能力覚醒⑤
「うわああ! おいいい! 入るならノックぐらいしろよ!」
俺はシスターからぱっと離れる。
シスターもまた顔を赤くしたまま必死に取り繕っていた。
「ノックも何も扉は半開きだったし、まさかベットの上で抱き合ってるなんて思わないよね~」
「い、いいだろ別に! 別れの挨拶みたいなもんだから!」
「ほんとにそれだけ~?」とニヤつき顔で言ってくる。
こいつ……なんかムカつく!
「ま、からかうのはこれぐらいにして~皇女様がカイトちゃんを呼んでるよ~」
「皇女様が俺を? ……なんのために?」
「抱きしめてもらえるんじゃない~? あはは!」
こいつ……!
「心配なので私も行きます」
「あ~んだめだめ~! お呼びなのはカイトちゃんだけだよ~。シスターはここにいてくださーい」
「ですが……」
「皇女様に逆らっちゃうと怖いよ~?」
「……わかりました」
俺はシスターにだけ「行ってくる」と告げ、1人皇室に向かった。
「お呼びですか? 皇女様」と、頭を下げた。
少しでも歯向かうとまたナイフが飛んできそうだからな。
とりあえず様子見だ。
「来たか。さて、お前はシスターを助けたいか?」
「……助ける? えっと、助けてくれるんですか!?」
「助けぬ」
なんなんだよ……。
「シスターを助ける方法が1つある。知りたいか?」
助ける方法はあるのか。
「教えてください、その方法を」
「お前の能力を伸ばすことだ」
あれ? なんで皇女は俺の能力のことを知ってるだろう。
バンダックが言ったのか?
いや、でも俺の能力は伏せたままだ。
じゃあどうして知ってるんだ?
「私は強い者を好む。お前がその能力を磨けば、やがてシスターよりも価値は高くなるだろう。そうなれば戦場からシスターを退け、代わりにお前の登場を認めよう」
「ほんとですか!?」
やっぱり俺の能力はすごいんだ!
この能力を生かせば、ほんとにシスターを助けられる!
「お前に力を与えよう」
皇女は胸の前で両手を広げると、紫に光る球体をひゅっと出現させた。
禍々しく見えるその球体はゆっくりと俺に近づいてくる。
「これは能力を高める素材のようなものだ。この力を使いこなすことで、お前は更なる強さを獲得するだろう」
紫の球体はプカプカと浮きながら俺の前までやってきた。
皇女はあんなこと言ってるけど、見るからに怪しい色なんだけど……。
正直触りたくない。
「さあ受け取るがよい」
受け取るがよいって言われてもな……。でも断ったらナイフ飛んできそうだし、それに強くなるかもだしとりあえず触ってみるか。
触れた瞬間、紫色の球体は触れた手に吸い取られるようにして消えていった。
ピロン。
突然窓が現れ『ウインドウが更新されました』と表示された。
え? まさか今のでほんとに強くなったのか?
身体に変化は感じない。
俺は窓で点滅しているプレゼントボックスを押した。
達成条件:コアの獲得
獲得報酬:ミッションボード
振り分け可能ポイント+3
すげえええ! ほんとに能力が上がってる!?
ミッションボード? なんだろうこれ。
てか待て待て。
なんでこれで俺の能力が強くなる!?
一時的に強化するわけでもなく、能力そのものを強くするなんて聞いたことがない。
恒久的にただ強くなるだけの魔法は存在しない。
もしかして何かデメリット的なものがあるのか?
もしくは、皇女の力は魔法じゃない……?
「私の能力は他者の成長を促すことができる。それがたとえどんな力であろうとな」
……となると、やっぱり皇女の力は魔法じゃないのか?
「では早速試してみよう」と、皇女はナイフを手に持って投げた。
おいおい嘘だろ!?
くそ! 早すぎて間に合わない……!
俺はなす術なくその場に留まり腕で顔を守ることしかできなかった。
あれ……当たってない?
外したのか?
いや違う……俺の前に誰かいる!
「も~皇女様も人が悪いですよ~。まだ私がいないじゃないですか~! それにカイトちゃんは記憶も力も取り戻してませんよ~」
盆の女!?
「投げるのはそれからにしてくださいよ~!」と、女は手に持っている盆に掴んだナイフを置く。
「さすがはコレット。期待以上だ」
……何が起こったんだ?
盆の女がナイフを受け止めたのか?
「強さにもいろいろとある。お前はまだ自分自身が強くなる段階ではない。ならば、その時が来るまでその能力で他人を強化し使役して戦うがよい。お前の能力が真価を発揮するまで、コレットがお前の付き人となろう」
コレットは振り返り「そーゆーことなので~よろしくね~カイトちゃん!」と、にっこり笑った。
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