幕間 律様ファンくらぶ会報(カギュレヒム・ダファヤ)
私は、初めて会ったときから、いいえ、お母様にお話を聞いた時から、私は律様のファンですわ。
律様は黒い短髪に緑に銀を溶かしたような変わった色の瞳、愛らしい顔の方で、国王陛下に抱き上げられてる姿は、夢のように可愛くて、あんなぬいぐるみほしいって何度もおもいましたの。
「昔、持ってた、黒いウサギのぬいぐるみみたいに可愛いですわ。」
あの愛らしさ犯罪ですわ、陛下の長身に相まって律様が余計に可愛いらしく見えるのですわ。
今、サロンで律様とお茶をいただいていますの、きっと、律様ファンの仲間にうらやましがらますわ、紅茶はお砂糖はいらないっていってましたわ、美味しいのかしら?お菓子も、召し上がられていないわ、甘いものは得意ではないのかも知れませんわ。
「ぬ、ぬいぐるみ?」
律様はせめて、人形ぐらいにしてほしいって呟いていたわ、ぬいぐるみではいけないのかしら。
「カギュレヒム様の方が可愛いですよ。」
可愛いのは、律様ですわ、私はどっちかと言うと優美系だと思いますわ。
「そういえば昨夜、陛下の訪問を受けられたそうですわね。」
私がそう言うと律様は昨日どころじゃないよって呟いてましたわ、陛下のご寵愛を一身に受けられた律様ですもの当たり前ですわよね。
「ヒフィゼ家のジャスミナ様が、律様の所にいって、丁度いた、陛下とお話をしたかったのに、律様に邪魔されたとおっしゃっていましたわ。」
...私がそう言うと律様は曖昧な笑みを浮かべた。
「そう言う事になったのですか。」
ソウイウ事ってどういう事ですの?
ジャスミナ様の言葉には悪意を感じますけどね。
「どういう事があったんですの?」
律様ファン仲間に真実を教えなければ行けませんわ。
「別に良いですよ。」
律様は曖昧な笑みを浮かべておっしゃいましたわ
律様はご自身の事はあまり、話されない方でしたわ、昨夜の律様担当侍女に何か渡して聞き出さなくてはいけませんわ。
「律、ここにいたの?」
律様の2番目のお兄様確か警護官のクーシャルーカ様がおいでになりましたわ、あの文官のような雰囲気の方が槍を振り回すなんて信じられませんわ。
「来たんた、クー兄ちゃん。」
律様はおっしゃったわ。
「来たんたじゃないよ、オレ、追い返すともれなくティー兄ちゃんが派遣されるよ。」
まあ、サルティーアス様もおいでになるの?
サルティーアス様は、律様の1番目のお兄様で陛下直属の警護官でしたわね、小隊長だったかしら。
「何の用?クー兄ちゃん。」
律様が素っ気なくおっしゃいましたわ。
「律がいじめられてないか見てこいっていわれてさ。」
まあ、きっと、陛下ですわね。
「いじめられてないよ。」
いじめられているじゃありませんの、律様、ヒフィゼ家のジャスミナ様派の方々に、卑しい身分の癖に陛下に取り入ったとか、実はその筋の商売女とか、身体で陛下を落とした悪女とか、正体不明の異世界人とか、言われてるじゃありませんの、ねちっこく...。
「カギュレヒムさんは何か知っていませんか?」
クーシャルーカ様に聞かれたわ。
「知っていますわ。」
律様がおっしゃらないなら私が言いますわ。
「カギュレヒム様、大した事では、ありません。」
律様がキゼンとして言われたわ、なんて素敵なの。
「...じゃあ、細かい事はあるんだ?」
クーシャルーカ様が鋭い眼差しを律様に向けたわ。
「女性の口は動き続けるもの、そのくらいで、目くじら立ててたら疲れちゃうよ。」
律様らしいですわ。
「 言ってる、本人は、陛下も侮辱していると気づいてないのかもしれないけどね。」
律様は続けておっしゃいましたわ、そうですわよね。
「律、あまり、1人で無理しちゃいけないよ、陛下は心配されているよ。」
クーシャルーカ様がおっしゃいましたわ。
「1人じゃないよ、クー兄ちゃん、カギュレヒム様もいるよ。」
律様は私に微笑まれましたわ、
こんな、私で良ければいつでも力になりますわ。
「.....ともかく、律は、陛下の寵愛を一身に受けた、ドーリュム家の姫君なんだから何かあったら直ぐに言うんだよ、無理しないで。」
クーシャルーカ様がそうおっしゃると律様は曖昧な笑みを浮かべ、大丈夫だよ。っておっしゃってましたわ。
皆さま、私は律様こそ陛下の伴侶してふさわしい方はいらっしゃらないと、今日、確信致しましたわ、一生ついていきますわ。




