その24 律、結婚式準備中...やっぱりそうなんだ?
ねえ、その花嫁衣装さ、裾ながくない?
歩いたら転んじゃうよー。
「律、似合うぞ。」
花嫁衣装の試着してます。
「裾がだいぶ長いのですが....。」
トレーン引きのドレスって後ろの裾が長いだけだよね。
この長衣、前も後ろも長いよ。
「ええ、律様は陛下の腕の中ですのでエレガントにお裾が流れ落ちるようにデザインいたしました。」
....やっぱりそうなんかい。
「そうだな、確かに短いと中が見えるしな。」
....ズボンは?
「いつもみたいなフワフワのズボンはくんですよね。」
そうすれば、足首丈でも見えない。
「レースのペチコートですよ、沢山レースを重ねた、花嫁衣装にズボンははきません。」
ええ?なんでさ?
「なんでズボン駄目なんですか?」
今、珍しく、立ってます、ウェティウス様を見上げて聞きました。
ハア、普通いつも立ってるよね。
「初夜でズボンだと脱がせにくいからだ。」
....おーい、そんなエロエロしい理由かい。
「まあ、陛下、女性にそんなあからさまな。」
デザイナーさんが言った。
いいんですよ、ウェティウス様がエロエロしいのは今に始まった事じゃないし。
「仕方あるまい、そうなのだから。」
限界のウェティウス様に抱き上げられました。
「....長さはいいです、レースをもう少しつけた方が、律様に似合いそうですね。」
実地で見られたよ、バランス。
花嫁衣装(仕上げ途中)は赤地に銀糸刺繍と銀のレースの豪華な衣装だった。
赤がグーレラーシャ傭兵国の色なんだそうです。
正式国名は、グーレラーシャ王国、通り名?がグーレラーシャ傭兵国なんだってさ。
はじめて聞いたよ。
「胸元はあまり空いてない方がいいですかね。」
ああ、キスマークみられたよ。
エロエロ陛下のばか!
「そうだな、他の男に見せたくない。」
....私の意志はどうなる。
ドレスって言えばこう、胸元が少し大胆に空いてて、きれいなアクセサリーが煌めいて...
あー、私より婚約者の方が美人だったよ。
「好きにすればいいんだよ。」
少しすねた。
「律、どうした?」
ウェティウス様が下向いてすねてる私を覗きこんだ。
「どうせ、私はウェティウス様みたいに美人じゃ無いですよ。」
きっと花嫁衣装も着られてる感満載だよ。
「律、駄々をこねるな...私にとって母上様と似たこの顔は律が嫌なら無駄なものだ。」
...相変わらず大袈裟だな。
「ウェティウス様の顔は嫌じゃ無いですよ、私がつりあわないだけです。」
もっと、もう少しだけ美人ならな。
「律、そなたは鏡を見ないようだな。」
毎朝見てるよ。
「こんなに可愛いのにな。」
そういってウェティウス様は私の顔を上に向かせた。
「私の目には可愛い律しか見えないが。」
そうかな?可愛いって言ってくれてありがとう。
「ありがとう、ウェティウス様。」
そういって微笑むとやっぱりキスされた。
「甘い、甘すぎ....限界よ。」
何かデザイナーさんが呟いてる。
「陛下の衣装はこちらです、王冠と合わされるとの事でしたので精悍なイメージでデザインいたしました。」
ああ、王冠、あの兜みたいに頭全体覆う重そうな、
でも、宝石とか付いた金の豪華な被り物か...
ウェティウス様に似合わないと思う。
「ああ、これか。」
赤地に金糸で獅子のモチーフが刺繍されたいるたて襟の足首丈の長衣はいつも通り真ん中スリットだ。
ズボンは細身で織りの入った赤地に金糸の刺繍がはいっている。
「動きやすそうだ。」
ウェティウス様は言った。
「陛下も試着してください。」
やっぱり、私の婚約者は美人だ。
いつもの地味な暗色系ですらそうなのに
花婿衣装なんぞ試着した日に、
絶対にかないそうにないよ。
「律、なにを眺めてる。」
ウェティウス様は私を抱き上げた。
「綺麗だなと思って。」
私と釣り合いとれないよ。
「お似合いですよ、バランスバッチリ。」
デザイナーさんが助手さんにいって全身がうつる鏡を出した。
「律、綺麗だ。」
....わかった、妥協するよ。
確かにウェティウス様の腕の中に
抱かれた花嫁衣装きた私は幸せそうだし。
ウェティウス様が国王陛下である以上華やかな儀式は必要なんだよね。
でも、ウェティウス様、外部の人の前で首、甘噛みしないでください。
デザイナーさん達がびっくりしてます。
やっぱり、恥ずかしいよー。




