グーレラーシャの獅子親伝3
リツメイヤが若くして
いや、幼くして嫁いだ。
娘が嫁ぐと言うことは寂しいな。
「まあ、落ち込まないで。」
抱き上げた律が私のせなかを撫でた。
律は優しいな。
「娘はまだ、2人いるんだしね。」
律は言った。
母親は強いな。
「私はそろそろ帰ります。」
リエスディアが言った。
ああ、戦場に戻るのか。
まだ、二つ名はついてないようだな。
活躍は聞こえるが。
「リエスディアの方が心配だよ。」
律が言った。
そうであろうか?
まあ、戦いはまだ続いているし
怪我などせぬかは心配だが...。
戦場に立つ高揚感は忘れられぬ。
「そういえば、ラース様の孫娘のニーシェル王女とは会うこともあるのか?」
私は聞いた。
魔法剣士でなかなか筋がよいとラース様がいっていたが…。
「ニーシェルちゃんは魔剣姫と呼ばれるくらい強くて、ムリュフのお世継ぎ廣宗さんと仲がいいです。」
リエスディアが言った。
ニーシェル王女はムリュフ精霊国の世継ぎとなかがよいのか…。
ラース様がなるべくムリュフと近づけてるのかもしれぬ。
ムリュフ精霊国で見極めた国主の三男が見どころあるから孫娘の婿に貰うと
祖父上様に言ってたのを聞いたことがある。
本気かどうかは確かめなかったが…。
ラース様の御めがねにかなうほどだ、よっぽど素晴らしいのであろう。
「姉上様、ご武運をお祈りいたします。」
アルティウスがいった。
相変わらずそつないな。
「ありがとう、アルティウス。」
リエスディアが言った。
「姉上様、来年には、僕も行きますからね。」
イェティウスが言った。
そうだな、来年こやつも成人の30歳だからな。
子供が戦場に出るのは…やはり寂しいな。
「お姉さま、寂しいけど頑張ってください。」
リツデイナが言った。
実はこやつが一番バランスがよい。
魔剣姫ではないが。
薙刀に魔法を操る魔法槍士だ。
まだまだ、幼いが将来が楽しみだな。
…やはり心配なのはリツメイヤだな。
戦闘能力は下等戦士レベルだし。
なんといっても、節殿いわくお姫様だそうだ。
リツメイヤは戦えない…。
ファルディアス皇太子殿下の意のままであろう。
「ウェティウス様、嫁にやったもんはどうしようもないよ、それより、いる子の事考えようよ。」
律が言った。
律は相変わらず、私を煽る女だ…。
いつまでたってもハチミツタルトのように甘い…。
「今夜は楽しみにしておけ。」
私は律にささやいた。
「子供たちのいる前で言うセリフじゃないよ。」
律が言った。
私は律の甘い唇をむさぼった。
「相変わらず、熱いですね。」
リエスディアが言ったのがきこえた。
律、そなたはいつでも私を熱くしてくれる…。
やはり、リツメイヤが嫁いで寂しい。
今夜は慰めてほしい。
そなたとは絶対に離れられない。
ラース様の孫娘『魔剣姫』の成長後?の姿は
『魔剣姫は振り返らない』で書いてます。
よろしくお願いいたします。




