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女王陛下(多分)と異世界人(確定)  作者: 阿野根の作者
律、異世界に召喚される。
33/103

その20 律、誘拐される。

わー、ついにやられたよー。

誘拐された!多分、だって、

寝てるの高級ベッドじゃないもん。

拘束されてるし。


「異世界の賢い黒ウサギ、カータシキ魔法塔国へようこそ。」

ニコニコと不気味な笑いを浮かべて、

いかにも魔法使いと言うローブを着た人が言った。

「来たくなかったです。」

なんで、弱い私に手枷足枷つけるのさ、

...魔封じもついてるな。

「そうですか?世の中、ままならないのが常ですよ。」

魔法使いとおぼしき男だな、が言った。

床に魔方陣か...なんてデフォルトなんだ。


「動けませんか?異世界の賢い黒ウサギはグーレラーシャの王に抱き抱えられて移動でしたね。」

ニコニコしながら男は言った。

「動けます、ところであなた誰ですか?」

とりあえず名のってよ。

「私は異世界人の研究者ですよ、国公認のそうですね、マルクとでも呼んでもらいましょうか?栗落花律さん。」

やっぱり、真名は名乗らないか。

逆にこっちの情報は駄々漏れ?

「バリジナグ外交官を呼んでください。」

あの人の方がまともだ。

「あの、やくたたずをですか?」

やくたたずっていわれてるんだ。

「部屋に行かせますよ、いきましょうか。」

そう言うと男は、後ろの他の人に言った。

「運んで差し上げなさい。」


ローブ着た筋肉男に

赤ちゃん抱っこされたぁ~。

ダメージだよ。

ウェティウス様なら大丈夫なのになんでかな。


「歩けます!」

強く言った。

「いえいえ、滞在中はきちんと運ばせますよ。」

マルクは言った。

滞在中?それっていつまでだよ。

イヤなんだよ。

ウェティウス様じゃないもん。

あー、私慣らされてるな。

「下ろしてください。」

抱えてる男に言った。

無視ですか?


昨夜は、ドーリュム部屋郡の自分の部屋のフカフカの高級ベッドに寝たのに~。

起きたら、石の床魔方陣ツキ。

今は筋肉男の腕の中。

何か嫌だ。


「こちらでおくつろぎください。」

高い位置の部屋らしい。

窓に金属の格子がはまっている。

情報やっぱり駄々漏れらしい。

「グーレラーシャに帰してください。」

あそこにいたい。

あの王宮。

ウェティウス様の腕の中に。

って私ヤバすぎ。

「あなたの故郷はメイセイワジゲンのはずだ、ここにいる方が帰れる格率が高いですよ。」

男は言った。

帰れなくてもかまわないけど。

異世界生活想定訓練とだいぶ生活ちがうけど。

ウェティウス様のそばが良いよ。

「グーレラーシャに帰してください。」

もう一度言っておこう。

「カータシキ魔法塔国はいい国ですよ。」

帰してくれる気無いんだね。


筋肉男がベッドの上に私を置いた。


「ゆっくりおくつろぎください。」

男はそういって筋肉男と部屋をでて行った。


「異世界の賢い黒ウサギ。」

しばらくして、バリジナグ外交官がやってきた。

顔色悪いよ。

「バリジナグ外交官、国際問題になると思いませんか?」

この世界は進んでいる。

進んでいるがゆえに強引な非人道的な事はできないと踏んだのに。

「グーレラーシャの獅子は恐らく烈火のごとくお怒りでしょう。」

バリジナグ外交官が少し身震いした。

私はそれより、不安感にさいなまれてると思うけどね。

いつもの定位置に私がいないから。

「マルクさんって何者ですか?」

絶対に異世界人研究家だけじゃない何かが有った。

「....塔王陛下の弟君です。」

つまり王弟?どうりで偉そうなはずだよ。

「何とかなりませんか?」

グーレラーシャが攻めてくる前に帰りたいな。

有りそうで怖いよ。

「私は、なかなか異世界人を説得できないとしてやくたたず認定されてます。」

なんだかんだ言ってこの人も穏健派だよな。

「ウェティウス様の腕の中に不本意ながら早く帰りたいんですよ。」

もう、あそこしか安心できない。

わー、ヤバイよー。おかしすぎだよ。

「王弟殿下は、恐らく異世界人の繁殖実験をするつもりです。」

繁殖って私は人だよ。

「パーウェーナー世界人と異世界のメイセイワジゲン人のあいだにどんな個体が生まれるか、是非実験したいと聞いた事があります。」

バリジナグ外交官は眉をひそめた。

「あなたは反対なんですね。」

その表情からして。

「異世界人もこの世界の人も同じ人間ですから。」

うん、そうだよね。

「穏便にグーレラーシャに帰してください、世界戦争の元になる可能性があります。」

グーレラーシャが大規模で動けば、

ファモウラ軍国を多分刺激する。

アキュア聖国もそうすると動くよね。


「.....今、権限がないも同然ですが、何とか考えて見ましょう。」

ですから、異世界の賢い黒ウサギもお気をつけてってこの状態でどうしろと。

「繁殖って、人工的に行うんじゃないですよね。」

さらってきたくらいだし。

「そう、思います、王弟殿下の思惑はわかりませんが。」

バリジナグ外交官以上に不気味な人はじめて見たよ。


この明正和次元に残ってるはずのタタミベッドなみにかたいベッドに、相手送られてきたら撃退できる自信がないよー。

私、非力だしー。


「あなたは本当に賢い。」

バリジナグ外交官はそういって部屋を出ていった。


ウェティウス様。

早くたすけに来て欲しい。

でも、戦争起こさないでないでね。

私、頑張るよ。

賢くないけどね。

異世界の賢い黒ウサギの名にかけて。

不安だよー。

早く、ウェティウス様の腕の中に戻りたいよ。

今度、会えたら素直に自分の気持ちを言うよ。

ついにカータシキ魔法塔国の魔手が律に!

明日は残された陛下の状態をご報告致します。


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