幕間 グーレラーシャの牙
私はノルティウス・グーレラーシャ、グーレラーシャ傭兵国の第二王子で現在の陛下の弟だ。
陛下かタラビット族のような、異世界の女にタブらかされているという噂をアキュア聖国対ファモウラ軍国の前線で聞いた、ちょうど、戦いが休戦したところだったので、妹のエリスディアと陛下の御生誕祭にかこつけて帰ることにした...待ってろよ、希代の悪女よ、私が成敗してやる。
「...と思っていたのだがな。」
陛下の膝に座らされている、黒髪の小柄な女性は、悪女どころか、可愛いすぎだった、素直に言おう、私の好み、理想の女性がそこにいた...陛下、王位を継ぐために戦場から無理矢理離された陛下が気の毒におもえたが...。
「なんて、うらやましいんだ。」
私は彼女を見つめて呟いた。
「どうした?律、そなたがしがみつくなんて珍しいな。」
陛下は彼女の背中を撫でながら言った...おびえさせたか?
「...ウェティウス様、ごめんなさい。」
無意識だったのか、すぐに離れようとする、彼女をさらに強く抱き締め、陛下は彼女と口づけをした。
「ウェティウス様、お、弟さんがいる前でやめて下さい。」
陛下を見上げて彼女...律は言った。
「何を今さら、ノルティウスも私と律の事でわざわざ来たらしいからな。」
やはり、意識的にしておいでだったか。
「ノルティウス、私は、確かに律に求愛中だが、誰に聞いてもわかるが、仕事に支障はない。」
陛下は律を抱き締めながら言った、そのようだ、それどころか、余裕があるのが驚きだ。
「陛下は、律さんにメロメロなんですね♪」
何か嬉しそうに妹のエリスディアが言った。
「ああ、その通りだ♪」
陛下は肯定された。
「...恥ずかしい、発言やめて下さい。」
律は嫌そうに言った、陛下と温度差があるようだな。
「小さい方の孫、久しぶりだな♪」
なにかモンモンとして廊下を歩いていると祖父上様に行き合った。
「お久しぶりです、祖父上様。」
相変わらず隙がないな、まだ勝てそうにない。
「ウェティウスの生誕祭にかこつけて、律嬢をみにきたのじゃろう?」
お見通しか.....確かにそうだが、陛下をうらやましく感じるとは思わなかったな、会うまでは、陛下をいさめて、悪女を成敗という想像しかしてなかったのに。
「ええ、愛らしい女性ですね。」
なんといっても、あのふわふわなのに艶があるくせ毛を思うままに撫でてみたい。
「律嬢は、ウェティウスの求愛を受けておる、邪魔するで無いぞ。」
祖父上様がなにか気が付いたように言った。
「...温度差を感じました。」
陛下は夢中のようだが...まあ、わかるが、律は戸惑ってるな。
「.......そなた、間違っても、律嬢をかどわかして、逃亡とかするのでは無いぞ、ウェティウスに地のはて迄追われると思え。」
....追いつかれるまでに律を私のものにしてしまえば.....危ない考えだ。
「....わかりました。」
ああ、陛下、重ねていうが、うらやましい。
「律、日除けローブの刺繍は素晴らしいかった、なにかお礼をしよう。」
ますますモンモンとしていると陛下に抱き抱えられた、律が来た。
「おお、律嬢、久しぶりじゃの。」
祖父上様が満面の笑みを浮かべ手を上げた。
「陛下のお祖父様、今日は。」
律が可愛らしく言った。
「祖父上様、この日除けローブは律が刺繍したのですよ。」
それで室内で日除けローブを来てたのか。
「律嬢はなかなかの腕前じゃの、ニーッデゼの葉っぱの図案か。」
日除けローブの縁の刺繍までしてもらったのか。うらやましい、女性が恋人にしてあげるモノじゃないか。
「ありがとうございます、私もこの図案気に入ったので、自分のにもしちゃいました。」
しかも、お揃い?うらやましすぎる。
「律。」
陛下は押さえきれないようにまた、律に口づけた...私が陛下と変わりたい。
駄目だ、私は、『グーレラーシャの牙』と呼ばれる、誇り高き傭兵王子だ、陛下の愛しい人に横恋慕など....陛下、律、煽らないでいたたきたい。
新連載始めました、『私は殿下の所有物?』
です、よろしくお願いいたします。
阿野根の作者




