い」
皆、それぞれの武器を手に取っていつでも敵を迎え撃つ準備を整える。
川を見据える彼らの顔に恐怖や緊張は無い。
信じているのだ。。
どんな強敵が相手であろうが、この老軍師と銀髪の英雄と共になら切り抜ける。
そして、そんな2人が作り上げた部隊に所属している自分達が負けるわけが無いと。
「さすがマーリン、頼りになるな~」
まったくこの人は…と言いながらも、まんざらではない表情のマーリン。
「あなたのようなじゃじゃ馬も所帯を持てば落ち着きます」
「しょたい? 興味ないな~私は」
「確かにお主は旦那に尽くすタイプじゃないの」
「もう!そういう事を言いたいんじゃないわ!」
無邪気に頬を膨らます。
「久しぶりに笑ったな」
「え、そうかしら?」
「そうじゃよ、それぐらい余裕を持て。大丈夫、我らはもう誰にも負けん」
「戦場では余り笑いたく無いのよ」
急に目つきが変わるリーシャ。
それは今から戦いが始まることを意味していた。
彼女は気高く剣を振り上げた。
「敵の突破を絶対に許すな!総員、持ち場を死守せよ!」
「だからリーシャ様よ~、何回も何年も言っとるが、あまり前に出んでくれとー」
「私も何度も何年も言っているわマーリン。後方で隠れているような人間の言う言葉なんて誰も聞いてはくれない、自分がどれだけ真剣なのか、本心で話しているのかを伝えるのに人の壁は必要ない」
「敵影水中に見えました!」
「チッ!仕方ない。全員、分かっていると思うが、死んでもリーシャを守れ!」
「「もちろんだ!!!」」
「マーリン、さっきの話なんだけど」
「は?何の話じゃ?」
リーシャは決して振り返らず、視線はザーザーと流れる川へ、軽く微笑んだような口元だけをチラッとマーリンに向けた。
「子供の話。子供は好き、だから欲しいわ。私の子よ、きっと可愛くて思いやりのある真っ直ぐでとてもいい子なはずだから」
その言葉にマーリンは「おやおや、じゃじゃ馬を忘れでは?」と笑った。
そして付け加える。
「あと周りが嫌になるぐらいお節介やきな所は受け継がれそうですな、ああーあと、赤の他人のことまで気に留めて、人のためならと自分をかえりみない向こう見ずとか…あと」
「多いわね…、じゃあもし私の子供が危ないことをしていたらその時はあなたが止めて、マーリン」
「それは親であるあなたの仕事じゃろうが」
「私が生きてたらね」
それを聞いたマーリン、縁起でもないと笑い飛ばすわけでもなく今から戦う強者を前にして「じゃあワシもこう言い返そう」と前置きをして言った。
「生きてたらの」
………
……
…
リーシャはこの数年後に起こる大陸を揺るがすほどの大きな戦を見事勝利に導くことになる。
更に増える仲間たち。
多種多様な能力を持つ魔道具の出現。
最大の敵国アトラスにいる10人の英雄との雌雄をかけた戦い。
でも、それはまた別のお話。
だが1つだけ確かに言えることがあるのだとしたら。
数年後にリーシャが作り上げる多種多様な民族からなる最強の部隊、その中に赤い髪をした民族はただの1人もいなかったという事だけだろう…。
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【親の心子知らず。ああ!あのキャラ出てる!。これ…どういう?】
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では皆様、またいつもの場所でお会いしましょう♪ ヾ( ´ー`)ノ~バイバイ