グーレラーシャの獅子新伝6
律が妊娠した。
嬉しく思うが...。
もう、独り占めできないとおもうと
やはり寂しい。
私はダメな父親だな。
「さて、ヨウカンでも買ってくるか。」
私は執務室の椅子から立った。
律は部屋で休ませているので
腕が寂しい。
「陛下、お願いがございます。」
珍しく、クーシャルーカが言った。
「なんだ?珍しいな。」
私は言った。
「ラズデアナ・カザフと言う外務担当官がデリュスケシから今日出張に参るのですが。」
クーシャルーカがどこかキラキラして言った。
そなた、ラズデアナ・カザフ外務担当官に求愛行動でもとるのか?
「ラズデアナは高等剣士でして、手合わせをそちらの中庭をお借りしてしたいのですが。」
クーシャルーカは言った。
そう言えば、カザフ外務担当官は
高等剣士を持っているのであった。
だから二年前、カータシキ魔法塔国に
送り込んだのだった。
「許可しよう、楽しそうだな、しかし鍛錬場を使ったらどうだ?」
ヨウカンを購入しにいくのでなければ
ぜひ、見学...いや、私が手合わせしてみたいが。
「ラズは平和主義者なので鍛錬場なんていったら逃げますので。」
クーシャルーカが言った。
...平和主義者の高等剣士だと?
面白いな。
「そうか、許可するから好きにするがよい。」
ヨウカンを買いにいかねばならん。
「私はヨウカンを買いにいく、サルティーアス供をせよ。」
私は言った。
「かしこまりました。」
サルティーアスが言った。
しかし、残念だ、ぜひ見たかったが。
「三田夫人、ヨウカンを買いにきた。」
私は言った。
「陛下、今日、りっちゃんいないんですか?」
三田夫人が言った。
「律は妊娠中だから出せない。」
寂しいが仕方あるまい。
「え、妊娠したんですか?それはおめでとうございます。」
三田夫人が言った。
「ちょっとお待ちください。」
三田夫人が時空保存庫に向き直った。
あれは律が結婚祝いに贈ったものだな。
「すみません、ヨウカンください~、ああ、せんべ いもあるそれもください~。」
妙にテンションのたかい女性だな...見覚えがあるな。
「カザフ外務担当官、定期報告か、御苦労。」
くだんのカザフ外務担当官だ、高等剣士の。
「ありがとうございます。」
カザフ外務担当官は言った。
「クーシャルーカがどうしても手合わせしたいと許可を出したが...そなた、文官なのに隙がないな。」
私は笑っていった。
ぜひいつか手合わせしたい。
「恐れ入ります。」
サルティーアスに興味があるか。
やはり高等剣士だけあって
猛剣は気になるようだな。
「陛下、商品です、そのうちりっちゃんのところ訪 問しても良いですか?」
三田夫人が言った。
「ああ、むしろたのみたい、律は王宮から、当分出 さない、ひまのようだ。」
そう、なにかあってら困るからな。
「カザフ外務担当官、そのうち、そなたの剣技が見 られるとよいな、定期報告、御苦労であった。」
本当にみられると良いが。
デリュスケシは海賊船が増えているようだ。
私はヨウカンを受け取って店をでた。
「クーシャルーカ、カザフ外務担当官とパティスリーイシカワで会ったぞ。」
私は言った。
「ええ、あいつに教えましたので、さっそく行ったんですね。」
クーシャルーカが言った。
「そうか、隙もない女性だった、今度は私が手合わせしてみたい。」
私は言った。
「あいつは平和主義者なのでやがるかもしれませんが、楽しいのでぜひどうぞ。」
クーシャルーカが
本当に楽しそうに笑った。
「律、ヨウカンだ。」
私はベッドで休んでる律を抱き上げて言った。
「ありがとう、ウェティウス様。」
律が微笑んだ。
愛しさが込み上げてきて口付けた。
律、これから大変だと思うが。
私達の愛しき子供のために頑張ってくれ。
すまん、本当にまだ実感がわかないが。
嬉しいことは嬉しいのだ。
傭兵国に生まれました...平和惚け上等!の
戦闘文官は出張中2のちょっと裏事情?入りです。
読んでなくても楽しめます。
よろしくお願いいたします。




