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盗人の日々  作者: 神崎錐
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プロローグ


そこは白い所だった。



天井も壁も無く、今自分が立っているのが床なのかも分からない。

ならそこは外なのかというと、それも違う。



どんな場所かといわれると、白い所としかいえない。

そんなよく分からない所。



そこには扉があった。



1つだけではない。

多種多様の、様々な扉があった。



木製の扉 金属製の扉 石製の扉 両開きの扉 洋風の扉 和風の扉 


古ぼけた扉 小さな扉 大きな扉 彫刻が施された扉 豪奢な扉 


赤色の扉 青色の扉 黄色の扉 緑色の扉 灰色の扉 黒色の扉 



他にも、まだまだ沢山の扉があった。

その扉達は、まるで取り囲むようにして存在していた。



扉と扉の間隔はほとんどなく、中にはとても趣味がいいとは言いがたいものもあった。


どこか頭の芯がぼやけているようで、たいしたことも考えることができずにぼうっと扉を眺めていた。


そうするうちに、なぜか扉は一つ、二つと消えていった。




最後には、一つの扉が残された。


その扉だけは、消えることなく存在していた。


なんとなく近づき、どうせ開かないだろうと思いながら手をかけると、その扉は至極あっさりと開いた。


不思議に感じながらも、その扉を開こうとした。



刹那。


背中に、異常なほどの熱さを感じた。


その熱さは背中だけでなく、体の様々な所に伝染するように広がっていく。白いだけの足場には、それにともない絵の具のような紅い水溜りが広がった。


そして関節が無くなったかのように崩れ落ち、その場で倒れこむと。



やがて意識を失った。


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