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初陣①

 

 俺はコレットを連れて赤の間に戻った。

 部屋にはまだシスターだけだった。


「大丈夫だった?」

「ああ。問題なかったよ」と答えると、シスターはほっと一息ついた様子だった。


 それから1時間もしないうちに全員が集合した。

 

 最初、ヴァネッサとピーナツの釈放は叶わず、落ち込んで帰ってくるフリスとベーゼに「仕方ないな~今回だけだよ~」と言い残したコレットが2人を連れてきた。

 尚、その後コレットは俺に「この借りは大きいからね~るんるん」と、ご機嫌に言われたのがちょっと怖かった。


 一方、ライラはエマと合流後、城に戻ってくる道中に出払っていたノエルと顔を合わせたらしく、皇女への報告が終わったらここに来てくれるとのことだった。


「先に話を進めておきましょう」とシスターは各々の顔を見た。


 シスターの左から、ヴァネッサ、フリス、ライラ、エマ、ベーゼ、ピーナツそして俺とコレット。


「この場に相応しくない方が1名いるんだけど……」とベーゼ。

「嫌だな~私も仲間だよ~?」

「そりゃピーナツを出してくれたことは助かったけど、話し合いまで参加することじゃなくない?」

「嫌だな~ベーゼちゃん~。仲間外れにしないでよ~」


 ふんふんと鼻歌を歌いながら言うコレットにベーゼはため息をついた。


 ヴァネッサの「シスターが戦地に赴くのなら私はついていきます」というと、フリス達は頷く。


「皇女様の命令でカイトが残ることになったの。私が戻るまで誰かにカイトのことを見ていてほしい」

「私とピーナツは明後日から入隊試験が始まるし、見ることはできないよ」

「そうね……。聖堂のこともあるし、やっぱりメイドの中から1人決めなくては」


「私はシスターに着いてくよ? ノエル姉さんともう離れたくないし」

「そうね。エマは一緒に行きましょ」

「うん!」


「戦地だと特に飲み水が貴重となってくる。だとすると私の魔法は必要だと思うから、お留守番はフリスかライラじゃない?」とヴァネッサ。


「それならフリスが残りなよ。万が一でも風で誰かを攻撃してしまったら、これまでのお祈りがパーになっちゃうよ?」

「心配ないわライラ。魔法を使うときはいつも見極めているから」

「そう? ならいいけど」

「むしろ私の風はシスターの補助魔法があれば周りをサーチできる。シスターの安全を第一に考えたいから、私はシスターについていくわ」

「わかった。じゃあヴァネッサもエマも行くなら私が残ることになるか」


「留守はライラに任せるね」

「任せてくださいシスター」

 

「おっけ~。それじゃ必要な席はシスターとヴァネッサちゃんとフリスちゃんとエマちゃん、それからノエルちゃんの5人分ね~」

「それでお願いします、コレットさん」


「ライラ、カイトのことよろしくね」

「もちろんです!」

 

 

 話がまとまり、時がきて正門に集まる。

 結局、ノエルは物資の調達に時間が掛かってしまい、俺達の前に現れることはなかった。


「それじゃ行ってくるね」

「無事に戻ってきてよ!」

「もちろんよ。カイトも無理をしちゃだめだからね」

「……うん」


 俺はシスターと最後のハグをし、4人を乗せた馬車を見送った。



「さてと、それじゃ僕達は試験に向けて準備があるから行くよ」

「ああ。ピーナツ、いろいろとありがとう」

「大したことはしてないよ。僕こそ捕まったのに出してくれて助かったよ。試験が終わったらまた聖堂に顔を出すからさ、それまで元気で!」

「おう!」


「シスターのことは残念だけどこれでめげちゃだめだよ! 絶対にまた会えるんだから!」

「わかってるよ! 今度は俺がシスターを守れるようこれからは修行するんだ」

「ほんとに~!? じゃあ強くなったら戦おうね!」

「その時は手加減してくれよ?」

「ん~気分次第かな! ……それじゃあね」

「うん! ありがとうベーゼ」

 

 俺は2人の姿が見えなくなるまで手を振り続けた。

 尚、2人を見送った後、「修行は禁止」とライラに注意された。



「さてと、それじゃあお家に帰ろっか」

「そうだな」と、ライラと一緒に帰ろうとした時。


「はいは~い。ストーップ!」とコレットに呼び止められた。


 

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