番外編 律、栗楽花家の家訓を学ぶ
本日は栗落花家の家訓編です。
この家訓は万が一、あなたが
異世界へ呼ばれた、または落ちたときに
面倒なことにならないように作られています。
私は栗楽花家の家訓の本を適当にめくった。
この間、お祖母ちゃんに読んどくように渡されたからだ。
「ハア、異世界落ちね…従姉妹の秋穂さんがやっちゃって、この間、息子つれて里帰りしてたな。」
…家訓守れなかったらしいよね、ま、私みたいな異世界落ち率低いのには関係無いか?
私は特濃とうもろこしアイスを食べながら一人言を呟いた。
夏休みも恋人一人いない私はアイスを食べて勉学にはげむしかない。
なーんてね。
私の名前は栗楽花律
環境調整師を目指す明正和学園高校二年生だ。
「異世界に飛ばされたら、冷静に回りを見ること、厄介なことにまきこなれそうなら騒がずに逃げる。」
そうか…秋穂さんは厄介なことになったのに
逃げなかったからああなったんだ?
「私は万にひとつも無いだろうけど、きちんと逃げよう。」
うん、非力な私は逃げるしかない。
私、翼人だしね、そういや、お父さんも異世界人だよね?お母さんも守れなかったのかな?
「異世界では不用意に保護されないようにしよう、特に王候貴族には保護されない、面倒な問題が起きるもと、一人で暮らすのがベスト、庶民の家で仕事を手伝いながら持ちつ持たれつは許される範囲。」
うーん、異世界の王候貴族に保護されて、子供なんか作った日には…。
秋穂さんがたしか、異世界の聖獣王様と子ども作ったんだよね。
聖獣妃様になるまでに
暗殺されそうになったり、
妊娠してるのに階段から突き落とされそうになって旦那の聖獣王様に助けられたり?
毒盛られたりしたらしい。
ああ、旦那が他の女性を側室にしようとしたから里帰りしたんだっけ?
聖獣王子つれて。
「実習いってこよっと、今日は農業地域で水脈管理か…頑張ろう。」
私は家訓の本を伏せて立ち上がった。
「異世界人に自分の物を不用意に渡さない、その世界の進化を阻害してはいけない。」
まあ、そうなんだろうね、下手に渡して本当はその世界のひとが考えるものを妨げちゃダメだよね。
「りっちゃん、こんど、聖リニア王国の真王陵行くんだけど、一緒に行こうよ。」
五十嵐家最弱の女、五十嵐快黎ちゃんが言った。
今、五十嵐道場で躍りの練習して休憩してたところなんだ。
「うーん、実習忙しいんだよね。」
私は答えた。
情報は必要以上に与えないこと、すべてをされけだすと、いざとういうとき逃げられない、真名持ちは特に明かさないこと、悪用されないようにする。
だから…快黎ちゃんには言わないんだ。
もうすぐ、異世界生活想定訓練が有ること
絶対に私もいくーとかいってさ。
たしか、異世界生活想定訓練場のパンフレットに遺跡っぽいステージもあったから
遺跡大好き~。
って騒ぐよね。
だから、内緒だよーん。
快黎ちゃんは異世界落ちの家系じゃないんだからいいよね。
「じゃ、律、舞の訓練再開だよ。」
宇水の妖怪が言った。
「自立出きる資格、技能を取得しておく、魔法が使えない、禁忌とされる世界もあるので、魔法系じゃないの技能も取得できればなお可…かぁ…環境調整師は整理技能もあるからお得だよね。」
私はスイカをかじりながら言った。
「読んでるようだね、感心、感心、静ばあがごほうびあげるよ♪」
そういって回復符おいていくあたりが静音お祖母ちゃんは異世界トリップのプロって感じがするよね。
まあ、もうすぐ、異世界生活想定訓練だし
適当に読んどこうかな?
うん、万にひとつも異世界トリップないだろうけどね。
読んでいただきありがとうございます。
明日は異世界生活想定訓練編です。
よろしくお願いいたします。