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Lv4:はじめてのPVPはナンパお兄さん!?

小説家になろうで小説を書き始めて、初めての4日連続投稿です。


まぁ、これが普通のような気がしますがw


では、どうぞ

 ログインするとカウンターの机が右手に見えた。

 どうやら右頬をしたにして寝ていたようだ。

 机に手をついて体を起こす。

 すでにアオイ姉とシノが居た。

 リューさんはバックの中から鉄インゴットらしきものや、布を出してきていた。

 どうやらそれが材料のようだ。それにしてもすでに鉄を手に入れたのだろうか。

 このゲームはまだ始まって3時間ほどしか経っておらず鉄などまだ無理のはずだ。

 俺は持っている理由を聞こうとリューさんに近づく。


「あの、リューさん」

「お、なんだい嬢ちゃん」


 相変わらず嬢ちゃん呼ばわりだがもう諦めている。

 リューさんは手を止めずに俺の方を向いた。


「それって鉄インゴットですよね? なぜ、もう持ってるのですか?」

「あぁ、そうだな。オープンテスターは実はオープンから正式に引き継ぐのをG(ゴールド)かアイテムか選べたんだ。俺はアイテムを買いまくって、金をゼロにしてきたんでな。だからゴールドは同じだけしか持ってないが資材をすでに持ってるんだ」

「なるほど、ということはオープンの最先端の資材なんですか?」

「あぁ、こいつらはそうなるな」


 リューさんは資材を出し終わって右手に鉄インゴットを持ちながら説明してくれた。

 生産職は資材がないと何もできないからそうしたのだろう。

 あの5人はアイテムを売って金を貯めたらしい。

 納得しているとリューさんがいい笑顔で言ってくれた。


「こんだけ資材があるのもアオイやシノ達のおかげなんだぜ。まぁ、金を引き継ぐなって言ったのもそいつらだが」


 リューさんは布を縫い合わせながら話してくれた。

 オープンテスト最終日にアオイ姉達が来て、できれば正式サービスですぐに防具を作って欲しいと言ったらしい。

 アイテムを引き継いで欲しいということである。

 リューさんもそれなりに儲けていたので簡単には了承できないでいたらしい。そしたらシノがトレードでお金をすべて引き受けるからアイテムを全部受け持って欲しいと言ったらしい。

