カノジョ(仮)3
人類が人型兵器で戦争するようになって約50年。
月の土地の地価高騰に端を発した、月住人と地球在住者の宇宙大戦は地球側の勝利に終わった。
あれから3か月・・・
地球合同軍の少年パイロット・ナナミ君は大戦の英雄として、望みもしないのに、軍の広告塔にされてしまっていた。
彼の恋人『設定』の女性パイロット・ミナミちゃんは、完全にグラビアアイドル化していた。
CM撮影のため撮影現場に連れて来られた二人。
「ひさしぶりのオーストラリア。前以上になんにも無いわね」
と、地球の土地も買っていた月のセレブ一家の娘。
「カンガルーみたいなのと戦ったところだ」
ナナミは、敵月面軍が送ってくる動物型兵器に苦戦しながら勝ってきた。
「オーストラリアでカンガルーってベタね」
「しばらく珍獣シリーズが続いたな・・・」
「二人早く来て」
軍の広報担当のエリナ大尉が、ミナミちゃんのSNS用の動画を撮っていた(水着でポーズをとっていた)本業は軍人の仮面カップルに、
「こちら監督さん、あと代理店の人、スポンサー様」
そんな紹介そっちのけで、撮影用に用意された人型兵器を見に行ったナナミは、
「スコルピオンDX風にした量産型のスコルピオン006じゃん。なんで金色に塗ってあるの?」
CMの台本をもらってきたミナミが、
「地球合同軍の切り札・対ビームコーティングのつもりみたい」
「あれって黒でしょ」
「フライパンって呼んでたわね」
「金色、悪趣味だ。よしてよね」
(おわり)