表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
森の、中。  作者: ゆらゆらさん
第1章 エルフの故郷(さと)
3/19

里の朝

里の朝は早い。

朝日と共に起き、日暮れと共に眠る。

古き日本の昔ばなしのようだ。


起きて、木の実や穀物、スープなどで

軽い朝食をとる。


母の作るスープのよい匂いが漂ってきた。

私は母を手伝うために着替えた。


キッチンの魔動コンロに向かって立つ母に

ハグをする。


「母さま、おはよう」


笑顔とキスが返ってくる。

「シーヤ、おはよう」


スキンシップは外国映画の日常のようだ。

もと日本人の私にも15年も毎日の習慣となれば

いい加減慣れた。


「クェイルの卵を取ってきてくれるかしら?

さっき鳴いていたから餌もあげてちょうだいね」


クェイルとは鶏のような鳥だ。家畜としてよく

飼育されている。


裏口の扉を開け、朝日にキラキラと照らされ光る

カルバの木々を眺めた。


この世界の一日は、地球より6時間ほど長い。

季節によって日照時間は異なるが、

10~15時間程夜になる。

夜は魔物や魔獣の活性化するため、基本的に

室内で過ごす。


里のまわりは防壁のように太く高いカルバの木々が

絡み合って生えている。


高さもさることながら厚さは数メートルにも

なるだろうか?

遠い昔の強い魔力をもった祖先が使った植物魔法で

このように成長させたそうだ。


要所には魔石が埋め込まれ、警備担当の大人たちが

パトロールしながら魔力の足りなくなった所に力を

注いでいる。


それに沿うように結界魔法で守られた里は、

森の外よりずっと安全なのだが空からの侵入に

やや弱い。


それも人の国に比べたら、の話だ。


ここの結界は人の国の王城並みに強固だ。

魔力の強いエルフ達が生まれ育ち、この世界でも

類を見ない魔素の濃い場所であるのもそうなのだが

そこまでして守りを固めるには、ひとえにエルフが


「過保護」 だからである。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