幕間 知、ついに年貢の納め時になる?(旧姓石川知美)
結婚するとなんかこの世界に
いついちゃった気がするわ。
まあ、月の事愛してるからいいけどね。
「知ちゃん、おめでとう♪」
私の友達でこのグーレラーシャの王妃様
(この国では伴侶様だったわね。)
律・グーレラーシャが言った。
「ありがとう、りっちゃん。」
私は言った。
りっちゃんから事前に結婚祝いで
時空保存庫、しかも大型業務用をもらってある。
カタログ見たらオープン価格だった。
絶対に高いに決まってるのに
値段はかないよね。
こんどなんかお礼しないとね。
「知美、きれいだぞ。」
夫になる神無月・三田が言ったわ。
今度から私も知美・三田よね。
月のご両親はもう、亡くなっていないらしいわ。
おばあ様が故郷のムリュフ精霊国にいらっしゃるんだけど遠いのよね。
「月、おばあ様本当にお招きしなくて良かったの?」
私は聞いたわ。
「うーん、主家のお嬢様の若様の面倒見てるから忙しいんだよな。」
月は歯切れの悪い言い方をしたわ。
「まあ、いつかこれる日も来るさ。」
月が言ったわ。
式は闘伸デフェルト・デェレウス様の神殿で式を挙げました。
本当は私悩んだんです。
月の寿命は230~250歳でどんなにがんばっても100歳くらいまでしか生きられない私と結婚なんてって。
でも、月がエルフなんか人間より長い寿命なのに人間と結婚してる
愛してるから一緒に死ねる誓いの術をかけるくらいだ。
オレもできればそうしたい、でも、秘伝の術らしいからなぁ。
っていってくれたから。
なんか吹っ切っちゃったわ。
そうしたら、明正和次元に
お兄ちゃんに会いに行ったら
寿命問題解決しちゃったのよ。
あの世界の空気のお陰で。
月より少し短いくらい生きられるみたい。
「月、ずっと一緒よ。」
私は自分からキスをしたわ。
「大胆だな、知美。」
うれしそうに月が抱き締めてくれたわ。
「神無月警護官、知美婦人を抱き上げたらどうだ?」
御臨席中の国王陛下がりっちゃんを抱き上げたまま言った。
「日本人には恥ずかしいんだよ、ウェティウス様。」
りっちゃんが言ったわ。
「駄々をこねるのはこの口か?」
嬉しそうに国王陛下がりっちゃんにキスしてた。
ねぇ、主役は私たちなんだけどね。
「知美。」
月が私をお姫様抱っこした。
嬉しはずかしよね。
「案外、重いな。」
月が言った。
「デリカシーがないわよ。」
私は言った。
「すまん、ま、幸せの重みだな♪」
月は嬉しそうだった。
ねぇ、月、幸せになりましょうね。
国でどんなやなことがあったかわからないけど。
今はここにいるんだし。
幸せに暮らすのよ。
こども沢山作ろうね。
三田が増えるように。




