その5 律、サルティーアス兄ちゃんの心配する。
サルティーアス兄ちゃん
無事だといいけどさ。
どうしてサルティーアス兄ちゃんなんだろう。
「律。」
ウェティウス様は不安そうだ。
頭を撫でた。
キスされた。
「大丈夫ですよ。」
だって猛剣だもんね。
オーヨってどういう国なんだろう?
「オーヨですか?」
近くにいたヌーツ帝国の侍女さんに聞いた。
「古い王国ですよ、変な伝統が有って身内同士で王族は結婚するそうです。」
なんか古代エジプトみたいだな。
快黎ちゃんが好きそう。
「陛下、オーヨ人達が集まる、診療所が判明したそうです。」
神無月さんが報告した。
「場所はどこだ。」
グーレラーシャならすぐにわかるのに。
「ニーフェルシド商売神殿のそばらしいのですが。」
よく、わからないんだ。
下町らしいね。
「護衛官に聞いてみろ。」
ウェティウス様が言った。
「詳しいところは協力者が知ってるそうです。」
つまりわからないんだ。
「ウェティウス様、下町行って見ますか?」
私は言った。
「グーレラーシャならすぐに動けるが。」
ウェティウス様が顔をしかめた。
やっぱり、外国は動きにくいか...。
サルティーアス兄ちゃん。
ドーリュム家の養女に成り立ての時
変な人って思ったよ。
だって、ウェティウス様命だし。
だからと言って、ウェティウス様の愛人とかなりたいわけじゃ無いらしいし。
はては、ウェティウス様の汗まで私に拭かせたもん。
ウェティウス様に口移しされててもスルーだし。
義理でも妹なんだから助けてよ。
クーシャルーカ兄ちゃんは目を反らして助けてくれないし。
「小料理屋でも行きますか?ティー兄ちゃんが最後に行った。」
護衛官さんが見落とした事があるかもだし。
「そうするか。」
ウェティウス様が言った。
神無月さんをお供に小料理屋ハナミズキに行った。
こじんまりした、感じのいいお店だった。
「こんにちは。」
お年の店主夫妻がびっくりしてた。
「すまんが、話を聞かせてくれないか?」
ウェティウス様が私を抱き抱えたまま言った。
「ジェイアちゃんがいないので詳しくはお話できませんが。」
穏やかそうな店主のおじいさんが大体聞いてた事を話してくれた。
ジェイアちゃんという人はアルバイトで今実家に帰ってるそうだ。
「是非、その人に会いたかったが。」
ウェティウス様が言った。
女将さんも実家場所は知らないそうだ。
ヌーツ帝国の下町はグーレラーシャの王都みたいに発展している。
「律。」
限界のウェティウス様が店主夫妻の前でキスした。
「若いっていいねぇ」
女将さんが言った。
「グーレラーシャの国王陛下が王妃様を溺愛してるっていうのはこう言う事なんだね。」
ニコニコして店主は言った。
ああ、ヌーツ帝国も進んでてしかも発言制限なしなんだ。
「陛下、サルティーアス小隊長の件で連絡が入っています。」
神無月さんが言った。
見つかったのかな?
サルティーアス兄ちゃん!
無事で居て!
快黎ちゃんは五十嵐家最弱の女です。
飛人参の作品に出てます。
遺跡マニアの変態です。




