エピローグ 律、幸せになる。
ご愛読ありがとうございました。
本当に、幸せだよ。
私、ウェティウス様の腕の中
に落ちてきて良かったよ。
「ウェティウス様。」
私は言った。
「律。」
ウェティウス様が私にキスをした。
久しぶりにウェティウス様の
腕の中にいます。
リエスディアが50才になり
国王即位に伴って。
ウェティウス様が対ファモウラ軍国
の戦場に身分を隠して武者修行に行ってるからです。
「久しぶりの律だ。」
ウェティウス様に抱き込まれました。
そんな事いってますが、
実は一月しかウェティウス様はもたず。
歴代『先代国王』の中で
ナンバーワンの人材スカウト率を
誇っています。
ああ、グーレラーシャの大型ワンコ。
完璧にしつけ失敗だよ。
「律。」
はいはい。
全く、クロウサギのおっさん。
いつも寂しそうにクロウサギの
通信機ストラップ見てるから
ついた二つ名なんだそうだ。
情けない。
変装で赤髪になってるんだから
お義父様みたいに
赤熊くらい呼ばれてみなよ。
超愛妻家で知られてる。
最強?のクロウサギ剣士
なんだそうです。
リエスディアですか?
恐ろしいことにラース様を落としましたよ。
ええ、予定より早く
どんな手を使ったんだか知ったこっちゃありませんが…。
国王即位後半年と経たないうちに
ラース様はリエスディアの事抱き上げてました。
「オレみたいなじじいしか愛せないなんてある意味哀れな奴だな。」
なんていってましたが…。
その時点でデロデロの甘アマですよ。
見てるこっちが痒くなる甘さで
「ラース様。」
リエスディアはよくラース様に膝上抱っこされながら執務してるんですが…。
デロデロです。
「リディ、あまり可愛い声だすといたずらしたくなっちまうぞ。」
甘い声でリエスディアにささやいているのをみてそうそう退散しました。
執務室のみなさん、うちの娘夫妻が甘くてごめんなさい。
でも、仕事の効率はウェティウス様の時と同じでいいそうです。
この間、王族用の鍛錬場に踊りのけいこにいったら…。
リエスディアがラース様をお姫様抱っこしていたので
静かに出て行きました。
家の娘は力持ちさんみたいです。
イェティウスは対ファモウラ戦でグーレラーシャの黒猫軍師として活躍しています。
五十嵐優黎お姉ちゃんがそちらで青服の傭兵(守護戦士)として
なんか知らないけど『青の指揮官』として活躍しています。
アルティウスはグーレラーシャのサーペントとして対ファモウラ戦場に
いるんですが、五十嵐家歳弱の女快黎ちゃんをついに落とし。
夫婦であちらで暮らしてます。
甘アマなアルティウスと冷めてる快黎ちゃん…良い夫婦だよね…多分。
リツメイヤの所は4人目の孫がいます。
夫のヌーツ帝国、平穏皇帝 ファルデァス(後継いだんです。)
は可愛い子供たちと妻にメロメロです。
リツデイラはグーレラーシャの戦竜として
薙刀と魔法戦闘で
兄弟最強の戦闘能力をほこっています。
もちろん、対ファモウラ戦場にいます。
知ちゃんのパティスリー・イシカワは世界中に10店舗も展開する。
超人気店なんです。
息子の智和君は神無月さんと一緒で王宮警護官なんだけど。
その代わり弟子が沢山います。
神無月さんの故郷のムリュフ精霊国でも
近くお店を出すんだって。
私の妹、栗落花節は
現在ヌーツ帝国の皇宮に勤めています。
節も召喚体質でパーウェーナ世界に呼ばれまくってます。
いろんなところよばれるけど
最近は、ケレス森国のゼキフェーラ国王の膝の上と(冷静に膝にのせられたまま、お茶進められるんでダメージだそうです。)
トスモル技術国の発明の天才の背中におんぶお化け状態と(節がくるとひらめくそうで喜ばれてるようです。)
デリオン狩猟国の凄腕狩人の大物獲物の上によく異世界トリップされるそうです。(また、お前かと言われるそうです。)
節は被害を少なくするために
こちらへ就職しました。
環境修復師として...。
すぐ、職場に戻れるもんね。
「律、一緒に武者修行に来てほしい。」
真剣な眼差しでウェティウス様が言った。
「...ウェティウス様。」
私は困惑してウェティウス様を見つめた。
この大型ワンコ、もう限界?
「わー、お姉ちゃんごめん!また異世界トリップしちゃったよ。」
節が来ました。
ああ、よく、私達が仲良くしてるところに
異世界トリップするよね。
節はささっと隣の部屋に逃げた。
ああ、今、お義父様達がいた別邸に移ったんです。
かわりにお義父様とアンネママン様が
当代国王の武術指導のために王宮に戻ったんです。
お義祖父様もお元気ですよ。
同じくらいのラース様が元気なんだから当たり前か?
「ウェティウス様、私、体力ないから無理だからね。」
私は言った。
「やはり無理か...。」
ウェティウス様が寂しそうに言った。
「来月も楽しみにしてるからね。」
体力大幅に削られるけど。
「わかった。」
ウェティウス様はそういって私にキスをした。
ウェティウス様、私幸せだよ。
本当にウェティウス様の腕の中に
落ちてきて良かったよ。
だから、死ぬまで一緒にいてください。
リエスディアの子供が生まれて
50才になるまではなれるなんて
寂しいけどいつか終わるんだからさ。
これからも一緒にしあわせでいようね。
長い間ご愛読ありがとうございました。
律が主人公の物語はこれでおわりです。
でも、子供たちや兄弟、友達がまだエピソードがあるようで
ただいま、電波受信中です。
作品になりましたらよろしくお願いいたします。
4月1日より新連載予定です。
よろしければ、あわせてお願いいたします。
阿野根の作者