幕間 外務担当官は戸惑う。(ジャスミナ・ヒフィゼ)
なんか、最近仕事に生き過ぎですわ。
少しくらい色っぽい事がありませんの?
「ヒフィゼ外務担当官、オスペナ知識国の外交官はなかなか食えない女だな。」
陛下が言った。
相変わらずお綺麗よね、お子様が3人いるとは思えないわ。
「そうですわね。」
私は言った。
今日は陛下の執務室でオスペナ知識国の外交官の女性とあったのよ、
名目上はアルティウス様誕生祝なんだけど、
貿易関係で煮え湯を飲まされたわ。
私もいつか陛下と結婚なんて思っていたわよ。
でも、いまや、弟のダウリウスに先を越されてもうやってられないわ。
どっかに私の王子様落ちてないかしらね。
外務担当室に帰る途中ふと中庭をみた。
なんか赤いものがあったのよ。
「ノルティウス様、暇だからと中庭でぐだぐだしないでください。」
ふられ仲間と密かに呼んでる陛下の弟ノルティウス様が陛下の執務室前の中庭でしゃがみこんでたわ。
「ジャスミナ嬢?でまだいいのか?別に私の勝手だろう。」
ノルティウス様が言った。
「申し訳ありませんね、まだまだ、ジャスミナ嬢ですわ。」
どうせ、私は独身よ。
「...ジャスミナ嬢、今日のアルティウスの生誕パーティーに一緒に出てくれないか?」
ノルティウス様が言った。
私はノルティウス様の赤い髪が風に揺れてるのを見た。
あの赤い髪が目に飛び込んで来たんだわ。
「いいですわ。」
どうせ、ちょうど良いところに来たくらいなんでしょうね。
「感謝する、ジャスミナ嬢。」
ノルティウス様が微笑んだ。
いい男なのはそうなのよね。
「...ノルティウス様、なんですかその腕は?」
生誕パーティーの準備万端でヒフィゼの部屋群で待ってたらノルティウス様が迎えにきた。
それはいいけどなんで抱き上げようとするんですの?
普通にエスコートでいいじゃありませんの。
「求愛行動を取っただけだが?」
ノルティウス様が言った。
私、からかわれてますの?
「普通にエスコートしてくださいませ。」
私は言った。
「ジャスミナ嬢はまだ、陛下にけそうされておられるのか?」
ノルティウス様が言った。
「そこまで、未練がましくありませんわ。」
私は言った。
「そうか?では、私でよいではないか。」
ノルティウス様が微笑んだ。
よくわからない方ね。
「いきなりいわれて、はい、そうですかと言うわけに参りませんわ。」
私はノルティウス様を見据えて言った。
「そうか、まあ、今日のところは諦めよう。」
ノルティウス様が言った。
「陛下、律様、おめでとうございます。」
陛下にアルティウス様と一緒に抱き上げられた律様を見た時素直に喜べたのがよかったですわ。
「ジャスミナ嬢は、ノルティウスと一緒なのだな。」
陛下がほっとしたような顔をした。
「陛下、律夫人、おめでとうございます。」
ノルティウス様が綺麗な礼をした。
全然、律様に未練無さそうね。
「ヒフィゼ外務担当官、グーレラーシャはますますのご発展ですね。」
オスペナ知識国の外交官が言った。
「そうですわね。」
今日は、ヒフィゼ外務担当官で来ているのではないのに仕事熱心ね。
「こちらのかたは?」
オスペナ知識国の外交官が言った。
しらないのね。
「陛下の弟君、ノルティウス様ですわ。」
私は紹介した。
オスペナ知識国の外交官の女性はぽーっとしてる。
まあ、いい男だしね。
「ノルティウス様とヒフィゼ外務担当官はどういう関係ですか?」
オスペナ知識国の外交官の女性が言った。
「私がジャスミナ嬢に求愛行動している関係です、ニマレーア外交官。」
ノルティウス様が言った。
「それは、残念です。」
オスペナ知識国の外交官の女性はそういって離れていった。
「あれじゃ、噂ばなしされそうですわ。」
私はため息をついた。
「本当の事だ。」
ノルティウス様が言った。
「律様命じゃなかったんですの?」
私は聞いた。
「昔はそうだった...ああ、先ほどジャスミナ嬢に会うまではな...。」
ごく最近じゃありませんの。
「さっき会って気がついた、私の初恋の相手はそなただと...私と結婚してほしい。」
ノルティウス様が極上の笑みを浮かべた。
「初恋の相手?ですの?」
私は戸惑った。
「ああ、そうだ。」
茶色の真剣な目で見られた。
「か、考えておきますわ。」
私は言った。
「よろしく頼む。」
ノルティウス様が言った。
私、困ってしまいますわ。
本当にどうすればいいのかしら?
私はヒフィゼ本家をつぐ予定 ですから
婿に来てくれるのかしら?




