話し合い④
部屋では7人の兵士が楽な姿勢で雑談していた。
不思議なことにライラもその雑談に加わっている。
「反省会は終わったのか? ピタに背いた罪は重いぞ」と札付きの男が話すと、他の兵士達はみんな黙った。
「話があります」
「話? 俺がシスター様と? はん、そんなの恐れ多くてできませんよ。さあ、分かったらさっさとこの変な札を外せっての。痒いところも掻けやしねえ」
「バンダックさんや他のみなさんを解放し、ピタまでお連れします」
「……ずいぶんと気前がいいな。それで、目的は?」
「聖堂で起こったことを不問にしていただけませんか?」
「おいおい、そりゃなんの冗談だ? あまり大人を舐めちゃいけねえよ?」
ドスの効いた声に思わずシスターの顔が強張る。
部屋に緊張が走った。
と思ったら、札付きの男は顔を緩め大声で笑い出した。
「冗談だよシスター。俺達は同じピタの住人、つまり仲間だ」
……仲間?
お前らが聖堂を襲わなきゃこんなことにはなってないだろ……!
「このお嬢ちゃんにも話してたんだがな、今回のことには目をつむってやるよ。……その代わり、ピタに来い。シスター」
「ピタには行きます」
ええ!? シスター!?
「ですが、それは交渉するために行くという意味です」
……なんだよ、そういう意味か。
びっくりしたーーー。
「交渉……?」
「バンダックさん、お願いがあります。どうか皇女様に取次をお願いできないでしょうか」
「おいおい……こりゃまた大きく出ますなぁシスター様よぉ。俺に交渉の場を作れだぁ?」
シスターの真剣な表情に、札付きの男は緩めた顔を再度引き締めた。
「訳を話せ」
シスターは視線を札付きの男からライラに移す。
すると、ライラは何かを示し合わせたかのように頷いた。
「……これを」と言い、シスターは折り曲げた小さな紙を札付きの男に渡した。
ん? なんのメモだろう?
男はその紙を読み終えるとポケットにしまい頭を掻いた。
「この件を不問にした上で、既に連行した白髪のメイドと短髪の銃士を解放しろ、か。おまけに交渉の場を設けて欲しいときた。ほんと最近のシスター様は言うことが違うな」
「……それで、お返事は……?」
少しの沈黙。
そして。
「まあいい。負けたのは俺だ。……乗ってやる」
その言葉にシスターは安堵し、各々が喜んだ。
「ま、こっちも1つ条件を出させてもらう。何、簡単なものだ。ここで戦闘は起きなかった。だから勝ってもないし負けてもない。それでいいよな?」
「もちろんです」
「オーケー。交渉成立だ」
……なんかよく分からないけど、うまくいったってことだな!
よかったよかった。
「本当ならここで握手でもしたかったんだがな、何故か身体が動かなくてね。このままで許してくれ」と、男はベーゼを見ながら言うと、ベーゼはすぐ申し訳なさそうな顔をした。
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