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Lv1:プロローグ……てきななにか

新作らしいです。

楽しんでいただければ幸いです。

「起立! 礼! さようならー」


 いつものように挨拶をして、スクバを持ち上げて帰る。

 初めは新鮮だった学校帰りの長い下り坂も今じゃいつもの風景だ。

 帰り道を一人で歩いていると後ろから声がかかった。


「よっ! 咲凪(さな)ちゃんはお一人で?」

「見ての通りで、というかちゃんはやめろ」


 声の主は悪友と名高い、加納(かのう)俊毅(としき)だった。

 俺の名は加賀(かが)咲凪(さな)だ。

 言っておくが、俺は正真正銘の男だ。


「じゃ、咲凪様で」

「ふざけるな、怒るぞ」


 俊毅は楽しそうに笑っている。俺はそれが気に入らず、怒ったように頬を膨らませて俊毅を睨んだ。


「うわっその顔ちょー可愛い! ちょっと待って、写メ撮るから」

「ふんっ! させるかっ!」


 俊毅は俺の顔を見て顔を赤くした。それから手に持っているスマフォをこちらに向けて写メを撮ろうとしてくるので俺はスマフォの前に手をかざして邪魔をする。

 俺は撮らせまいとがんばってスマフォを追いかけるが、俊毅が手を引いてスマフォを遠ざけたため、それを追いかけて俊毅に近づいた。

 しかし、それが間違いだった。

 俊毅は俺が近づいたのを見逃さず、なぜか抱きしめて来た。


「おいっ! なにするやめろ!」


 俺は俊毅に文句を言いながら睨みつけるが、俊毅は何処吹く風のように知らないふりをする。

 俺がしばらく藻掻いていると他校の生徒が通り過ぎた。


「ちっ、リア充が」

「あの娘可愛いかったなぁ」

「あぁ、確かに。あんな彼女がほしいぜ」


 通りすがりの会話が聞こえてきた。

 可愛い娘ってのは俺のことだろう。


「誰が彼女だ……はぁ。お前のせいだからなっ」

「おうおう悪い悪い。ははっカップルだってな」

「お前反省してないだろ」


 俊毅に文句を言うもやはり反省の色は見えない。

 こいつとは小さな頃からの友達で幼馴染だが、いつも俺をからかっては笑っているのである。

 反省もしないが別に悪意があるわけでもなく、これといった問題もないので、ずっとこういった関係である。

 いつも、俊毅がからかって俺が怒って追い掛け回すのだ。まぁ、俺も本気で怒ることはない。

 俊毅といつもの帰り道をいつも通りに駄弁っていた。

 気がつけばもう俊毅の家の前だった。


「あ、そうそう。明日から夏休みだ。その夏休みを謳歌するためのアイテムをお前にさずけよう」

「え? いきなりなに?」

「とりあえず、ちょっとおいで」


 俊毅は何かのセリフを演技っぽく言うと、俺の質問にも答えず、俺の手を掴んで家に引きずり込む。

 あ、こいつの手、でかいな。

 そんな阿保なことを考えながら後ろをついて行く。

 家には俊毅のお母さんが居ており、軽く挨拶をして2階にある俊毅の部屋に向かう。

 俊毅は部屋に入るといつものように部屋の窓側にあるベットに腰掛ける。

 俊毅の許可などいらない。よく遊ぶからもういつものことなのだ。


 部屋は案外綺麗に整頓されており、入口から左側に窓とベッド、正面にテレビとゲーム機。

 その右側にデスクがあり、教科書などが並べられている。

 右側の壁には本棚があり、漫画や小説、所々にフィギュアが並べてある。

 中央にはテーブルがあり、携帯ゲーム機のSPSがあった。

 ちょっと左を見ればデスクトップパソコンがベットの頭の方にあった。寝ながらやるのだろうかと考えていると俊毅がクローゼットの中から袋を出してきた。


「これこれ、手に入れるの苦労したんだぜ~」


 そう言って俺の前に出してきた大きめの袋には。


「これ、最近有名のゲームのハードじゃん。なんて言うんだっけ?」

「『ヘッド・ギア』 略してHGな。お前も知ってると思うけどVRMMOのハードな」


 俺は驚いてポカーンとしていることだろう。俊毅は嬉しそうに説明をしている。

 このハードは今年発売されたもので、なんでも、脳波を読み取って操作するようで、本人の意識はゲーム内に有り、実際に体を動かす感覚でゲームができるらしい。操作といってもどちらかというとゲーム内に自分ごと入るといった感じなので、リアルに近い。

 最初は医療や実験に使われていたようだが、ゲームも行けるとなり今注目が集まっているのだ。

 そして、このハードを使ったゲームが今年の6月に出たのだ。

 その名も【Infinite life story Online】これは名前の意味のまま、無限の生活という意味で、とにかく今までのゲームとは違い、ゲーム的なスキルや戦い方から生活のスキルなどとりあえず楽しみ方か無限ほどあるという意味らしい。

