Lv8:白銀の戦姫って俺のことなんだ……
本日2回目の更新です。
今回も短いですがどうぞ……というかこのぐらいの長さがいいのかな?
東門に近づいてくると、だんだんと人が増えてくる。
ほかの人は、ライトをもっているのでわかりやすいが、自分は暗視を使っているので相手に認識されるのが遅く、たまに驚かれたが、それ以外は何もなく門に着く。
東門をくぐれば、いつも以上に賑わっている露店通があった。
夜は人が多いとはわかっていたけど、最初の頃のような密集度にすこし戸惑う。
ほかの人はそんな中へなに食わぬ顔で入っていく。これが普通なのだろう。
俺もその流れに乗って、露店通りを歩く。
サイさんの店に向かって歩いている途中に昼頃に見た、小さな女の子が店番をやっている露店が目に入った。
今は、お姉さんも一緒のようで繁盛していた。
俺はそこに近づいていく。
「こんばんわー。」
「あ、お昼のお姉さんいらっしゃい!」
挨拶をすると元気に小さな女の子は返してくれる。うん、お姉ちゃんですか……
俺が苦笑いを浮かべているとお姉さんの方が話しかけてきた。
「え、えと、白銀の戦姫様ですよね?」
「うん?なにそれ?」
「あ、えと、ご存知ないのですか?」
お姉さんはよくわからない名を出してきたので、わからないと言うと驚かれた。
周りの人達も俺を見ている。
視線が多いです(涙
俺はとりあえず、知らないことをしっかりと伝えた。
すると、お姉さんは少し考えてから口を開いた。
「え、えと、とりあえずいらっしゃいませ。昼は買ってくださったようで、ありがたいです。よろしければお名前を聞いてもいいでしょうか?」
「いえいえ、サナって言います。ここのポーション良かったですよ、できればまたお願いしたほどです。」
「あ、ありがとうございますっ!サナ様ですね。はい、こちらこそ、今度もお願いします。」
お姉さんはおずおずと名前を聞いてきた。すごく丁寧な方のようだ、俺は笑顔で名前を言うと、ここで買ったポーションの感想を言った。
今日の戦闘では森ではやはり、ダメージを受けたのでポーションを使ったが、非常に回復量もよくて便利だった。
お姉さんは、それを聞くとホッとしておられた。
「よければ、名前教えてよ。あと、薬草みたいなの採ってきたからよかったら買い取って。」
「あ、はい、私はアリスと申します。薬草ですか?歓迎ですよ、というか材料が少なくて困ってたんです。」
どうやら名前はアリスと言うらしい。妹さんの方はカレンだそうだ。
薬草を買い取って貰ったがまだ、あんまり出回っていないのか、高く売れた。
今日の収穫は大きかった。
昼と同じようにポーションを10個ほど買って、サイさんの店に行った。
そう言えば白銀の戦姫ってなんだろう?
