その15 律、グーレラーシャの王宮に帰る。
グーレラーシャ傭兵国の
王宮に帰って来ました。
「ただいま。」
ウェティウス様の執務室のみんなにロールケーキのお土産を差し入れました。
五十嵐の長老が作った超絶品のなんだよね。
グーレラーシャ仕様に甘くしてくれたらしい。
「ここがウェティウスの執務室か。」
宇水の妖怪師匠が言った。
ウェティウス様の執務室には
結婚式の写真とか
グーレラーシャの赤に金の太陽と月のマークの国旗と飾ってある。
あ、撮った写真も飾らなきゃ。
「お客様、お茶をどうぞ。」
サリュウスのお姉さんが師匠にお茶を出した。
「ありがとう♪砂糖抜きだよね♪」
師匠はそういって美味しそうにハチミツタルトを食べながら飲んでいる。
「律様、この巻き巻きケーキ美味しいですぞ。」
ガナリス内務担当官長が言った。
巻き巻きケーキね、いいえて妙だね。
「本当だ、美味しい。」
ニノミ内務担当官も言った。
「サリュウスのお姉さんもどうぞ。」
私はウェティウス様の膝の上から言った。
今日も反地面生活続行中です。
「ありがとう♪ドーちゃ...律様。」
ああ、惜しい、もう一歩。
「もう諦めて、グーちゃんとよんだらどうだ?」
ウェティウス様が言った。
そうだよね。
「グ、グーちゃん、美味しいわ。」
サリュウスのお姉さんが言った。
わーい、草の根運動大成功!
「よかった、五十嵐の長老のロールケーキ美味しいよね。」
私は、グーレラーシャ仕様のはいらないけど。
「うまいな。」
ウェティウス様も言った。
まあ、最近なんかウェティウス様は甘くなくても大丈夫な時も有るみたいだし。
「雄ちゃんのロールケーキはおじじ様の直伝だからね♪」
宇水の妖怪師匠が言った。
「宇水の妖怪師匠、これからどうするの?」
私は聞いた。
「もちろん、カータシキ魔法塔国に行くよ。」
宇水の妖怪師匠が笑った。
恐ろしいよ。
「何をしにいかれるのですか?」
ウェティウス様が聞いた。
「もちろん、焼き入れにだよ。」
宇水の妖怪師匠が言った。
ひえー、カータシキ魔法塔国の人ー!
お願い!逃げてー。
「お一人で大丈夫なのですか?」
ウェティウス様が言った。
「うん、むしろ近くにいる、グーレラーシャ人に逃げるように言ってよ。」
最後のなんたらと言う感じで宇水の妖怪師匠が言った。
「ウェティウス様、そうした方がいいと思う。」
私は言った。
「他国の人間に警告してもいいですか?」
ウェティウス様が言った。
「カータシキ魔法塔国人に言ってもかまわないけど、人間にダメージは与えない予定だから。」
宇水の妖怪師匠が言った。
そうなんだ、よかったよ。
「これは、明正和次元人に手を出した報復だからね。」
そういってお茶を宇水の妖怪師匠は飲んだ。
そうか、私のせいか。
「私がふがないばかりに申し訳ございません。」
ウェティウス様が言った。
「ウェティウスは世界の選んだ王だからこの世界のためになるようにしか出来ないよ。」
宇水の妖怪師匠が言った。
ウェティウス様ってそうなんだ。
「宇水の妖怪師匠、お手柔らかにお願いします。」
私のせいで国滅ぼしたくないよ。
「まあ、頑張るよ。」
宇水の妖怪師匠は言った。
私はなんか恐くてウェティウス様にしがみついた。
宇水の妖怪師匠。
お願いだから。
本当にカータシキ魔法塔国滅ぼさないでね。




