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シスター②

 

 最初に言ってどうする!? まずは能力のことからだろ!

 

 そう……能力のことから話す……そんなことわかってるのに……わかってるのに俺の脳内シミュレーションが邪魔をする……!


『お願いがあるのー』

『何かなー』

『おっぱい触りたーい』

『いいよー』

 

 ……んな展開あるかボケっ!


 まずは深呼吸するんだ。

 スー……ハー……よし。

 

「シスター、俺、新しい能力が身についたんだ」

「よかったね。……どうな能力?」


 ……あれ? 結構あっさりしてない?

 

 脳内シミュレーションなら、『わーすごーいー! おっぱい触るー?』

 

 俺は強く首を振った。


「えっと……ちょっと変わった能力で……ブラジャーを出すことができるんだ。それで、えっと……着け続けるほど強くなれるみたいなんだけど、よかったらシスターも着けてみない……?」

 

 シスターは少し顔を傾けて、あごに指を当てながら考え始めた。

 10秒くらい経っても反応がない。


 ……あれ、何か説明まずかった? 思ったより直球すぎたかな……?


「カイト」

「は、はい!」

「ブラジャーって何かな?」


 ……あ、そこかい。

 

「えっと、ブラジャーっていうのは女性が身につける下着で、服の下に着るもの、かな」

「服の下に……布巻きのことかな?」

「布巻き……たぶんあってると思う、たぶん……」

「なるほど、カイトはよく知ってるね」


 ……確かに。なんで知ってるんだろう……?

 

「それでカイトは、その女性用のブラジャーというものを出すことができて、それを私が身につければいいのね?」

「う、うん……」


 ど、どうしよう……シスターのあの目、絶対に疑ってるよ……!

 疑いを何とか晴らしたいけど……晴らしたいんだけど、今のシスターの顔……すごく可愛い……!


 じゃなくて!

 断られる前に何か言わなきゃ! なんて言う……? なんて言えば……!


「いいよ」


 ……だよねえ……って、ええええ!? いいの!?


「いいの!?」

「うん」

「ほんとに!?」

「うん、いいよ」

「ありがとう! シスター!」


 ……やっぱりシスターは優しいよ……。なんでも聞いてくれるよ……うう。


「それじゃカイト、着けてみるからブラジャーを出してみて」

「わかった! ではいくよシスター……」


そう言って俺はシスターの胸に両手を当てた。


「………………え?」

「……え?」

 

「なっなな……何をやってるの、カイト!!!」

 

 シスターは勢いよく俺の両手を払いのける。

 片腕で胸を隠しながら、「カイト!? 何をしてるのかな……?」と、強く言う。


「何ってブラジャーを」と言ったところで気づく。


 間違えた!

 ブラジャーを着ける許可じゃなくて、ブラジャーを出すために、おっぱいを触る許可をとらなくちゃいけないんだった!!!


「違う、違うんだシスター! これは誤解なんだ!」

「カイト、ちゃんと説明しなさい……!」


 ……やばい、怒ってる! ちゃんと説明しないと……!

 てかどう説明したらいいんだ!? おっぱいを触らないとブラジャーが出せないって、どう説明したらいいんだよ!?

 はいそうですかわかりましたって、ならないよ普通!


 ……そうだ! 窓だ! 窓を見せれば解決するかもしれない! だって、触らないといけないって窓に書いてあるんだから!


俺は片手をだしてスペルを唱える。


「スキルオープン!」


 窓が現れ、俺はそれを操作する。

 『ブラジャー発現』の説明文が出た状態で、「ほらシスター、ここを見て。おっぱいを触ることでブラジャーが出せるって書いてるでしょ!?」


「……カイト、何を言ってるの……? もしかして、私をばかにしてるのかな……?」

「ばかになんかしてないよ! ほら見て、半透明の青っぽい窓が見えるでしょ!?」

「何もないよね!? 今回はそういう設定で私をからかってるのね!? カイト~!」

「違うってば! シスターほんとにあるんだってば!」


 ほんとに見えてないの!?

 ……じゃあこの窓は俺の能力だから、俺にしか見えないってことなのか!?

 

「かいと~~!!!」

「ぎゃーーーーー!!!」


 シスターは俺の両耳たぶを思いっきり下に引っ張った。

 

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