その13 律、ソートンに行く...久しぶりだよ♪
ソートン久しぶりだよ。
大型ショッピングセンターなんて
グーレラーシャになかったもん。
「快黎ちゃん、洋服みたいな。」
私は言った。
グーレラーシャは
基本チュニックにズボンで大丈夫
なのであっちでも着られるんだ。
「うん、いいよ...ウェティウスさんは退屈かね?」
快黎ちゃんが言った。
珍しく、手をつないで歩いてます。
散々言ったら分かってくれたんだよね。
「いや、面白い。」
ウェティウス様が言った。
ウェティウス様の服装は
お祖父ちゃんに借りた。
長Tにジーパンです。
お祖父ちゃん、
足長いから大体いいかな?
まあ、いつもの格好でも
違和感ない世界なんだけどね。
私の夫はなに着ても綺麗だな。
「律、広いな。」
ウェティウス様は興味深そうに周りを見渡した。
「うん、この辺で一番大きいショッピングセンターなんだ♪」
ああ、二年ぶり~。
お店の入れ替わりもあるなぁ。
「この服似合いそうだよ。」
快黎ちゃんが言った。
うん、私もそのシフォンのパネル柄水色のチュニック好き。
「試着しようかな♪」
私は言った。
「...律、なんで離れようとする?」
ウェティウス様が寂しそうに言った。
「大袈裟だよ、ウェティウスさん。」
五十嵐家最弱の女がウェティウス様から
私の手をはがした。
相変わらずスゴいな。
あの筋力だけは。
「そなた、その筋力はなんだ?」
ウェティウス様がビックリした顔をした。
「筋力はあるんだよね。」
快黎ちゃんはため息をついた。
筋力はあるけど戦闘能力とか、
戦闘センスがないんだよね。
「試着行ってくるね。」
私はウェティウス様を見捨てた。
だって一緒に試着室入りたくないもん。
「快黎ちゃん~、どうかな?」
私は快黎ちゃんを呼んだ。
見てもらうのも楽しいんだよね。
「わー、可愛いよ~、律ちゃん似合う~。」
快黎ちゃんが言った。
「律。」
何か限界っぽいウェティウス様がついてきた。
「私、着替えるからね。」
でも、試着室にいれたくないから見捨てた。
「律~。」
ウェティウス様の声がする。
なに?その捨てられたワンコみたいな声?
グーレラーシャの獅子でしょう?
「まあまあ、ウェティウスさん、すぐに出てくるからね。」
快黎ちゃんがなだめてる声が聞こえた。
「私は律が居ないとダメだ。」
ウェティウス様は限界に達したらしく
試着室から出てきた私を抱き締めた。
「悪かったよ。」
私はウェティウス様の背中を撫でた。
ふと、周りを見ると何か生暖かい目で見られてた。
「ウェティウスさん、大丈夫だからね。」
快黎ちゃんが言った。
「甘くないな。」
ウェティウス様は言った。
今、和風茶店『天歌屋』に来てます。
前は入って無かったよね。
「抹茶ラテにしたのに。」
快黎ちゃんがビックリしてた。
「すみません、砂糖ください。」
私は言った。
悪かったよ、紅茶専門店『はっぱ、葉』
にすればよかったよ。
「はい。」
砂糖追加する人なんていないよね。
ウェティウス様は抹茶ラテに砂糖を山ほど追加した。
「甘そうだね。」
快黎ちゃんが自分のほうじ茶プリンパフェを食べながら言った。
「ゴメンね。」
私は抹茶シロップをバニラアイスにかけながら言った。
何だかんだ言ってウェティウス様には観光誘致の参考になったようだ。
「だが、律を抱き抱えられないのが辛いな。」
家が近くなったのでウェティウス様に抱き上げられキスされた。
「少しぐらいがまんしなよ。」
快黎ちゃんがあきれたように言った。
「無理だよね。」
私はため息をついた。
「そうだな。」
ウェティウス様に肯定された。
ねえ、ウェティウス様。
もし、手をつなぐが出来るようになると
色々なところでデートできるんだけどなぁ。
映画館とか観劇とか高級レストランとかさ。
出来るようになっていこうよー。
今日だってウェティウス様、綺麗で格好よくて女性の視線釘付けだったんだよ。
ウェティウス様は気が付いて無いけどさ。




