グーレラーシャの獅子新伝2
サルティーアス・ドーリュムが行方不明になった。
サルティーアスは兄のような存在だ。
生まれた時からいる。
サルティーアスは25才の時
私が生まれたから、今83才だな。
スザナは私の乳母だからな。
「ウェティウス様、大丈夫ですよ。」
私の可愛い妻が頭を撫でたので
その手を捕まえて甘噛みした。
律の手は甘い。
「陛下、あの~、小隊長の事でご報告が。」
神無月警護官が報告にきた。
何故引いている?
妻と普通のふれあいだが。
「なにかわかったか?」
私は聞いた。
「皇都の下町にある小料理屋ハナミズキに、女性と待ち合わせして寄ったそうです。」
神無月警護官が言った。
サルティーアスが女性と待ち合わせだと?
信じられないな、あの堅物が。
「そのあとはどうなってる?」
私は聞いた。
「.....わかりません、小料理屋の娘さんが女性と話し合いが決裂して料金をはらって帰ったのを見たそうですが。」
帰ったのにいない?
「そうか、引き続き、護衛官との連携で調査せよ。」
ここがグーレラーシャならば傭兵ギルドも使えるのだが...。
「はい。」
神無月警護官が言った。
やはり、使える男だな。
サルティーアスがいないのによくまとめている。
「ティー兄ちゃんどこにいったんだろう。」
律が呟いた。
「律。」
律に口づけた。
そのまま押し倒したいところだがいつどのような
情報がはいってくるかわからないからな。
律の胸元にキスマークをつけて我慢した。
「オーヨとかあかつきの瞳と言う発言があったそうです。」
神無月警護官が追加の情報をもってきた。
オーヨか…かつてヌツオヨ大陸にあった王国だな。
律がきた約2年前ヌーツ帝国に統合された。
…そういえば、律が私の腕の中に来た日。
一週間前に…ヌツオヨ大陸統一の知らせが届いて
その日の昼間に対応の決断を下したんだったな。
すなわち、ヌーツ帝国がこちらに手を出さないかぎり、
グーレラーシャ傭兵国は友好な態度をくずさない。
ヌーツ帝国から親書も届いていたし。
その後の統一皇帝の態度を見ると良い決断だったな。
昏睡状態のようにその日は身動き一つせず眠った。
あの決断をする為にいつもつかわない脳神経をつかったからな。
朝まで律がいることに気がつかないほどに…。
「オーヨってライエスおとう様の故郷って聞いた事があります。」
律が言った。
そういえばライエス警備官長は祖父上様がヌツオヨ大陸の戦場で拾ってきたと聞いた事がある。
ライエスは青黒い髪をして髪も三つ編みできる最低限の長さしかのばさない。
目は明るい茶色だ。
あかつきの瞳?
…サルティーアスはオレンジ色の目だが…。
「ウェティウス様、あの建物が後宮ですかね?」
落ち着かず、律を抱えて皇宮を散策出た。
通信機は持ってるし動きがあれば連絡がくるはずだ。
皇宮の渡り廊下の先には繊細だがあきらかに柵で囲まれた。
大きな建物がたっている。
「そのようだな、門番もいるようだし。」
グーレラーシャには後宮はない。
求愛中の男は愛しい女を抱え込むし。
王族も庶民も関係ない。
なんで沢山妻が必要なのかわからない。
「レイちゃん、ジェスレイア妃様のお使いから帰ったのかい?」
黒髪の美少女が軽やかな身のこなしでやってきた。
「うん、そうオジさんいれて。」
なんかあわててるみたいだな。
主人は気が短い人なのだろうか?
「おお、はいんな、お疲れ様。」
少女は門の奥へ飛び込んだ。
すばやいなもう姿がみえないぞ。
「あの女の子、すごく強いよね。」
一緒に見ていた律が言った。
「そう思うか?」
律がそういうのならそうなのだろう。
「うん、そんなことどうでもいいけど早くティー兄ちゃん帰ってきてよ。」
律は言った。
「そうだな。」
私は律に口づけをした。
ここまでサルティーアスが帰らぬと言う事はおそらく
事件に巻き込まれている。
猛剣のサルティーアスが帰れぬとは、どのようなやからだろう。
必ず、探しだす、それまで無事でいよ。




