その6 律、王太后と会う。
異世界にきて1月はたった、この世界は『パーウェーナ世界』と言うそうだ、そのヒデルキサム大陸とキシギディル大陸のまたがるそこそこの大きさの武門の国が『グーレラーシャ国』と言うことで外に出ると(中庭は渋々陛下が許可してくれた。)暑い、日差しも強い、出るときは被り物...砂漠の民の女性がつけてるみたいなのを着けるように言われている...刺繍や染めが綺麗だ、借りは少ないほうが良いけど、しかたないよね。
「律様、こんにちは、ごきげんいかがですの?」
昼食に自作の塩お握り(菓子作ったり、料理あまりできないんです。)を砂糖抜きの紅茶で食べていると、ダファヤ師さんが来た。
「こんにちは。」
珍しいな、昼間くるなんて。
「律様、ご相談があるのですけど。」
ニコニコとダファヤ師さんは言った。
なんの相談だろう?スザナさん、今、誰か迎えに行ってて居ないんだよね。
「何ですか?」
無理難題じゃないと良いけど。
「陛下ともう少し進んでいただけませんか?」
やっぱり、ニコニコとダファヤ師さんは言った。
「先に進む?」
なんですか?それ?
「陛下のご成長が見られましたので、ご褒美をと思いましたの。」
せ、成長?ああ、あれ?
「たまに、変な事言ってますけど、言動に以前と変わりありません。」
相変わらず、抱き締めてキスするし、やさしいのは、基準が微妙だけど前からじゃない。
「...律様、何も聞いていませんのね。」
ダファヤ師さんが言った...だから、何をさ?
「ビハシェリムさん、余分なことは言わないでください。」
スザナさんが帰って来たよ...女王陛下?
「ま、あなたが律さんね。」
...誰?この女王陛下にソックリの絶世の美女?陛下より小柄で、胸あって、服装も華やかだけど...お姉さん?
「律、王太后アンネ様です、陛下のお母君です。」
スザナさんが言った、ダファヤ師さんも優美な仕草で礼をとっている...こっちの礼法、まだマスターしてないんだよね、膝まずいて、頭下げるんだっけ?優美に女性は特に。
「びっくりさせて、ごめんなさい、どうしても、ウェティウスの恋人に会いたくて来たのよ。」
ニコニコしながら王太后様は言った、ウェティウス?はて誰だっけ?
「...律、陛下のお名前です。」
私の困惑をみとってスザナさんが言った...一回聞いたけど忘れたよ。
「陛下の恋人何ですか?私。」
違うと言いたいけど、様子を確認してからにしよう。
「あら、違うの?じゃ、許嫁?」
この人話が飛躍する人だな。
「...アンネ様、律が目を丸くしております。」
スザナさんが言ってくれた。
「びっくりしなくて良いのよ、可愛いわね。」
普通、びっくりしますよ...私、女王陛下の女の婿いやです。
「...陛下が言ったのですか?」
めんどくさいな、それなら。
「ええ?やっぱり、もてあそばれてるだけ?」
アンネ様が言った、どうしても極端な人らしい。
「...アンネ様、陛下はそのような方ではありません。」
ダファヤ師さんが口を開いた。
「そう信じてるけどね♪」
何でそんなにウキウキしてるんだろう。
「...話についていけません。」
なんか、あのテンションつらいです。
「まあ、私が使用していた時と部屋の感じが違うわね。」
アンネ様はやっぱり、唐突にいった、環境調整師の基本、部屋環境の調整しただけですよ、私物は差し入れ小袋のなかだし。
「アンネ様は芸術家でしたから...。」
スザナさんいった、ごちゃごちゃしてたんだ。
「それで、皆さま、私にどういったご用件でおいでになったんですか?」
みんな、本題中途半端だよ。
「私は、ウェティウスを煽ったのにまだ、噂の女の子に会ってないから見に来たのよ。」
とアンネ様は言った、何、煽ったんだろう。
「私は、陛下が成長なされたので、ご褒美の相談に参りました。」
とダファヤ師さんが言った、ご褒美ってつまり、私は、貞操の危機?
「あら、じゃ、律さんの身体にレースでも巻いて、ウェティウスにあげれば?」
それ、間違いなく、食べられちゃうよ。
「良いですわね...。」
ダファヤ師さんが言った、良くないよ。
「律、顔色が悪いですよ。」
スザナさんが心配そうに言った、スザナさんだけだよ心配してくれるのは。
「スザナはお願いしなくてもいいの?」
アンネ様はニコニコしながら言った。
「そうですね、思いきって言いましょう。」
スザナさんが言った、な、何?