 普通にゲーム内でもリアルのように生活できることから応募者が殺到しており、人気も人気でこのハードがテレビよりも高いのに生産が追いつかないとかとニュースでは報道されている。

 そんなレアな代物が目の前にあるのだ。

 俺は俊毅を見て、説明を求めると目で送ると、俊毅は説明を始めた。


「どうやって手に入れたか、だろ? 大変だったんだぜ? 俺はオープンテスターに当選したから無料でもらったがどうしてもお前の分も欲しくて、知り合いでこのゲームに関わっている人が居たからその人に頼んで一つ回してもらったんだ」

「そ、それって違法じゃないの?」


 話を聞いていれば買ったわけじゃないようだ。

違法じゃないのか?と聞くと俊毅は自信満々にこういった。


「大丈夫だ! その人と契約して条件を飲む代わりにもらったんだ」


 それって大丈夫なのか?と思ったがまぁ、俺が気にしても意味がないようなので諦めるとする。

 用事は済んだようなので帰ろうとベッドから立ち上がると、俊毅が話しかけてきた。


「はじめの街、エクリエイリムで待ってるぜっ!」

「おう、そうしといてくれ。ちゃんと行くからさ」


 俊毅は嬉しそうに見送りにまで来てくれた。

帰り道はもうそのゲームのことしか考えられなかった。

 俊毅や俺の姉、妹はゲーマーで廃人らしいが俺は違った。しかし、ゲームは好きなのである。

 今回は俊毅の好意でゲームができるのだ。楽しむに決まっている。

 しかし、参加する予定のゲームに関してはあまり詳しくないため、どういった楽しみ方をするかはまだ決められない。


 俊毅の家を出てから数分で自分家に着く。

 玄関を開けると妹の紫乃(しの)が中から急いで出てきた。


「おかえり咲凪ちゃん! ちゃんと貰ってきた?」


 どうやら今回のことは紫乃も共犯のようで、期待するような眼差しで見てくる。


「あぁ、俊毅からちゃんとな。あとちゃんはやめろ」


 しっかりと文句も添えて言うと紫乃は嬉しそうに俺の手を掴む。


「じゃ、咲凪様! さっさと準備しよう。時間かかるから」


 この流れは……俊毅のやつに入れ知恵でもされたようだ。というかこんなに紫乃が嬉しそうなのは久しぶりだ。紫乃は妹贔屓なしで十二分に美少女だ。もちろん姉の(あおい)姉も美人だ。


「わかったから。というか紫乃、俊毅に入れ知恵されたか?」

「んー? なんのことか分かんなーい」


 紫乃は惚けながら俺を2階に連れて行って準備をする。

 準備は大体を紫乃がしてくれて、俺は自分の脳波とのセットのために1時間ほど寝ていた。

 一時間とは言え、ずっと同じ状態でいるのは疲れた。

 しかし、その間に俊毅と同じくオープンテスターに受かっていた紫乃がゲームについての説明をしてくれたためにまだマシだった。


 そして夜ご飯を食べるためにリビングに向かった。

 リビングには葵姉にお母さんとお父さんがいた。

 みんなでご飯を食べていると、葵姉がゲームについてどんなキャラなのか話してくれた。なんだ葵姉もオーンプンテスターだったのか、と驚いたが廃人なのだから当然だろう。

 葵姉は美人なのでゲーム内でもモテるだろうに、と思ったが言わない。


 葵姉は魔法使いのようで、やはり廃人故に魔法使いのトップを行っていたそうだ。ちなみに二つ名とかいうのがあったらしいが教えてはくれなかった。

 紫乃は片手剣を振り回すようで剣士のようだ。こちらもトップだったらしい。

 ゲームではできるだけ身内とは被らない方が楽しいので聞いていくがどうやら俊毅の兄弟とこの二人で一つのパーティーが完成するほどバランスが良いらしくなんでもいいと言われた。

 一応言っておくが俊毅は両手剣を振るそうでこちらも剣士ではある。しかし、紫乃とは違って一撃のダメージ重視らしい、紫乃はアクロバティックな行動をする遊撃的存在らしい。

 また、俊毅のお兄さんの拓人(たくと)さんはタンカーらしい。元々拓人さんは体格がいいのでちょうどいいらしい。

 俊毅の弟の幹也(みきや)くんは回復役のディーラーらしい。魔法重視らしいから全体で行くと、剣士2人内一人が遊撃、盾1人。魔法使い2人内一人が回復。とバランスの良さがわかる。

 自分はどうしたらいいかなーと考えた末に遠距離系の万能キャラにしようと思った。

 メインは弓にして遠距離役になって、魔法も軽く使え、遊撃の刀とかも使えるといいかなぁと考える。

 あと、アサシンとかに憧れるところがあるので少しナイフとかで暗殺もしてみたい。


 自分のキャラの構成が大体出来てきたところで少しゲームの情報を読んで、明日の正式サービス開始に合わした。



読んでくださりありがとうございます。


次回はゲームにログインします。

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