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襲来⑪


 どうやって拘束しようか。

 より確実な方法……やっぱり後ろからの不意の一撃がベストか。

 

 周りには折れた木々が散らばってる。

 手頃な枝を手に入れておこう。


 よし。

 これであいつをぶっ倒す……!


 

 黒煙の中に人影が見えた。

 

 一気に間合いを詰める。

 木の棒を振り上げ、狙うべきターゲットに向けて振り下ろそうと力を込めた。


 ……ええっ!? 嘘だろっ!?

 

 俺は思いっきり振り下ろそうとしたその手を止める。

 目の前にいるターゲットは、あいつではなかった。


 黒い髪に季節外れの藤の装束、そしてピンク色の大きすぎる帯。

 そこにいたのはベーゼだった。


「ベーゼ!? あいつはどこだ!? っていうか無事だったのか!?」

「あらカイト? 来てたのね。ねえ見て見て! 兵士をやっつけたよ~!」


 ベーゼが足元を見る。

 つられて見ると、そこで初めて人が倒れていることに気がついた。


 こいつはヴァネッサを撃った男……!


「大丈夫、ちゃんと生きてるよ! ちょっと力の加減が難しかったけどね」

「力の加減……?」


 じゃあさっきの衝撃波はベーゼがやったのか!?

 

 と、ここでシスターの魔法の効果が切れて白いオーラは消失していった。


「あ~あ。強化タイムが終了しちゃった。せっかく調子よかったのに~」

「すごいなベーゼ……。こいつを抑え込むなんて……」


「カイト!」とフリス達が遅れて到着。

「拘束に成功したのね」とライラ。

「ああ。ベーゼがやってくれたよ」

「ベーゼさんが!?」


「さっきの衝撃波みたいなので倒したの?」

「そうだよ。私の真空波紋符は水平に衝撃波を生むんだけど、まさか魔法でここまで強化されるなんてね。正直驚いてるよ!」

 

 ベーゼがピンと張った札を指でくるくるとさせながら、「魔法ってほんとに奥が深いね」とこぼした。


「そうだな……」


 魔法は奥深い。

 魔法については俺もまだまだ知らないことだらけだ。

 もしも俺の能力が魔法なら、これまでに習った魔法学との内容に食い違いが出てくる。

 そもそも恒久的にステータスが向上するなんて魔法は聞いたことがない。


 もしかして俺のは魔法じゃないのか……?


「そういえばベーゼさん、お仲間のピーナツさんを探さなくていいのですか? シスターの魔法を借りた時の風を便りでは、この辺りにはベーゼさんとバンダックさんだけみたいでしたが……」

「ピーナツは連れてかれちゃったみたい」

 

 ……連れてかれた!?


 ピーナツがまだ戦ってた時、兵士はこいつだけになった。

 いったい誰が連れてくんだ?


 ベーゼはしゃがみ込み、「あの~バンダックさん、ピーナツは返してくれますか?」と聞くと、男はうつ伏せのまま「……上に掛け合ってみる」と答えた。


「わ~ありがとうございます! あの、それで入隊試験はどうなりますか……? ピタの兵士に私、なれますか!?」

「……それも上に掛け合ってみる。審査するとは言ったが、権限は俺にないからな」

「ほんとですか~! ありがとうございます!」

「その代わりに1つ答えろ。お前の急激なパワーアップにはどういうからくりがある?」


 ベーゼは俺を見た。

 答えていいのかの確認だろう。


 シスターの補助魔法については隠してても仕方ないし、どうせいつかはバレる。

 でも、俺の能力については黙っておこう。

 今ここで公にすると、俺すらも軍事利用されてしまう危険がある。

 

「シスターの補助魔法だよ」と俺は答えた。


「……はは、ははは。はっはっはっはっ! まさかとは思ったが、シスターの力は凄まじいな! 是非ともピタにほしい戦力だ! なあ、今からでも遅くはない。待遇は保証する。だから今すぐ俺を解放して全員ピタに降れ!」


 ……なんだこいつ!? やられてるのにこの強気……。

 断ると暴れるだろうし、手足でも縛っといた方がいいんじゃないか?


「ベーゼ、今のうちにしっかりと拘束しといたほうがいいんじゃない?」

「大丈夫だよ。バンダックさんはしばらく動けないから。……ほら、これ見て」と、ベーゼはバンダックの背中に張られた1枚の札を指さす。


「札?」

「ええ。この札は身体の神経系に対して負荷をかける、神負符。これを付けると身体が鉛みたいになってしばらく動けなくなる技よ。普段は使えないけど、シスターの魔法で気が高まったから使えたの」

 

「なるほど……? よくわからないけど大丈夫なのか。……って、キ? キって何?」


「精神エネルギーみたいなものよ。私達忍者は魔法を使うことはできないけど、代わりに気でご飯を食べてるの」


 へえ~! すごいな忍者って。

 気の存在なんて初めて知ったよ。


「とにかく、これでピタ帝国の制圧は防いだわ。今後のことも話し合いたいから、一度シスターのところに戻りましょ」とフリス。

「そうだな」

 

「この兵士は私が担いでくよ」

 

 ベーゼはそう言うと、自身の身体よりも大きいその男を軽々と担いだ。


 ここは男の俺が名乗り出る場面だと思うが、なにぶん非力なもんで……。


 ベーゼがとことこと歩く姿を見て、俺も鍛えよう……と心に誓った。


面白い! 続きが読みたい!


もしもそう思われましたら、


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