港町
今回は台詞ばっかなので内容詰まってません。
ついでに、週一とかいいながら気紛れで不定期になりそうです。
……色々としないといけない事とかしたい事とかあるんです。
どうかご勘弁を…この通り。m(_ _)m
そして、斑猿事件から数日後。(石を投げた犯人は追剥だった。愉快犯っぽかったため、リーダーに絞められた)。
やって来ました港町。
「潮の香りがするね。流石港町」
「え、まじか」
「ユートは鼻が鈍いみたいだねー」
「そうだね。ところで、ちょっと訊いてもいい?」
「何だ?」
「何でここに来たの?」
そう尋ねると、仲間が全員ずっこけた。
「……お前、それ本気で言ってるのか?」
「だって何も聞いてないし」
「………そうだった」
「俺らがここに居るのは、ざっくばらんに言うと魔王の居る大陸に行くためだ。そのためには船に乗せてもらうか船を借りて自力で行かないといけない」
「成る程……大丈夫かな?」
「よっぽど警戒されない限りは大丈夫だろ」
「俺も早く魔王の居る大陸に行きたいしな。ここでは自重するか」
「リュークはいっそのことずっと自重したほうが良いと思うぞ」
「剣士にそんなこと求めるだけ無駄だよ、リーダー。それにしても、活気があるね。俺の居たとことは大違いだ」
「お前のいたとこと比べればどんなとこだってマシだろ」
「同感。それより、船貸してくれる人か俺らと目的地が同じで乗せて行ってくれそうな船でも捜そうか」
「そうだね。じゃ、仮に見つかってもこの港町の……そうだな、あの宿の看板の付近で昼に集合ってことで」
「「「異議無し」」」
「何で……」
「解散」
もはやリーダーが何か言う暇も与えることなく、僧侶のその一言で仲間は散り散りに何処かに行ってしまった。
後には俺とリーダーが居るばかりだった。
「……………」
「リーダー」
「……ロイ」
「そんなとこで座っていじけてても邪魔になるだけだよ」
「…………………………」
「周りにも注目されてるし」
「………………………………………」
「早く船見つけていかないと、あれに遭遇しやすくもなるだろうし」
「よし、行くぞ」
「(立ち直り早いな。あの姦しい人達はそこまでうざったいか)じゃ、俺は町一通り回ってくるから」
「え」
「手分けして探したほうが見つけやすいだろうし。リーダーも頑張りなよ」
「え、お前それ本気で……」
「嫌?」
「いや、そうじゃなくて。お前、精神はそれでも体はそんなだから交渉とかで絶対舐められるぞ」
「なら、適当にそこら辺散策しとくよ」
「おい……」
「でも腹減ってきたし、飯食ってからにしようか」
ちなみに、現時刻は早朝。
日の位置はまだかなり低い。
「…そうだな。」
「じゃ、決まり。何処にしようか」
「おい、そこの兄ちゃん」
「あの店はどうだ?」
「あれは酒場だから早朝には開いてないよ」
「おい、兄ちゃん」
「あれは?」
「閉まってそうだね。そもそも早朝から開いてる店のほうが珍しいし」
「あれは?」
「武器屋だから関係ないよ。それより、お呼びみたいだけど」
背後を指差してリーダーにそちらを向けさせる。
「おう!」
そこには、とてもいい顔で笑う髭を生やしたむさいおっさんの姿。
「あえて聞こえない振りしてたんだよ」
「……そうだったの?」
「こんな得体の知れないおっさんの呼びかけに応対したら、どんなこと押し付けられるかもわかんないだろ?」
「あ、そっか」
「おい、小僧!得体の知れないおっさんとは何だ!変なおっさんと言え!!」
「そこかよ!」
「しかもそれじゃ悪化の一途だね」
「おぉ、そう言えばそうだな。じゃ、俺のことは……えっと、好きに呼べ!」
「結局まる投げか!」
「じゃ、宜しくおっさん」
「おう!!」
「おま……」
「で、おっさんは何の用?」
「ちょっとこれから積荷を運ぶんだが、人手が足りなくてな。そこの若いのに助っ人頼もうかと思ってたんだ」
「却下す「そーかそーかやってくれるか!じゃ、こっち来い!!」ちょ、待ておっさん!俺は嫌だと「遠慮するな!」してねーよこの阿呆がー!!」
そういうやり取りがわずか数秒で行われると、リーダーはおっさんに拉…攫わ……連れて行かれた。
「………散策するか」
結局、俺のこれからの行動はそこに収まった。
………子供でよかった。