その14 律、生誕祭の準備中...。
ウェティウス様のご兄弟が帰ってきたよ、エリスディア様は普通に優しいんだけど、ノルティウス様が...何か獣っぽいよ、陛下みたいだけど、陛下と違って完全に男性だよ、エキゾチックな赤茶色の髪の毛と水色の目の美青年だよ...気を付けよう。
生誕祭用の美しい飴細工の搬入確認にいった、なんで、獅子が黒ウサギ抱えるモチーフが多いのさと思った。
「律様、お一人なんて珍しいですね。」
帰り道に廊下を歩いているとヒフィゼ外務担当官長さんが...ジャスミナ様と歩いてるのに出くわした。
「珍しい程、ウェティウス様と一緒なんだ、私。」
ちょっと、落ち込んだよ。
「今日は。」
そう言えば、ジャスミナ様と最近会って無かったよ、サロンにほとんど出入りしてないし。
「...名前を呼ぶ許可をいただいたのね。」
何か、静かだけど怖い雰囲気でジャスミナ様が呟いた。
「ジャスミナ、わかりきった事をいつまでも、しつこいですよ。」
ヒフィゼ外務担当官長さんが言った。
「失礼いたしました、律様。」
ジャスミナ様は言った...微笑んでるけど仮面っぽいなぁ...この人が頑張ってくれると私、解放されると思うんだけ...いいや、もう、ウェティウス様は慣れたし。
「律嬢、こんな所にいたのだな。」
陛下よりも低めの美声がうしろからかけられた...あ、ヤバイ、ノルティウス様だ...律嬢って呼ばれたし。
私は、ささっとヒフィゼ外務担当官長さんのうしろに逃げた。
「ノルティウス様、お帰りなさいませ。」
ジャスミナ様がいいながら優美なしぐさで礼をした、ヒフィゼ外務担当官長さんもきれい礼にしてる、さすが、本物のグーレラーシャ人...私、いまいちなんだよね、優美じゃない。
「ヒフィゼ家のご婦人方、ご健勝そうで何よりだ。」
ノルティウス様が言った...何で、私を見つめてるのさ。
「律嬢、陛下の所に寄ったらさがしていた。」
...ウェティウス様、私はちゃんと、飴細工の搬入の確認に行くって言いましたよ、あなたが衣装合わせしてる間に...返事したじゃないですか...もう限界?
「飴細工の搬入確認は終わったのでもう帰りますよ。」
近道使おう、主に中庭系つかえば早くつくよね、警護官はついてるから止められないし。
「では、帰えろう。」
あの、その手なんですか?私、ウェティウス様に抱き上げられるで限界なので出きればあるいて帰りたいんですが。
「歩いて帰ります、では、ヒフィゼ外務担当官長さん、ジャスミナ様、失礼します。」
私はそういって帰る事にした。
「では、また、異世界の賢い黒ウサギ。」
ヒフィゼ外務担当官長さんが言った。
そのまま、中庭に出ようとしたらノルティウス様に捕まえられた...ノルティウス様、やめてよ、赤ちゃん抱っこするな。
「律嬢の足では遅くなる、では、失礼する。」
ノルティウス様はそういって歩き出した。
「やめて下さい、下ろして。」
陛下と違う赤茶色の髪の毛のみつあみが背中で揺れてる。
「おろして下さい。」
陛下よりがっしりした腕にしっかり抱えられて逃げられないよ。
「断る。」
断らないでほしい。
ヒフィゼ外務担当官長さんが、端末っぽい四角い機械で連絡してるのが広い背中ごしに見えた。
...どこにつれてかれるんだろう、陛下の執務室、そっちじゃないよ。
「ノルティウス、律嬢をどこにつれていく、ウェティウスの執務室はこっちじゃが。」
あ、陛下のお祖父様、助けに来てくれたんだね。
「...そうでしたね、間違えました。」
本当に?そうなんですか?
「律嬢、すまないのう。」
あの~、おろしてもらって下さい、お祖父様。
「おろしてくださーい!」
ウェティウス様以外の人に抱き上げられるの困るよ、だって陛下切れそうだもん。
「....駄々をこねるな。」
なに、その妖しい微笑み、陛下と顔にてないのにそっくりだよ。
「小さい方の孫、律嬢にそれ以上の事をするでない。」
お祖父様は言った...なにするつもりだったんですか~。
ノルティウス様、お願いだから、執務室に戻る前に下ろしてくれよ、確かに私はこの国の人に比べて小柄だけどさ、日本人じゃ標準サイズの164センチあるんだよ、むしろ、女性としては大きい方、たのむよ、確かに、異世界の賢い黒ウサギってあだ名だけどさ、黒ウサギじゃないんだよ、助けて~、ウェティウス様。




