ブラジャー①
目の前には綺麗な装飾が施されたブラジャーがあった。
色はシスターの髪と同じ藤色。
それと気になったのは、そのブラジャーは思ってたものよりも少し大きいかった。
……なるほど。
バストアップブラジャーってのは普通のブラジャーよりも面積が広いから、おっぱいの周りもちゃんと触らないといけなかったのか。
それなら、『念入り』にその説明文をいれといてよ!
でもまあよかった。
なんだかんだおっぱいをじっくり触れたし……じゃなくて! そういうのはしかるべきタイミングにとっておくの! わかったか俺!
ぶるぶると顔を横に振った。
とりあえず、これで能力の証明はできたことになる!
「ね! シスター、ちゃんとブラジャー出せたでしょ! これが俺の能力だよ!」
「……すごい」
「すごいでしょ? へへっ」
やっぱりシスターに褒められるのが一番嬉しい。
頑張った甲斐があったよほんとに。
「カイト! この、ブラジャー? ほんとにすごいよ! ……もしかしてこのブラジャーはずっと着けててもいいの!?」
「もちろんだよ! ずっと使ってねシスター」
シスターの声が少し高くなった気がする。
めちゃくちゃ喜んでる証拠だ。
「ねえ聞いてカイト! このブラジャーを着けてるとね、脇のお肉を集められるだけ集めて前に寄せてくれるの! この感じがすごくいい……! カイト、知ってる? 胸をきれいに寄せるのは、そう簡単じゃないのよ? 布で巻き上げる時はただ抑えるのではなく、ひと巻き目から持ち上げるように巻かないといけなくてね、それがまたすごく時間と手間がかかるのよ! なのにそれだけ頑張っても、布巻きは時間が経つと緩くなっていっちゃう。……だけどこのブラジャーは何なの!? 一向に落ちる気配がない……! こう……わかるかな!? 包まれてるようなこの……持ち上げるような感覚? それと安心感! ほんと~にすごいよこれは~~!」
お、おお……。
シスターがこんなに夢中になるの初めて見た。
もしかしたら、ブラジャーは世紀の大発明なのかもしれない。
「……それだけじゃないの!」
まだ続くのか!
シスターは鏡の前に立ち、「見て! 胸を前に寄せると、身体のシルエットがよりよく見えるの! シスターはね、毎日たくさんの方と顔を合わせるから身だしなみにも気を配らなくちゃいけない。催し物で一日中外にいる時は巻き直すこともあるのよ。……でも、このブラジャーはその必要がない! ほんとに画期的なものだわ~~!」
「はは、ははは……」
は、早口なシスターも好きだよ……。
ま、まあでも、シスターが喜んでるならいいか!
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