その5 律、戸惑う。
身体測定や検査って不用意に自分の体の一部を渡さないにすごく、当たるよね...何に使うかしらないけど。
「持病とかはお持ちではないですか?」
穏やかそうなおばちゃん先生が聞いた。
「特にありません。」
今のところはない。
「ご家族にご病気の方はいらっしゃいますか?」
...静ばあちゃんが血圧上がり気味らしいけど...私は大丈夫。
「祖母が血圧高めなだけです。」
私が言うと先生はサラサラとわかりずらい流れ字で何か書き込んだ。
採血、針刺してするんだね、明正和次元ではだいたい医療用の検査符で済むからビックリしたよ、看護師さん職人技だね...レントゲン?透視?良くわからないハンディ系の機械で、私、翼人ってバレました...良いけどね。
「律は風読みの民と同じなんですね。」
スザナさんに言われたよ、翼人、風読みの民って言われてるんだ。
「翼もお見せください。」
先生に言われて...出したよ、服?自分の服だから翼出せる素材何だよね、背中見えないし。
「金の翼ですか、美しいですね。」
スザナさんが言った、先生と看護師さんは翼を観察している。
「翼の付け根に大きな鱗がありますね。」
先生が言外になんですといってる...仕方ない言うか。
「父が光竜の血を引く翼人なので鱗があるんです。」
ちなみに、母は人間族が強く、空間系が強い為、空間管理師をしている、その空間系、もう少しこっちに遺伝させてくれたら今頃逃げられたのに...ハア。
「光竜の血も引いてらっしゃるのですね...お疲れですか?」
スザナさんに心配されたよ。
「大丈夫ですけど、そろそろしまっても良いですか?」
私が聞くと先生は一枚羽根を採集させてくださいと一枚、ピンセットの大きいので抜いた、地味に痛いよ。
何で胸囲とか計るんだろう、腹囲はメタボリックシンドローム検査って知ってるけど。
「先生、どうですか?」
ダファヤ師さんが顔を出した。
「律様はご健康です、とりあえず検査結果の出た分です。」
そういって先生が書類をダファヤ師さんに渡した、律様?...何で様付け?
「...風読みの民と同じような種族なのですね、身体の構造上も、交配可能と...良いですね♪」
交配可能?...何でそれが出てくる?何か嬉しそうに言ってるし。
「ビハシェリムさん、律が目を丸くしてますあからさまな物言いはお止めください。」
スザナが不快そうに言った。
「...スザナータさん、律様の保護者は陛下ですわ。」
ダファヤ師さんが言った、火花が散ってるよ、ライバル?
「まあまあ、本当に律様がビックリしてますよ、お二方ともお止めください。」
先生が間に入ってくれたよ。
「今日の本番は無しとなりました。」
ダファヤ師さんが言った...本番って、アレの事か?...貞操の危機ひとまず回避?
「陛下が会話を望んでおられます。」
とダファヤ師さんが言った、会話で済むのかな。
「二人きりでは危ないです、私が付き添います。」
わー、スザナさんもそう思うんだ、私もそう思うよ。
「何、おっしゃってますの、私が付き添うに決まってるじゃありませんの。」
ダファヤ師さんがちょっと嫌味たらしく言った、何かにらみ合いしてるよ~。
「あの、心細いので、お二人とも良いですか?」
とりあえず、その線でいこう。
「ええ、喜んで、律様。」
にっこりとダファヤ師さん
「もちろんです、律。」
ニコニコのスザナさん。
世話が焼けるよ、ふと、先生を見ると悪いですねって顔してた、二人の不仲は有名なのかな?
「律...。」
女王陛下に抱きしめられ...また、キスされたよ...ねー、それデフォルト?というか苦しいもうはなして!
バシッと音がした何か陛下の方に当たったようだ、だって力ゆるんだもん。
「陛下、やり過ぎです。」
ダファヤ師さんが何か...小さい物を投げたみたいだ...出てた、だだ甘い焼き菓子かな?
「キスと抱擁は許可が出ていたはずだ。」
女王陛下が抗議した、許可するなよ。
「...適度なです。」
...女王陛下に明確に指示してやれよ、1日何回までとか...やられる私的にはぜひ全面禁止でお願いします。
「ビハシェリムさんは陛下の管理も出来ないのですね。」
スザナさんがいつもより冷たくいった、管理されるなよ、女王陛下...。
「王室管理官長は、スザナータさんの仕事でしょう。」
ダファヤ師さんも応酬したよ。
やめてください。
なんとか、女王陛下に抱擁をといてもらって隣が良いと陛下が主張するので座った...ソファーも高級だな。
「...残念ながら、今日はダメと言うことになった。」
すごく残念そうに女王陛下が言った、私的にはすごく嬉しいです。
「律様が落ち着かれてないのに、そのような事をすれば一生許してもらえないと説得しました。」
ニコニコしながらダファヤ師さんが言った、い、一生?そんなに私ここにいるの?
「律は、高等教育を受けてるようですし、そうですね。」
とスザナさんが言った、珍しく意見が一致してるよ。
「陛下は、律様と長くお付き合いしたいとの事でしたので、今日はお止めしました。」
ダファヤ師さんは言った、長く付き合いたい?私はなるべく早く逃げ出して、普通の異世界生活したいです。
「律、私はそなたとなるべく早くしたいがダファヤ師が女心がわからないと嫌われると言うのでな、今日は諦める。」
....今日はなんですね...ハア。
「陛下が早く成長されればそれだけ早く道は開けますわ。」
ダファヤ師さんが言った、成長?...どうでも良いです、私の貞操の危機っていうことじゃないですか。
「今、隣の部屋を整備させています、律はそちらで寝てください。」
スザナさんが言った、鍵かかるんだよね。
「陛下、こちらが資料ですわ、頑張ってくださいませ。」
ニコニコしながらダファヤ師さんが言った、女心の教科書なのかな?
「律、まってろ、合格点をもらって直ぐに可愛いがってやる。」
怪しい微笑みを女王陛下は浮かべた...そう言えば、陛下、女性なんだからわかるんじゃ...武人だから感覚違うのか?
再び、女王陛下にキスと抱擁されてやっと解放されたよ、隣の部屋に...本格的に逃亡考えないとヤバい事になってきた...どうしよう。
隣の部屋も豪華だな...。