グーレラーシャの獅子2
律の心はよくわからん、女性の心理学の教科書と違う言動が多々あるのだが...どうしたらよいか?
「まるで、闇夜のように艶やかな髪。」
でいいのか?...芸術系は、クレシア王国の十八番らしいが...母上様から全く遺伝してないな...教養程度しか入ってない。
「...無理しなくて良いと思います。」
一緒に朝食を取っている律が言った...今日も食が細いな...合わないか?
「食べたい物はないのか?」
私が聞くと律は大丈夫ですと答えた...大丈夫ですじゃわからないな。
律と食事を取るようになってから、いかに自分が仕事に追われて、ゆっくりと食事をしていなかったかわかるな。
「それより、農家の生産している物について教えてください、地域によって違うですよね。」
例えば、この芋とかと律が言った。そうだな、それは、北の方のロシュホリドが有名だな、ここより寒い地方だ...律は、勉強熱心だな、私も良い復習になるな。
「...別れるのは、寂しいが行ってくる。」
なるべく、素直に気持ちを伝えるだったか?
...律の身体は気持ちがいい、唇も柔らかいな、律は微妙に抵抗するが抱きしめてキスするのはやめられないな...本当はもう少し関係を進めたいが...長く付き合いたいからな。
「スザナ、後は頼む。」
律をスザナに任せた。
「はい、律、部屋に帰りましょう、昨日の続きを聞かせてください。」
ニコニコしながらスザナは律の手を握った、警護もつけたし、律の逃亡も防げるだろう、律は弱いからな。
「...やっぱり、異世界人失格?...スザナさん昨日のはあくまでも、参考と言うことで。」
律がなんか良い案出したようだな、やはり律は普通の聞いてる異世界人と違う、頭が良い...ゆっくり見てたいが、時間だ。
「行ってくる、律。」
私が言うと律は戸惑うような表情をして言った。
「...行ってらっしゃい。」
やはり、良いなこう言うのは。
「陛下、王太后様がおいでになりました。」
秘書官のサリュウスが言いに来た、母上様が?
「お通ししろ。」
私になんの用だろうか?珍しいな。
「ウェティウス、元気そうね。」
母上様も元気そうだ、私と同じ、水色の目がキラキラしてるな...何か、興味深いことが合ったか?
「母上様もご健勝で何よりです。」
母上様に椅子をすすめ言った。
「ねぇ、あなた、女の子囲ってるんですって?」
...もう、知ってるのか、耳が早いな。
「ええ、それがどうかしましたか?」
たいした事ではないだろう、文句を言う伴侶もいないし。
「...本当なのね、どんな子なの?」
なんでそんなにキラキラしてるんだ。
「律は、可愛いです。」
どんな情報が欲しいんだ?
「それだけ?異世界人で、頭がよくて、言葉が通じて、風読みの民みたいな種族なんでしょう?」
母上様が一気に言った...そこまで知ってれば十分だと思うが。
「...何がいいたいんです。」
我が母ながら意味がわからん。
「...お母様は、嬉しいのよ~、あなたが女の子囲うなんて王都に雪が降るわよ。」
喜んでるのか?雪などこの辺は暖かいからな、降った試しがないが...クレシア王国は降るらしいな。
「...あなた、御酒飲まないわよね...もう、祝杯あげたいのに~、なんで、この国の人達呑まないのよ~。」
母上様、浮かれてるな、ま、この国の民は酒は呑まないな、基本的に、戦闘時の判断力を鈍らせるからな。禁止されてるわけではないが...甘い物で十分じゃないか。
「母上様の分だけ準備させましょうか?」
私が言うと一人じゃつまんないからいいということだったので茶と菓子を準備させた。
「ねぇ、いつ頃結婚するの?」
そこまで思考が飛ぶのか?母上様。
「...まだ、何も。」
律と結婚?...なるほど、良い案だな、公式に独占できる。
「ひどいわね、ウェティウスもてあそんで終わり?」
...もてあそぶも何もまだ何もしてないが...。
「もし、私が律と結婚するとして、母上様は反対はしないのですか?」
...律が伴侶となるというとうるさいのがいるはずだ。
「だって、女の子に興味なかった、ウェティウスがやっと好きな子できたのに反対なんてしないわ、孫を早くみたいし。」
孫?まだ、早いだろう...好きなのだろうか?確かに執着はしているが...なるほど、これが好きなのか。
「スザナが養女にしたいって、私に直談判しに来たわ。」
スザナが?母上様とスザナは友達だったな。
「この際、ドーリュム家の息女にして公式に婚約しといたら?取られる前に。」
取られる? 誰にだ?異世界人研究者のにか?一度、律を研究所に連れてこいとうるさい要請が来ているな。
「考えておきます。」
仕事と武術の鍛練が終わって部屋に戻ると律は、中庭に出ていた。
「何をしている?」
私が聞くと律は振り返った。
「おかえりなさい、月が綺麗ですね。」
そういって、また、空を見上げた...、確かに今日の三日月は綺麗だ...律の髪の毛に浮かぶ船のようだ...詩的な表現は苦手だな。
昔読んだ童話だか民話に、月の国の姫君に惚れたどこぞの王子が努力の末、結婚したが、結局裏切って月の国に帰られたと言う話があったな...。
...バカな男だ、律、私は絶対に失敗しない...だからどこにも行かないでくれ。
「...それ以前になんで中庭に出てる?」
そこは、許可してないぞ。
「心が狭いですよ、陛下。」
スザナに呆れたように言われた。
逃げられるリスクは少しでも減らさないとな...たとえ、心が狭いと言われようと。
側近→秘書官と判明しました、訂正します。