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ドラゴンバスターの娘・共通part
私の名前はロミアリンド。
父は幼い頃、ドラゴンに殺された。
私はその仇を討つべく、父の職を継承した――――私はドラゴンバスター。
―――――竜を殺す者だ。
「と、かっこつけてみたけれど……」
私は竜と戦ったことなど、一度もない。
剣を持ったのも、初めてである。
「こんなんで、どうやって父さんの仇を討つってのよ……」
私はヤケになり、力まかせに剣を振り回して、空をきった。
なんだろう。背後に誰かの気配がある。
振りかえると、灰髪〈グレー〉の青年がいた。
「剣の使い方、教えてやろうか?」
「いいんですか?」
私は人のよさそうな青年に剣を手渡す。
彼が受け取る。剣の状態を見て、振るった。
私の時とは風を切る音が違う。
使えなくても父の姿を見ていたから、一目で剣の扱いに慣れているとわかった。
「アヴァンニウムとシュヴィウムが使われているな。良い剣だ」
私が知らなかった材質を見ただけでわかるなんて、すごいなあ。
「よろしくお願いします。師匠?」