始まり
処女作です。初投稿です。
ウミガメの産卵を見守るような目で見てください。
僕の名前は水瀬 優理という
僕は家族というものを知らない
僕には家族が居なかったから
いや、正確には家族と呼べるものはいた
そう、呼べるものだ
だから、それは家族であったが家族ではなかった
僕の家族と呼べるもののなかには母と父と呼べるものがいた、兄弟とよべるものはいなかった
そして、その母と父の間に愛はない恋愛感情はない
なぜなら、世間一般のような恋愛結婚ではないからだ
そう、いわゆる政略結婚というものだ
そしてその二人の子供である僕に求められたのは常にトップを取り続けることだ
テストでトップを取れなければ、飯を抜かれることも普通にあり
そして『お前なんて生きている価値がない』『いる意味がない』
そういわれながら殴られることも普通だった
だから僕は、普通よりは頭がよく運動神経もいい
そこは、感謝をした方がいいのであろう実際そのおかげで役に立っていることもある
さっきも言ったように僕は殴られることも普通だった
だから、それが普通の事だと思っていた
しかし、小学生中学年にもなるとそれが普通じゃないこともわかって来た
それからだ、僕が家族を家族と思わなくなったのは
だからと言って何か自分の中で変わったことがあったわけではない
やはり、それまでもぼくはかぞくと思っていなかったのだろう
そして、それからも僕の人とは違う普通は続いて行った
これからも続くと思っていた、しかしある日唐突にそれまでの普通が終わった
それは、思いもよらない終わりだった
そう、その日僕の家にある男が押し入ってきた
その男は僕の親の会社が潰した会社の社員だった
そして、その男は刃物を手に「お前らの・・・お前らのせいで俺たちは・・・!」といいながら暴れていった、僕がいることに気付くと「お前らにも同じ絶望を味あわせてやる」といい僕に刃物を突き付けて刺してきた
僕は刺された痛みと大量出血によって意識が消えるさなか、白い光が僕を包んでいくことを覚えていた