グーレラーシャの獅子5
律がノルティウスに抱き上げられて帰ってきた、ヒフィゼ外務担当官長から事情の説明は受けたが、気に入らない。
「ウェティウス様、なんとかしてください。」
部屋に戻ってきた、律は珍しく泣きそうだった...まあ、いきなり私以外に抱き上げられればそうだろうな。
「ノルティウス、律が世話になったようだ。」
怒りをおさえ言った。
ノルティウスはそっと律をおろした、律はすばやく、私の後ろに隠れた、珍しくマントを握っている...恐ろしかったらしいな。
「祖父上様、おせわになりました。」
私が連絡時迎えに出れば、弟に対して立ち回りをえんじてしまう恐れがあるからいってもらったのだが、ノルティウス、まだ、律が気になるか?
「律。」
私は律を抱き上げ、キスを降らさせた。
「孫、そこそこにするがよい。」
祖父上様、律は私のもの、ノルティウス、もし、私達の立場が逆転していて、律がそなたの腕の中だとしたら、私は、きっとそなたより激しい行動をとる自信がある...きっと律をさらってこの世の果て、月までも行くに違いない。
「陛下、律嬢はあなたのなになのですか?」
ノルティウスがやっと口を開いた。
「私の最愛の女性だ。」
私が律の立場をはっきりさせないのが気にいらないのか?
「ウェティウス様、それ、恥ずかしいです。」
恥ずかしいのか?相変わらず奥ゆかしいな。
「ノルティウス、いい加減にせい。」
祖父上様がおっしゃった。
「陛下が、律嬢の立場をはっきりさせない以上、私にも機会はある。」
そう言うことか...律はいずれ私の伴侶となる女性だが、議会への根回しがすんでない...なんといってもスザナがな。
「私は、ウェティウス様のお世話係で、異世界人と言う立場です。」
律が静かに言った...確かにそうだか、違う。
「異世界人の律嬢、私はあなたに求愛する、受けてもらいたい。」
ノルティウスが獲物を狙う獣のような目で言った...いい度胸だ、生誕祭の武術大会で決着でもつけるか?
「お断りします、陛下も、事を大きくしないでください。」
何を気がついた、律?
「誠に得難き女性じゃの、律嬢は。」
祖父上様が言った...そうだな。
「....わかりました、陛下、失礼します。」
ノルティウスはそういって部屋を出ていった、本当に納得したか?
「律、大丈夫か?」
律の顔をのぞくとやっぱり少し緊張しているようだ。
「すみません、ご迷惑をおかけして。」
少し微笑んで律が言った、愛しさが込み上げてきてその唇を唇でふさいだ。
「孫、わしも行くから存分にするがいい。」
祖父上様が部屋を出ていった。
「....えー、困るよ。」
律が可愛らしい抗議をした。
「律、覚悟せよ。」
私は微笑んで、律の首筋をなめた、ええ、嫌だよ、とはなんだ、律。
律、私は狂おしくそなたを求めている、律がノルティウスのものになれば、いや、他のだれのものとなっても、私はきっと狂ってしまう....だからずっと私の腕の中にいてほしい、大事にするから...にげるでない...律は柔らかいな。