「私を律のお母様にしてください。」
..........は?私、明正和次元に空間管理師な母がいますが?
「ああ、ドーリュム家の養女にという事ですのね...スザナータさん、息子しかいないですものね...ダファヤ家じゃ、役不足ですわね、悔しいけど。」
ダファヤ師さんが悔しそうに言った、よ、養女?
「律、家の娘になれば、陛下もそうそう、ご無体はできません。」
...ドーリュム家ってそんなに有力家なんだ。
「それに、正体不明の異世界人とは、言わせません。」
事実そうだしな。
「...陛下の愛人なんて言わせません。」
あ、愛人......女の愛人.....それもダメージが。
「もし、スザナさんの娘になったら、王宮から出られるかな。」
そうすれば、逃げる機会が増えるよね。
「...出たいの?この部屋じゃ、不満?」
アンネ様が言った。
「王宮は今のところ難しいですが、ドーリュム家の部屋のある区画なら出られるように、陛下に交渉します。」
この部屋以外のところか...陛下が隣じゃないぶん気が楽なんじゃないかな、襲われる心配が減るし。
「...よろしくお願いいたします、スザナータお母様。」
使える力は使え、ですよね。
........不用意な発言は避けようってほんとだな、スザナさんに力一杯抱き締められて、苦しいです。
「律、お母様は嬉しいです、律みたいな女の子が欲しかったのです。」
ス、スザナさん、し、死ぬ。
「スザナータさん、律様のお顔色が悪いですわ、お離しなさいませ。」
ダファヤ師さんが言ってくれなきゃ、川向こう岸のお花畑に行ってたよ。
これでわかった、文官のスザナさんがこの腕力なら、武人の女王陛下が、怪力でもおかしくないよ、最近、陛下は男性かもって、疑ってて悪かったよ、そっくりな、お母様もいることだし。
「ごめんなさい、律、うれしくて、つい。」
嬉しくて、抱き潰されたら、死んじゃうよ。
「スザナの子は男の子ばっかりだからね。」
アンネ様が言い添えた、期待してるところ悪いですが、空間管理師な母と良くケンカしますよ、口喧嘩ですが。
「律、これからよろしくお願いします。」
早まった...って事もないか、ここから多分でられる。
「ねぇ、ところで、律...ちゃんって呼んでも良いかしら、私は、アンママンが良いわね。」
あ、アンママン?フランスデスカ?
「.......お好きにどうぞ、ア、アンママン様。」
どうに距離とっていいかわからないよ。
「アンママンよ、律ちゃん、ところで、お酒呑める?ワインとか?」
キラキラしながらアンママン様に言われたよ、お酒?
「たしなむ程度なら...。」
昔、ワインならはまってた事もあるし、いっぱいは呑まないけど、今は呑むならチューハイです。
「じゃ、こんど、一緒に呑みましょうね、ウィティウスの許嫁が異世界人でよかったわ。」
そういや、酒呑まないよね、女王陛下、ダダ甘い菓子は食べるけど、許嫁じゃ無いですよ、愛人でもないけど。
「律、また、米と紅茶の砂糖抜きでお昼御飯を済ましたのですね、もっと栄養のあるもの食べなさい。」
わー、さっさと食べとくんだったせっかくスザナさんの居ないときに密かに用意してもらって食べてたのに(おにぎりは私が作ったので何か丸いですが。)、いいじゃ無いですか、朝夕。女王陛下に付き合って、塩分過多、タンパク多量しかも、肉料理、野菜まで揚げてあるの付き合ってるんだから...昼は無理です。
「そうですわ、律様、これから体力使うんですもの。」
ダファヤ師さんが怪しくわらった...嫌だ絶対に。
「面白い食べ方ね、異世界料理なの?」
興味深そうにアンママン様に言われたよ。
「律の食生活は改善の余地がありそうです。」
スザナさんは何か、もう、お母様の顔してるよ。
「別にいいです。」
それより、早く、女王陛下から、私を引き離してください、ダファヤ師さん、お願いだから、さっきの提案却下でお願いします...ああ、普通の異世界生活が送りたいよ