 そしてお金は丸々返した上に装備代を払うというのだ。しかも渡したアイテムは好きにしていいと言ったらしい。

 要するに交渉だ。リューさんはそこまで言われたのだし、デメリットもないため引き受けたのだそうだ。

 シノの癖にゲームのことになるといい案を思いつくのだなと思った。

 シノはハッキリ言ってバカだからな。


 そのあと、暫くして、全員揃ったので6人のパーティーで狩りに行くことになった。

 サイさんの店を出て薄暗い路地を抜けていく。

 通りにでるとまた視線を集めた。さすがに人数が多すぎるので早足で東門を目指した。

 時刻も1時頃で人数も増えてきた。夏休みとは言うものの平日なので夜が一番人が多くなるようでまだ混沌とはしていない。

 人の流れに乗って東門を目指す。

 みんな同じ初期装備をして歩いているのでどこか笑えてくる。

 暫く歩いて東門についた。

 東門付近ではパーティー募集や待ち合わせが行われていた。

 その中を抜けようとしたらチャラい男二人が話しかけてきやがった。


「やぁやぁ可愛いねお三方。どう? 俺たちと一緒にパーティー組まない?」


 どうやらパーティーのお誘いのようだ。んなわけあるか。こいつらからは表情や視線でいやらしさを感じる。

 ナンパだろう。

 俺はスッと後ろに下がりトシに寄る。ここはアオイ姉やシノに任すことにする。二人は少し面倒くさそうに二人を見た。


「いえ、もうパーティー組んでいるので」

「すいませんね」


 二人は案外丁寧に断った。たぶん二人も相手の下心には気がついているだろうから、なにも問題なく済ませたいのだろう。

 俺はトシのすぐ横からチラッと男二人の様子を伺った。

 二人は金髪で顔はどこか不自然だった。いじってでもいるのだろう。

 それにして、奴らはなぜか初期装備ではなく銅製のような鎧を身につけている。

 サイズは胴体の部分だけの物だがこの時間帯で持ってるということはレアドロップだろうか。

 俺はしばらく見てからトシに相談した。


「えぇー? そんな初期装備の奴らなんかほっとけよ」

「そうだぜ! 俺達の方が強いに決まっているぜ」


 男達は引き下がらず、タチの悪さが際立っている。

 それとこいつらは正式版からの参加者だ。テスターは確実にこの中の一人は知っているだろうからな。

 ここには正式版からの参加者である第一陣の人たちばかりだろう。周りもあんまり騒がない。

 たぶんテスターは西や俺達が今から行こうとしている東の草原の向こう側、林にいるのだろう。


 アオイ姉は溜息をついて、アイコンタクトで俺達に何かを求めてきた。

 俺以外はわかったらしく、頷いた。俺は訳も分からず、とりあえずアイコンタクトで任せると送った。

 アオイ姉はそれを見届けると、男達を見て言い放った。


「あんたたち馬鹿ね!」


 俺は目を見張った。いつも優しいアオイ姉が挑発なんてするとは思わなかったのだ。

 メンバーを見れば俺以外はわかっていたらしく、高みの見物だ。

 さすがに周りの人達は、少しずつ騒がしくなっていく。


「お前調子乗ってんなよ! ちゃんとした防具を持っている俺達に勝てるとでも思ってんのか?」

「おとなしくしてないと痛い目に遭うぜ!」


 男達はよほど沸点が低いのだあろう。すでにキレている。

 それに対してアオイ姉は笑っている。しかし、いつもの笑顔ではなく冷めた笑いだ。

 これはやばいと思ったが、よく見れば目が本気では怒ってない。

 どうやら、演技のようだ。それにしてもどうするつもりだろうか。

 相手はもうマジギレだ。

 そこでシノが動いた。


「じゃーさー私達とPVPしよっか~」

「は?」

「だからーPVPであんたらが勝ったら、あんた達のものになるってこと!」


 シノは明るく元気に言う。相手はイマイチ理解しきれてないようだ。

 シノが二回言うと相手はやっと理解したらしく、うざい笑みを浮かべて乗ってきた。

 それにしても馬鹿だな、と思う。なんてったってこちらは6人なのだから。

 PVPにはいろんなものがあるが、双方がパーティーを組んでいる場合はパーティー戦が主流だ。

 頭に血が昇っていて、プラス欲望にまみれた男たちには死んでもらおう。


 シノが相手にPVPの申し込みをする。そこにはちゃんとパーティー戦と書かれていて、勝敗はどちらかが全滅するまで、つまり殺すまでである。

 相手は余程勝つ自信があるのだろうか、内容を確認もせず承認した。

 周りの野次馬がだんだん増えてくるのは、よろしくないが、どうせ男達が惨めな思いをするだけだ。


 PVPが承認され、男達と俺達の中心に60という数字が浮かび上がって一つずつ数を減らしていく。

 俺はとりあえず中心から離れて後方右で弓を準備し出す。

 敵は剣を出して、すでに余裕ぶった表情で見てくる。


 ほかのメンバーも散らばり、準備が整う。

 カウントが減っていき、10を切る。

