グーレラーシャの獅子新伝5
カータシキ魔法塔国が半壊した。
宇水の妖怪師匠は恐ろしいな。
怒らせてはいけない。
『人は一人も怪我一つしてないそうです。』
ノルティウスが言った。
戦場までその煙と爆音は聞こえたとかで
見に行ってくれたそうだ。
「困る事もあろう、援助するように。」
私はノルティウスに言った。
『はい、陛下。』
ノルティウスは言いながら律をちらりと見た。
まだ、律が気になるのか?
「ノルティウス様、宇水の妖怪師匠の後始末をごめんなさい。」
律が言った。
『いえ、律様はご健勝か?』
ノルティウスは嬉しそうに言った。
「元気ですよ。」
律は言った。
「ノルティウス、援助物資は後程送る、必要な聞き取りを頼む、カザフ外務担当官を送るから相談しろ。」
たしか、カザフ外務担当官は高等剣士を持っていたはずだ。
危険な現場には必要だ。
『はい、バリジナグ外交官と接触が図れたと部下が言っていたので聞いてみます。』
ノルティウスは名残惜しそうに律を見つめて
通信機を切った。
「律、あやつに期待させるでない。」
私はそういって律に口づけた。
「ごめんなさい。」
律は少し落ち込んでいるようだ。
「律のせいではない、きちんと始末しなかった、私のせいだ。」
私があのマルティウスの息の根を止めていれば宇水の師匠は出ずにすんだ。
「私が誘拐されたからだよね。」
そうだが...魔法でだぞ防ぎようがなかった。
「なに、二人とも落ち込んでるのさ。」
諸悪の根源宇水の妖怪師匠が帰って来たようだ。
「宇水の妖怪師匠、おかえりなさい。」
律は暗く言った。
「ただいま~!お仕置き完了!塔半壊ですんだよー、僕やれば出来るじゃん。」
できなかったら全壊か?
「ウェティウス、このチャンスに恩を売っといた方が良いよ。」
ニヤリとして宇水の妖怪師匠が言った。
「援助は指示いたしました。」
私は言った。
「弟君にあったよ、お父さんに似だね。」
さらりと宇水の妖怪師匠が言った。
それは、父上様もご存知と言うことですか?
「カータシキ魔法塔国の人達は怖い思いしたよね。」
律は落ち込んで言った。
「うん、報復だからね、律が気にする事じゃないよ、問題はマルティウスがキラキラした目で僕の魔法見てた事かな?」
宇水の妖怪師匠が言った。
「あの、変態見てたんだ。」
律が言った。
「うん、だから回し蹴りしといた。」
宇水の妖怪師匠が言った。
今回唯一の負傷者か?
「何人かそう言うやからがいたからみんな回し蹴りしといたよ。」
何人かいるようだ、医師も派遣するか。
「まあ、インフラは使えるし冬じゃないし住むとこもあるし大丈夫だよ。」
宇水の妖怪師匠がさらっと言った。
「僕はしばらくこの世界にいるからね、律、連絡は端末にね。」
そういって宇水の妖怪師匠は出ていった。
宿泊はどうするのだろうか?
そう言えば律も出ていこうとしていた。
明正和次元人は面白いな、
「ウェティウス様、ごめんなさい。」
律が言ったのでより深く抱き込んで口づけをした。
「そなたのせいではない、気にするな。」
私は言った。
もしかしたら、
宇水の妖怪師匠はお一人で
世界征服出来る実力の持ち主かもしれない。
御本人がそう言うタイプで無いことが
救いだな。




