ポリコレ軍団に挑みし中二病達
「男女共同参画社会基本法っ!! この法律によって、アタシは守られてんだよっ!!」
「んだとっ!?」
「今だよ、荒神っ!! 馬場っ!!」
「了解!! 鳳条姉さんっ!!」
「攻撃でゴザルよぉぉぉ!!」
仁王立ちしてその場に佇む女性。
彼女の宣言により、攻撃の手を止めてしまった大男は、主人公らしき侍風の男とその相棒らしきオタクによって、後方へと大きく吹き飛ばされるほどの打撃を顔面に食らわされる。
東京の渋谷の真昼間に行われているこの戦い。
周囲の人間は既に避難しており、ハチ公前で戦いを続ける3人と敵の1人以外は姿が見えない。
「糞が……糞がぁぁぁ!! 極東の黄色い猿如きがこの上等民族様に……」
「はい、ポリコレ違反っ!! 人権の部分で引っかかりましたぁぁぁ!! しゃぁぁ!! こっからは普通に戦闘れるぜぇ!! 行くぜ馬場ちゃん、鳳条姉さんっ!!」
「やっと拙者の檄伊達な姿がお披露目でゴザルなぁ!!」
「さぁ~てと!! 屁理屈合戦は終わりで、こっからは暴力の時間だねぇ!!」
ポリコレを広める敵は、己をポリコレと言う名の武装で常時身を守っている。
荒神達が使う厨二の力も、この時は全て無効化されている。
敵の屁理屈と言う名のポリコレを、屁理屈と言う名の理屈を叩きつけることで、初めて攻撃が普通に通るようになるのである。
「オラオラオラ!! 表現の自由に守られてる日本の喧嘩売るなんていい度胸してんじゃねぇか!? あぁん!? 全身ミンチにしてやんぜぇ"ぇ"ぇ"!! ヒャッハァ"ァ"ァ"ァ"ァ"!!」
「おいちょっと待て!! その言動が現実で主人公のやることかぁ!? どう考えても敵のやること……」
「騒音んだよ、死亡れやぁ"ぁ"ぁ"!!」
「ギャ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"!!」
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「神代さん、生捕って来ましたよ!!」
「応よ―――でかしたぞ荒神―――」
渋谷で暴れる暴徒を生捕にしてきた荒神達3人。
彼らは白人をロープで簀巻きにして連れてくると、バンカラ風の大男の目の前に放り投げる。
これから尋問を始めるようで、首の骨を2回ほど鳴らすと、単刀直入に要件を聞き出していく。
「……お前らの本拠地はどこだ―――194番目の国、ポリティカル・コレクトネス島のことだ―――」
「し、知らない、現実だっ!! 俺はただ、日本で表現の自由を奪って来いって言われただけなんだっ!!」
「……お前ら、コイツの尋問を頼む―――告白るまで頑張るんだぞ―――」
「了解、感謝、神代さんっ!!」
「お、おい!! 離せ、離せぇ"ぇ"ぇ"!!」
「荒神、馬場、鳳条―――お前達はこれより例の計画のために動いてもらう。良いな―――?」
「了解!! 確か連合を組むんすよね?」
「応よ―――世界中のポリコレに汚染されていない国々と手を結び、敵の本拠地を叩く―――World Chuunibyou Agreement……世界中二病協定の成立を急ぐぞ―――3人はまずオーストラリアへ向かえ―――そこでオーストラリア最強の中二病を見つけだすんだ―――」
「しゃぁ!! やってやろうじゃねぇかよ、待ってろよオーストラリア!!」