時の旅人。
夕闇迫る茜色
独り飛び立つ雲の上
身体を離れる心には
あの鉄塔が沈みゆく
雲が呑み込む地表の果て
どこまで飛んでも見つからない
探してるはずの君のそば
ぬくもり求めて空を飛ぶ
触れられはしない星のように
空はいつしか惑星を包む
言葉途絶えた風の音
夜の空気を凍らせて
月も知らずに雨を降らせる
雨宿りする軒下で
目には見えない蝋燭を
今日も独り身 想い出灯す
いつしか消えるこの時間
刻一刻と溶けてゆく
見つめる先に赤々と
今を照らす心の内
そぼ降る雫が降り積もる
苔むす地蔵の手のひらに
泣き止む夜空に星影と
月の明かりを映し出す
人影のぼる山道に
闇夜に望む彼方より
別れた人影 あなた追う
ともに歩む姿さえ
未来は果てて静けさに
鐘の音眠るあの日のままに
ともに山野を越える道
闇夜を巡る樹海には
そぼ降る星と月明かり
物言わぬ顔が土を照らす
何も持たぬ右手には
鏡の向こうの想い人
かつて触れた左手を
夜風にあてて空をみる
どこかで待っているだろか
あてなく探す独り身を
言の葉に乗る風の音を
独り歩く夜の山
朽ち果てた木々に生い茂る
草葉の陰から手を合わす
この心の向かう先
菩薩は何をくれるだろう
揺らめき灯る夜の蜃気楼の裏側で