 俺は弓を構えることは無く相手が前衛に集中している間に、弓を仕舞いツインソードを出す。そしてダッシュの構えをとる。

 カウントが5になったところでアオイ姉が叫ぶ。


「馬鹿ども!! 私達に勝てると思ったことを後悔させてやる!」


 それは辺りに響き渡る。鋭い声色で緊張がはしる。

 カウントが0になり、カンッ!と鐘が鳴った。

 俺はとりあず相手の裏を取るように後方から一気に外のPVPの境界の端を走る。

 中心を見れば、前衛のタクさんが一撃で相手の武器を弾き飛ばしてしまう。

 周りからはざわめきの声が聞こえるが、俺達はものともせずに続ける。

 男達は明らかに前衛に意識を取られていて後衛の魔法にやられる。

 アオイ姉は火を使った攻撃で相手を焼く。

 明らかにスピードが落ちた敵にトシが近づき鎧をぶち壊した。

 武器が鈍器のハンマーに変わっていた。

 どうやら魔法のエフェクトに隠れて変更したようだ。

 そして壊れた鎧の男にミキの魔法の氷が飛んでくる。

 氷は尖っており、男に突き刺さる。

 男はもうHPは赤ゲージ、3割を切っている。

 もう一人の男が、その光景に青ざめている間にタクさんが鈍器で鎧を砕く。

 そしてすぐにシノが剣を突き刺して、こちらも赤ゲージにする。

 その頃には俺は男達の裏に来ていた。

 そしてよろよろと立ち上がる男達の後ろからツインソードを振り抜く。

 右手は左側の少し先に居た男、先に赤になった男の首を後ろから斬り裂く。

 左手は右手で切り裂いたあと、左側から右手を流れのまま右側に持って行き、その勢いで体を前に持って行きながら、左手を右側に上げてきて、二人目の男の首を目掛けて、左方向に斬り裂く。


 男達は急所への一撃が致命傷となったようで、息絶えた。

 そして勝利を告げるファンファーレが流れた。

 周りの野次馬たちは一斉に騒ぎ立てる。

 俺はみんながいるところに駆け寄って行く。


「ナイス止め!」


 トシが右手を上げて出迎えるので、それに答えて右手を上げる。


「おう! お前らもさすがっ!」


 パンッ!


 そしてハイタッチを交わす。

 野次馬達は初めて見るVRMMOのPVPにテンションが上がりまくっていた。

 やはりほかのゲームとは違う臨場感があるのだろう。

 それは、やってみた俺がよくわかっている。


「ば、馬鹿な! お前たち、チートだ!」


 男がやっと帰ってきたようで文句を言ってくる。

 その言葉に周りが静かになる。

 男達はどうも納得がいかないようだ。まぁ、わからないでもない。なんてったって防具を壊すんだもんな。

 俺はどうするんだ?と視線でトシに送ると、安心しろとでも言うように笑った。

 俺はそれを信じて相手を見る。


「悪いわね。でも、手を抜くと馬鹿な輩がどんどん来るから利用させてもらったわ。私達はオープンテスターのトップメンバーよ。貴方達に止めを刺したあの()以外わね」


 アオイ姉が優しいいつもの声色で話す。男共はどうも理解できないのか目をパチクリさせて止まっている。

 そしてアオイ姉が俺の方を指さしたのでこちらを見てくる。なんとなくだが、睨み返した。

 すると怯えたように視線をずらしやがった。所詮はチキンらしい。

 俺は細く笑ってトシの方をみると苦笑いをしてこう言われた。


「言っとくがお前の睨みとその笑顔は怖いからな?」


 俺はおどけて知らないふりをする。俺は女顔だが目は鋭い方で睨むと怖いらしい。

 まぁ、普段でもクールだと言われるのだ。嫌いじゃないがな。


「さて、今回は見逃してあげるけど、次からは容赦せずにプレイヤーキルでもなんでもしてあげるから。これに懲りたらもう迷惑なナンパはやめることね」


 男達はアオイ姉の説教で相当反省したのか、素直に頷く。

 周りの野次馬達もよかったなーとか言いながら散っていく。

 俺達も、そろそろ行くとするか。ということで門をくぐるために移動する。

 男達の横を通るときに俺は足を止めた。

 男達は恐る恐る俺の顔を見てきた。

 俺は普通に笑顔で対応する。先程は怖がらせすぎたからな。

 そして思ってたことを言う。


「その装備を持っていることとか、さっきの戦いからして、スジは良いような気がする。だから、がんばってみなよ。君たちなら強くなれると思うよ。じゃ、がんばってね、お兄さん」


 俺はできるだけ優しそうに笑顔でそういった。

 男達は若そうなので、できたらちゃんとした道に進んでもらいたいものだ。

 そう思って言ったのだった。


 お兄さんとサナが言った時、ほんの少し男達の顔が赤くなったのだが、誰も知らないことである。




読んでくださり有難うございます


よかったら、気軽に感想、アドバイスして頂けますと幸いです。

一言やリクエストをしてもらえると作者が喜びますw


次回はやっとレベリングです。


これはもう少し一話を長くする必要があるかもですね(涙

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