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女王陛下(多分)と異世界人(確定)  作者: 阿野根の作者
律、異世界に召喚される。
31/103

その19 律、バティスリー・イシカワに行く

知ちゃんのお店がついに開店したよー。

行きたいと思ってたら。

恒例のお茶会で王宮業務がお休みなので。

ウェティウス様がつれていってくれたよ。

スザナお母さまは折角、律と参加と思ってたのにー。とすねてました。


「知ちゃん~。」

知ちゃんのお店は表通りに面した。

カフェみたいな可愛いお店だったよ。

ウェティウス様が王室所有地に建てて安く貸してるそうです。

観光客を増やす先行投資だって。

「りっちゃん...相変わらず抱えられてるのね。」

知ちゃんがひきつった笑顔で言った。

あー、もう、あきらめたよ。

何を今さらって感じかな?

「石川嬢、シフォンケーキを頼む。」

ああ、ウェティウス様、シフォンケーキ気に入ってるもんね。

「はい、蜂蜜シロップかけますよね。」

知ちゃんが言った。

「ああ、頼む。」

ウェティウス様は微笑んだ。

そんなに甘いもの好きなんだ。

私も手作りのお菓子とか...。

無理だな、頭に真っ黒なクッキー思い出したよ。

「りっちゃんは何にする?」

知ちゃんが言った。

「ヨーグルトリンゴケーキ、シロップはいらないです。」

甘さは適度が一番だよ。

「はい。」


美味しいケーキをたんのうしています。

ウェティウス様の膝の上で。

何かもうあきらめたよ。

「律。」

ああ、ケーキね。

最近熟年夫婦並にわかるな....お茶口移しされた。

やっぱり読めないよー。


「相変わらず、甘い関係なのね。」

知ちゃんがお茶のお代わりをつぎながら言った。

「石川嬢、美味しいシフォンケーキだった。」

ウェティウス様は言った。

シフォンケーキホールでたべたんだよ。

あんなにどこに消えるのかな?

太らないし。

武人だからカロリー消費が激しいのかな?

「国王陛下にお褒めいただいて光栄ですわ。」

冗談めかして知ちゃんが言った。

「王室御用達にでもしてもらえば。」

私も軽い調子で返した。

「そうだな♪そうしよう♪」

マジですか?マジだよね。

何かウェティウス様の言動わかってきたよ。

「別に良いですよ、あの陛下の剣持った獅子のマークってこの店にあわないし。」

ああ、背景赤のあれね。

確かに合わないわ。

この可愛いお店に。

「御生誕祭の飴細工みたいに獅子が黒ウサギ抱えてる方があうと思います。」

あー、黒歴史ね。

ほとんどあのモチーフで審査しづらかったらしいよ。

「律といつでも一緒か...議会にかけてみよう。」

ええ、マジですか?

「ウェティウス様、私は単なるウェティウス様の世話係ですから。」

だから御用達にふさわしくないよ。

「律は私のもの、私は律のもの。」

それ、決定ですか?

あの、そういって真剣に綺麗な目で見つめないでほしい。

「甘甘ですね、お邪魔かしら?」

甘いのかな?エロいのかな?

あー、またキスされたよ。

「律はリンゴの味がする。」

食べてましたから。


「石川さん、チーズケーキありますか?」

お客さんがきたみたい。

私達の方が邪魔かも。

「ローシェンさん、今日はおいてないんです。」

一人でしてるから沢山できないんだよね。

「それは残念です、シフォンケーキをください。」

シフォンケーキも美味しい...。

「バリジナグ外交官?何でここに。」

確か王宮にはいなかったよね。

「律。」

ウェティウス様に余計力を込めて抱え込まれたよ。

「おや、異世界の賢い黒ウサギもこちらをごひいきなんですか?」

ニコニコしながらバリジナグ外交官は言った。

「そなたの王宮いりは聞いておらん。」

そうだよね。

行事もないしね。

「王宮には行っていませんから。」

ニッコリしてバリジナグ外交官は言った。

「お客様よ、カータシキ魔法塔国に来ませんかって時たま誘われるけど。」

知ちゃんも誘ってるんだ。

「いつも、断られてます。」

バリジナグ外交官はさらりと言った。


「そうか、異世界人達は我が国滞在中だ、危害をくわえれば容赦せぬぞ。」

ウェティウス様が言った。

「加えませんよ、異世界の賢い黒ウサギを連れて帰るまで諦めませんが。」

笑いながらバリジナグ外交官は言った。

「諦めてください、行きません。」

私がそう言ったけど無視された。

諦める気無さそう。

どうしよう。


「律、帰ろう。」

ウェティウス様が私を抱き抱えて立ち上がった。

見せつけるように激しいキスをされたよ。

ちょっと苦しいです。

少し、腕の力ゆるめてください。


「グーレラーシャの獅子は独占欲が強いですね。」

バリジナグ外交官は余裕の表情で言った。


「知ちゃん、また来るけど、カータシキ魔法塔国に行かないでね。」

私はちょっと苦しかったけど知ちゃんに言った。

「行かないわ、陛下、りっちゃん苦しそうですよ。」

知ちゃんが言った。


「すまない、律。」

ウェティウス様は少し力をゆるめた。

よかったよ、でもいつもより抱き込まれよ。


バリジナグ外交官。

頼むからウェティウス様を刺激しないでくれよ。

........またキスされたよ。

ウェティウス様、絶対にカータシキ魔法塔国なんて行かない。

だってウェティウス様は私のものなんだよね。

どこも行かないよ。

だから、胸元にキスマークつけないでよ。

お外でされるの嫌だよ。

恥ずかしいよ~。

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