番外編 赤熊親父の里帰り。2
おやっさん、あんた何者?
今日、おやっさんは
かっちりしている。
茶色の真ん中スリットの足首丈の長衣、
マントにズボン髪は一本みつあみにサークレットだ。
どこの貴族だよ、ここのか?
グーレラーシャ傭兵国王宮に連れてこられた。
気にせずズカズカ入るし誰も止めない。
警護はどうした?
「息子はいるか?」
おやっさんが聞いているのはどうみても高官だ。
「いらっしゃいます。」
高官は答えた。
「ウェティウス、入るぞ。」
おやっさんが言って入ったところはどうみても。
「お前らも入れ。」
おやっさんが言ったから入ったけど。
いいのか?
「父が世話になった。」
アンネさんそっくりの美貌の男は
どうみてもこの国の国王だった。
そしてここは執務室。
おやっさんはもしかして
先王陛下か?
「ウェティウス、彼らは見所がある。」
微笑みながらおやっさんが言った。
「ウェティウス様、お茶準備できました。」
短い髪の小柄な女の子が顔を出した。
「...律嬢か?」
おやっさんが反応した。
「律。」
国王は女の子を抱え込んだ。
そのままキスかよ。
「ウェティウス様、お客様の前で恥ずかしいです。」
この子がかの有名な異世界の賢い黒ウサギか?
「おやっさんと同じかよ。」
アンネさんよりかよわいから抱き込みなのか?
「律、父上様だ。」
国王が甘やかに言った。
「律・ドーリュムです。」
女の子が言った。
ネイレアが可愛いと呟いている。
「ラシティウスだ息子を頼む。」
おやっさんはニコニコ言った。
「はい。」
女の子が言ったとたん国王がキスをした。
我慢はできないのか?あんた?
「今回のスカウトはこの3人だ。」
...おやっさんなに言ってるんだ。
「斧使いのベギターテ・タラビズ、弓使いのネイレア・キュオス、刀使いの神無月・三田だ。」
そういって何か書類を国王に渡した。
「素晴らしい人材です、ぜひグーレラーシャの傭兵登録した上で王宮に勤めていただきたい。」
美しい笑顔で国王が言った。
結局、オレらはグーレラーシャに傭兵登録をして、王宮に勤める事なった。
できるんかい。
赤熊親父の本当の2つ名は
グーレラーシャの赤狼で先代国王だった。
いつもは武者修行と人材のスカウトをしてるんだそうだ。
ああ、だまされたよ。
ま、王宮勤めなんてそうそうできるもんじゃないし頑張るか。




