シスター⑤
「………………」
「………………」
「…………本気、なの?」
「…………うん」
一筋の冷や汗が流れる。
「……カイト」
「……な、何?」
「ごめんなさい……それは、いくらカイトのお願いでも聞けないの」
……それはそうだよな。
だって、都合がよすぎるもん。
ほんのりと……いや、結構期待はしてたけど仕方がないよな……。
「そうだよね……だめだよね……」
「違うのカイト」
ん?
「違うって……?」
「よく聞いて。私が断る理由は、ただ単純にカイトが嫌だとか、恥ずかしいからとかではないの」
……んん? ……嫌じゃないの?
「私はね、聖女である身……神様の御前において、この身が清廉潔白であるということが自分の存在意義なの」
「……ど、どういうこと?」
シスターはどこか悲しい目で俺を見た。
「私は大聖女マーテルの教え『慈教』を説いているシスターなの。元の住処や名前すらを捨てて、やっとの思いで大聖女マーテルの恩寵を受けることができた。……だから今があるの。私が治癒魔法を使うことができるのも、ここの聖堂を運営できているのも、全て私がシスターであるからなの。……そして、シスターであり続けるためには、その責務を果たさなければならない。いくつかあるその中に、『この身を捧げることができるのは生涯に1人の伴侶』というものがある。だから今ここで、カイトのお願いを聞くことはできないの……ごめんなさい……」
シスターは深く頭を下げた。
「……行動には意思が伴う。カイトを救うという行いで服の上から胸を触らせてはあげたけど、それ以上のことはできないの」
「シスター……」
……とてもじゃないけど、これを聞いても尚、おっぱいを触らせろなんて言えるわけがない。
だけど、それじゃどうする? 諦めるのか?
シスターに頼んで、メイドに触らせてもらうとかはどうだ?
いやだめだ。シスターに、「カイトのためにおっぱいを触らせてあげて」なんて言わせられない。
俺が直接メイドに言うか?
おっぱいを触らせてくださいって。
いやいや、それこそもっとだめだ。
俺はこの場所が大好きなんだ。
わざわざ自分から壊すようなことはしたくない。
……どうしよう……このままだと、俺は一生自分の能力がつかえない……!
そんなのは嫌だ。
なんとしても能力を使いたい。
……シスターに相談してみるか?
おっぱいを触らせてくれる人ってどうやったら見つかりますかって?
これもだめだ。
ここまできたら、もはや頭がおかしい扱いか変態のレッテルを張られる!
じゃあやはりシスターに頼むしか……。
でも、シスターが俺におっぱいを触らせると、シスターがシスターではなくなる。
伴侶は生涯に1人だから……って、……あれ?
生涯に1人って、……おい、まさか……シスターには既に伴侶が……結婚相手がいるのか!?
「シ、シスター! シスターにはもう伴侶がいるの!?」
どうしよう。
今、この上なく心臓がバクバクしている。
「いないよ。今は自分のことよりも、『慈教』に精通していたいから」
「そうか……」
よかったーーーーーーーー。
ふう。
でも……今はいない、か。
待てよ。
それなら、俺がずっと前から言いたかったことをここで言うのはありか……?
俺は、シスターが好きだ。
シスターと付き合いたい。
……結婚したい。
もしもこのままずるずると時間が経って、シスターが他の人を好きになったら、伴侶は1人までなんだから、もう今後一切俺の入る余地がなくなる……!!!
それは絶対に、避けなければならない!!!
思えばシスターが他の人と結婚するなんて考えたことなかった。
シスターを奪われていいのか……?
だめだ! だめに決まってる!
……なんか、もう目覚めた能力なんかどうでもいい。
シスターのほうが大事だ!
だって俺は……シスターが好きだから!
「シスター!!!」
「ど、どうしたのそんなに大きな声を出して」
「俺じゃだめかな!?」
「え? な、何が?」
「俺が結婚相手じゃ、だめかな!?」
「カ、カイト!? 何を言ってるの? ……そこまでしておっぱいを触りたいの?」
「違う! そうじゃないよ! おっぱいのことはどうでもいい! シスター! 俺は本気なんだ……!」
俺は力強く拳を握る。
「これまで……シスターにはほんとにお世話になった。愛って何なのかを教えてもらった。……だから今度は俺が、俺の形でその愛を返したいんだ!」
自分の気持ちを言葉に乗せる。
嘘偽りのない俺の気持ちを。
「カイト……これは冗談とか、一時の感情とかではどうにもできない問題だよ。私の人生そのものがかかっているのよ?」
「俺は本気だ」
「……ふふ。ありがとう。……それじゃあカイトが大人になっても、今と同じ気持ちなら、その時にもう一度今の言葉を言ってくれないかな?」
シスターは微笑む。
……ずるいよ、シスター。
そんなこと言われたら、もう何もいい返せないじゃんか……。
シスターを言い負かすなんて思わない。
だけど、今の俺は11歳の子どもだから本気にされてないんだ。
それが悔しい。
俺は今、シスターと結婚したいんだ!
愛に年齢なんて関係ない!
重要なのは、今の気持ちを伝える。
これが全てだ……!
俺はお口上手じゃない。
だからまずは……行動で示せ!!!
気がつくと、俺は走り出していた。
そしてシスターに向かって飛び上がる。
俺がシスターを本気で愛しているという証明……それはもう、これしかない。
シスターは目を見開いて驚く。
次の瞬間、俺はシスターにキスをしていた。
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