その4 律、新婚旅行?に行く。
ウェティウス様と新婚旅行?に行くことになりました。
行き先はヌツオヨ大陸のヌーツ帝国です。
メインは外交なんだよね。
「警護官はサルティーアスがまとめよ。」
やっぱり、ティー兄ちゃんか...。
たまにはクーシャルーカ兄ちゃんでもいいんじゃないかな?
「暑いですね。」
ヌーツ帝国は赤道直下なので暑いです。
ウェティウス様の腕の中はさらに暑いです。
「そうだな。」
下ろしてほしいけど下ろしてくれないよね。
ヌーツ帝国の皇宮は風通しが良いように作られてました。
黒い短い髪に碧の目の精悍な皇帝陛下が歓迎してくれました。
ヌーツ帝国の皇帝は側室しかまだもってないので皇妃様はいませんでした。
「お招きいただき光栄だ、ギルデアス皇帝」
ウェティウス様が私を抱き抱えたまま言った。
下ろしてもらわなきゃ。
「ウェティウス様、ご挨拶するので下ろしてください。」
ウェティウス様は渋渋下ろしてくれた。
「律です、お会いできて光栄です。」
丁寧にグーレラーシャの礼をした。
「ようこそ、ウェティウス陛下、律王妃、ゆっくり滞在されよ。」
皇帝陛下が言ってる間にウェティウス様がまた抱き上げた。
良いのかな?でも、多分ウェティウス様限界だしな。
お茶は、グーレラーシャと違って駄々アマじゃなかった。
膝抱っこはいつも通りだよ。
「ウェティウス様、お外で口移しはやめてください。」
外交中なのに。
「なにを今さら。」
ウェティウス様が妖しく笑った。
あー、ギルデアス皇帝陛下引いてるよ。
「お二人はなかがよろしいようだ。」
すみません、すみません、すいません。
「すいません、ウェティウス様、自制してくれないと出ていきますよ。」
これで牽制っと。
「そなたの居場所はこの腕の中だけだ。」
そういってウェティウス様はキスした。
あー、獣過ぎるよ。
「陛下、外交してくださいませ。」
ジャスミナ様が言った。
今回、外務担当官としてついて来たんだよね。
「すまん、ヒフィゼ外務担当官。」
ウェティウス様が言った。
「ごめんなさいジャスミナ様。」
私も言った。
本当に悪かったよ。
「....律様もなるべく回避してくださいませ。」
ジャスミナ様がため息をついて言った。
「茶が甘くないな。」
ウェティウス様が言った。
「砂糖を入れさせましょう。」
ギルデアス皇帝陛下が言った。
「ウェティウス様、わがままいっちゃダメですよ。」
私はちょうどいい甘さの焼き菓子、ジャムいりを食べながら言った。
「祖国の味もあるでしょう。」
ギルデアス皇帝陛下が微笑んだ。
格好いいな。
家の夫は中身はともかく美人系だからね。
まあ、ウェティウス様の事が一番好きだけどさ。
「ウェティウス様、食べますか?」
私はいつも通り菓子を食事介助した。
「美味いな、甘みが足りないが。」
そういいながらいつも通りウェティウス様は指をそのまま甘噛した。
「...あ、甘みが足りませんか?」
ギルデアス皇帝陛下がガン見してる。
あー、不味いんだよねこの態度。
「陛下、律様、自制と言うお言葉をご存じですか?」
ジャスミナ様が血圧上がりそうな顔してたよ。
「律、疲れたな、休ましてもらうか?」
ウェティウス様が言った。
「そうですね。」
早々退散した方がいいみたいだ。
自分の常識も信用できないし。
「申し訳ない。」
ウェティウス様が言った。
「すぐに部屋にご案内しましょう。」
ギルデアス皇帝陛下が言った。
迎賓館の部屋は豪華でグーレラーシャより繊細だった。
ウェティウス様、お外の国なんだから自制してよ。
新婚旅行だけど昼間からなんて...。
「律王妃、大丈夫ですか?」
ギルデアス皇帝陛下に聞かれた。
晩餐の席でだるくていつも通りウェティウス様の膝抱っこされてた。
「なんとか...。」
でも、ダルいよ。
「ギルデアス皇帝陛下、律は疲れているようだ。」
ウェティウス様のせいじゃない!
「そうですね。」
ギルデアス皇帝陛下が意味深に微笑んだ。
バレバレだよ。
早々に部屋に引き上げた。
また、やられたのでつかれはとれなかったよ。
愛してるけど、体力がな。
昼間ウェティウス様の腕の中をでうとうとしていた。
「サルティーアス警護小隊長がお戻りになりません。」
兄ちゃん出掛けてたんだ。
「いつからいない?」
ウェティウス様が聞くと昨日の昼間であの外交のあと出掛けて戻ってこないそうだ。
そう言えば晩餐の時もいなかったよ。
「サルティーアスが不用意に動くとは思えないが...。」
ウェティウス様が呟いた。
「ともかく、我々はここの地理に不慣れだからな、ギルデアス皇帝陛下に協力を仰ごう。」
そういってウェティウス様はギルデアス皇帝陛下に会いに行った。
ギルデアス皇帝陛下は全面的に協力してくれる事になった。
護衛官が対応に当たってくれるそうだ。
ウェティウス様は警護官達にヌーツ帝国の護衛官と連携して探すように命じた。
サルティーアス兄ちゃん、変な事にまきこまれてないよね。
口うるさいけど大事なこっち来てからの兄ちゃんなんだよ。
無事に帰って来てよ。
幽霊側室は今日も不在と少し連動しています。
アマアマな裏事情?みたいな感じ?かな?
作者を生暖かい目で見てやってください。