考えてもわからないのでユキを撫でて考えるのを放棄した。
サイさんのお店につくと、リューさんとサイさんがカウンターで何かを見ながら話をしていた。
他にもお客さんがチラホラと居る。
その人達と目があったので会釈すると、すごく驚いてから会釈が帰って来た。
そのあと、入ってきた4人パーティーも同じ反応だったんだが、なんなんだろうか。
俺はサイさん達に近づく、あ、もしかしてイチャイチャしてたところに邪魔しちゃっただろうか。
二人がすごく驚いたのでそう思ってしまった。というか本当にこの二人ってどういう関係なんだろう。
そう思いながら、様子を伺うとコイコイと手で招いてくれるので近づいた。
「やぁ、いらっしゃい白銀の戦姫様。」
サイさんもそれ知ってるんですか、というかリューさんも知ってるんだろうな。
「えと、なんなんですかそれは。」
「あれ、本人が知らないんだ。」
「本人?どういう意味ですか?」
「あ、知らないんだね」
なんなんだろうか、すごく驚かれたのだが。
サイさんは、俺が本当にわからないとわかったらしく、説明を始めてくれた。
「白銀の戦姫ってのは君の二つ名だよ。掲示板とかじゃ有名だよ?」
「ふ、二つ名ですか。掲示板とか見たことなかったです。」
「あ、なら知らなくてもおかしくないか。それにしても、街中歩いてて視線とか大丈夫なの?」
「あー、まぁ、最初から視線はあったんで気にはしてないですね。」
どうやら俺のことらしいです。白銀の戦姫ねぇ~。白銀ってのは髪の毛のことだろうけど、戦姫って姫って、クソッなんで姫なんだよ。
まぁ、わかりますけど、自分が美少女なのぐらい知ってますけど……
それにしても掲示板というものがあったのか。
あとで、確認してみるのもいいかもしれない。
いつものようにサイさんの料理を食べながらしゃべっていると、トシが入ってきた。
「よっ、白銀の戦姫様。元気してたか?」
「一日しか空いてないでしょ?というかトシまで知ってたのか。あと、俺に今度言ってきたら怒るよ。」
「まぁ、そうだな。わかったから睨むな、可愛い顔が……まぁそれはそれでぐっとくるが、笑ってるほうが可愛いぞ。」
「うるさい、誰が笑ってやるか。」
トシまで白銀の戦姫をしっているので、これは掲示板とやらは見なければいけないらしい。
うん、トシがなんか久しぶりに感じるが言わない。あと、トシの装備も一新していた。
トシは胴体は鎧を着ていて他は特に俺と変わらない。フルアーマーにすると動きにくいそうだ。
それにしても……
「トシのその格好、似合っているぞ。」
「おっ、そうか?ありがとな、お前も可愛いぞ。」
「そこは似合っていると言え!もぅ、可愛いか……」
「なんか言ったか?」
「言ってない!」
トシといつものやり取りをしているとリューさんとサイさんからの視線が痛かった。
ニヤニヤされていらっしゃる。
このあと、二人がからかってきた。あぁ、疲れました。
そのあと、トシと二人で街中を散策した。
どちらかというとトシに案内してもらったのだが。
北の方に繋がる通りは宿屋や酒屋が広がっているらしい。
南はレストラン、西は職人通りらしい。
西の方に防具屋、武器屋が集まるらしい。
いろいろ回ったあと、二人で宿屋に来ていた。
「宿屋って案外綺麗なんだね~。」
「初めてなのか?」
宿屋は木造の作りで。
一回の方は小さな酒屋のようになっていて、人がくつろいでいる。
部屋は2階と3階のようで、階段で人が行き来している。
トシが質問してきたので、頷くと昨日はどうしたんだと聞かれた。
「昨日は東の林の木の上で寝落ちしてたよー。」
「お前、木の上とか、変な人に襲われたらどうすんだよ。」
「え?大丈夫でしょ……隠蔽とかあるしバレないからさ。」
正直に話すと溜息を付かれた。なんだよその普通じゃないものを見るような目は。
なんか木の上で寝たことに怒りのようです。
「え、えと、今度からちゃんとした宿屋で寝ます。」
「よろしい。さて、じゃ部屋決めるか。シングルでいいか?」
ちゃんと謝るとすぐに許してくれる。うん、でも本当に危なかったのかもしれない。
というかシングルって二人で止まっていいのかよっ!
「はっ?シングルとか冗談だよな?」
「別にいいじゃん、というかダブルは値段高いぞ?」
冗談じゃないらしい。まぁ、こいつのことだ。なにかしてくることはないだろう、たぶん。
「まぁ、わかった。けど変なことしてきたら追い出すよ。」
「わかってるって。」
そう言って、カウンターで部屋を一泊で契約して、中に入っていった。
読んでくださり有難うございます
感想、リクエスト、アドバイス、一言、気軽にしていただけるとありがたいです。
次回はドキドキお泊り回のようですww
R15ってどのくらいまでがセーフなんでしょうねw






