幕間 栗落花家最強のおばあちゃん2
律が見つかったってきいたよ。
なんで直ぐに迎えに行かないんだい!
「う~ん、色々とあるんだよ。」
空飛ぶ人参ソウトントンがオレンジ色の体を揺らして言った。
「なんでだい!律がかわいそうじゃないかい!」
私はソウトントンに詰め寄ったよ。
「静さん、落ち着いて、ここにおいで。」
夫のミェルデが自分の膝を叩いた。
いこうかね。
「悪いねー、ミェルデさん。」
ソウトントンが言った。
私はミェルデの膝の上から睨み付けた。
「どんな事情があるんだい?」
少し落ち着いたふりをして言った。
「....静音ちゃんとミェルデさんの時みたいに異世界結婚予定みたいな?」
なんだい、その女子高生みたいなしゃべり方は!
...結婚?律がかい?
「どういうわけだい!」
私が立ち上がろうとするとミェルデが抱き抱えた。
「静、血圧上がるよ。」
ミェルデが耳元で囁いた。
全くムダイロケ男め。
「相手は誰ですか?」
婿の秀明が言ったよ。
娘夫婦もいるんだった。
そうするとミェルデに抱えられてるのも恥ずかしいね。
「向こうの世界のとある国の国王陛下だよ。」
異世界の国王陛下かい、ミェルデも元国王だったね。
私と結婚するんで退位したんだよ。
弟君に押し付けて。
「静音ちゃんとミェルデさんみたいな感じ?う~んそれ以上で超熱愛?馬鹿っプル ?ラブラブみたいな~。」
ソウトントンが言ったよ。
やっぱり、女子高生みたいだよそのしゃべり方は!
「超熱愛?ラブラブ?馬鹿っプル?何よそれ?」
娘の満が言った。
「律ちゃん、最近地面歩かせてもらってないもん。」
そこまで抱き上げられてるんかい。
「今、世界管理人が向こうの世界管理人と交渉中みたいな?」
おい、エセ女子高生!はっきりいいな!
「国王陛下はお父さんみたいに婿入りしてくれないよね。」
娘はため息をついた。
律はこの末娘ん家の一人娘だからね。
今んところ。
「うん、国王陛下、その世界が選んだ王だからね、無理みたいな?」
ソウトントンが言った。
そのしゃべり方イライラするよ。
「結婚式に出られるといいんですが。」
婿が言った。
「ごめん、それには間に合わない!その代わり次元門作るから満ちゃんよろしくね。」
ソウトントンが言った。
次元門製作なら空間管理師の娘はおてのもんだからね。
「律の婿には挨拶にきてもらいたいね。」
どんな奴かみきわめて、
気に入らなければ容赦しないよ!
「うん、わかった。」
ソウトントンが安請け合いした。
「どんな人ですか?人柄は?」
婿が言った。
「....う~ん、ミェルデさんみたいに色気あって、なおかつ獣系?のべつまくなしに律ちゃんにキスしまくり、さわりまくり、抱き上げまくりみたいな?美人だよ。」
なんだいその危ない男は!
「私しゃ反対だよ!」
私は叫んだ。
「静、血圧上がるよ、これ以上興奮するのなら、この場から連れ去ってお仕置きするから。」
ミェルデが言った。
私の耳に息を吹き掛けながら。
「わかったよ、ミェルデにお仕置きなんてされたら余計に血圧上がるよ。」
大体なんで私がお仕置きされなきゃいけないんだい。
「デイサービス福川にいく日じゃなかったの?」
ソウトントンが言った。
その日を狙ったね。
「静がどうしても休むって駄々をこねてね。」
ミェルデが言った。
駄々なんてこねてないよ。
祖母として当たり前じゃないかい!
「ともかく、律ちゃんを迎えにいける日も近いから、気持ちを落ち着けて生活してね、ひ孫が見られないよ。」
ソウトントンが言った。
ひ孫ね、それは見たいね。
王の嫁ってことは。
ひ孫は王子様か王女様ってことだね。
面倒だよ。
「もう、ひ孫が出来るような事してるのかい!」
結婚前に?
「まだ、してないよ...時間の問題だけど。」
ソウトントンが言った。
「静、いこうか、血圧心配だし、お仕置きだよ。」
ミェルデが微笑んだ。
「血圧は薬飲んでるから大丈夫だよ。」
私が言ったけどミェルデは私を抱き上げた。
「ソウトントン、あとはよろしくお願いします。」
ミェルデは言った。
どこにつれてくんだい。
律、もう少しのしんぼうだよ。
ソウトントンが見つけたし。
変態男なんぞ蹴飛ばしておやり!
嫌な結婚なんてするんじゃないよ。
愛してるんなら仕方ないけどさ!
第一章は終わりですが物語は続きます。
結婚式してないし。
栗落花最強のおばあちゃん?
は力が強いのでデイサービスいってますが
成熟度的には中年くらいです。
栗落花実は最強のおじいちゃんも
力が強いので成熟度中年くらいです。
でも、年齢的には超高齢者です。
元気ですが。
次話から第二章入ります。
どうぞよろしくお願いいたします。
阿野根の作者




