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女王陛下(多分)と異世界人(確定)  作者: 阿野根の作者
律、異世界に召喚される。
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その16 律、生誕祭に出る...目立ちすぎだよ。

ウェティウス様のご生誕祭、当日です、色々催しもあるそうです、武術大会とか、飴細工コンテストとか...なんで、私、ウェティウス様に抱き上げられて、パレード出てるんですかね...目立ちたくないよ~。


「なんで、ウェティウス様と抱き上げられてオープンカーみたいなのにのってるんだろう。」

私は現実をとっても逃避したかった。

「企画者から聞いたであろう、国民が律を見たがってると、外国へのアピールにもなる。」

どこがさ、私、おめかししても、完全に女王陛下の引き立て役だよ。

この人、どんだけ綺麗なんだよ、金の長い髪の毛はいつもどうり一つ三つ編みだけど、銀色のサークレットは昨日のより凝ってて赤い宝石ついてるし、水色の瞳には、私が映ってる...国民の方向きなよ、衣装はたて襟に足首丈真ん中スリットの赤い長衣に銀の凝った刺繍だね、あとズボンとマントは白系か...。

いつものより高級そうだな、所々に赤使ってるな、テーマカラー?剣を腰に下げるのはいつもの事らしい。


「何と、言っても、異世界の賢い黒ウサギがグーレラーシャ傭兵国にいるって言うアピールになる事はカータシキ魔法塔国への牽制になるしな。」

ああ、カータシキ魔法塔国ね、忘れてたよ。

「バリジナグ外交官がまた来たんですか?」

その名前が出ると言うことは。

「きた、しつこい男だ。」

抱き込み、強くならないといいな。

「普通に、車の隣の席でいいのに。」

その方が恥ずかしくないよ。

「もう、腕の中から離さないと誓った。」

誓わなくていいです。

「大体、なんでお揃いっぽい衣装なんですか?」

そう言うとウェティウス様は笑った。

「似合ってるぞ。」

本当に似合ってるのかな?お揃いっぽいけど襟元が空いてる黒地にウェティウス様と同じ図案の銀糸刺繍の足首丈の長衣、スリットはしてません、それに白っぽいヒラヒラのズボンな格好してます。

ああ、引き立て役だよ、銀の髪飾りも着けてます。

「ウェティウス様の引き立て役が今日の仕事か...。」

そう思えば良いよね。

「律、そなたは長い耳がないウサギのようだな、聞いてみよ。」

聞く?何を...あれ?


「異世界の賢い黒ウサギ、可愛いな。」

沿道の誰かの声が聞こえてきた、は?

「陛下、幸せそうだねー、先王陛下がクレシアの月、アンネ王妃様を抱えた姿を思い出すよー。」

.....は?先王陛下も?ってなにさ?

「陛下~、異世界の賢い黒ウサギは、いつ、グーレラーシャの賢い黒ウサギになるんですか~。」

...よく、わからないな。

「いつかな?応援してほしい。」

何をおうえ.....パレード中にキスしないでよ、な、なに?キャーって声した?

「熱々ですねー。」

熱々じゃないです、陛下がエロエロなだけです。


はー、疲れた...、まだ、ウェティウス様の腕の中です、武術大会見学中です。

ノルティウス様が円刀二刀流で勝ち進んでいるようです、エリスディア様は槍で戦ってます、クー兄ちゃんの弟子なんだそうです、グーレラーシャの角馬って呼ばれてるそうです。


「ノルティウスは腕をあげたようだ、実戦に出ているものは違うな。」

ウェティウス様が呟きました、武術大会に出たいのかな?


「ノルティウスが勝ち抜いたようだな。」

陛下は嬉しそうに微笑んだ、弟だもんね、グーレラーシャの牙って言われてるんだっけ?


優勝者達(剣とか槍とか部門があるらしい。)がウェティウス様の前で礼とった...折角格好いい場面なのに私抱いてるだけで台無しだよ。


「すばらしいな。」

陛下が心から褒め称えた。


「陛下、お願いがございます。」

ノルティウス様が思い詰めたように言った。

「なんだ?」

ウェティウス様が聞いた。

「ぜひ、陛下と手合わせをしたいのです、私が勝ったあかつきには、律嬢を賜りたい。」

....おい、何をいってる?観客は騒いでるよ。

「成る程、公式の場で断れぬようにか...考えたな。」

陛下が呟いた。

「良いだろう、受けよう。」

あのさ、私、ノルティウス様の方がウェティウス様より強いと思うけど...あの人勝ったら即、貞操の危機だよね、嫌だよ、人の事賞品あつかいしないでよ。

「サルティーデス、クーシャルーカ、律を警護せよ。」

兄ちゃん達止めてよ、久々に地面におりたよ。


「私は、賞品じゃありません。」

私は言った、なるべく冷静にきこえるように。

「もし、このまま実施するならこの国から出ていきます。」

兄弟断絶の元になりたくないよ。

「律!?」

「律嬢!?」

反応そっくりだね、陛下とノルティウス様。

「わがカータシキ魔法塔国は、いつでも、異世界の賢い黒ウサギを歓迎しますよ。」

バリジナグ外交官がにっこり笑って言った。

カータシキ魔法塔国なんて行かない!

「グランパ様、クレシアに行ってもいいですか?」

本当はグーレラーシャに居たい...でも、争いの元になりたくないよ。

「もちろん、いいとも~。」

相変わらず軽いな、演技かもだけど。

「律、行くな、ノルティウスとは手合わせはしない、それでいいな。」

ウェティウス様があわてて言った。

「はい、陛下。」

ノルティウス様もあわてて言った。


「黒うさちゃん、どうするの?」

グランパ様に聞かれた。

「...二度とこう言う事がないようにお願いします、グーレラーシャに残ります。」

賭けに勝ったよ、気にしないって言われたらどうしようかと思った。


観客から何故か拍手が起こった。


でも、良かったよ、ウェティウス様、ノルティウス様、頼むよ、私ごときでけんかするなよ、するんなら、陛下くらいの美人さんの時にしてください、私はグーレラーシャで平和に暮らしていきたいんだよ、平穏無事じゃないけどさ。

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