06 妖が交わる時
この物語は、後を少し考えて作られています。
意味が分からない描写があります。後面白くない。
軽い気持ちで読んでいってください?
美亜と契約した招鵺は、気が付けば刀を持った状態で無録神社の前に立っていた。
「戻ってこれたのか」
『はい、そうですよ』
突然頭の中に響き渡る美亜の声に驚きながら、招鵺は辺りを見渡した。声の主である美亜が見えないからだ。
(美亜はどこにいるんだ。声だけははっきりと聞こえるけど)
不思議に思っていると、また美亜の声が聞こえ始めた。
『私は招鵺さんと一つになっているので、今は体はありませんよ。それより、街を見てください』
美亜に言われるよう街を見下ろすと、何か違和感があった。よく見て違和感の原因を探していると、学校に霧のようなものが掛かっているのが見えた。そして、そこからよくない雰囲気を感じた。
「美亜、あれは一体なんだ。学校にだけ霧が掛かることはないだろ」
『あれは、典型的な結界ですね。妖気を霧にして覆うことで、一般人に対して認識を偽装することができるんです』
霧による偽装。それによって、妖怪が姿を現しやすくしているらしい。言い換えれば、妖怪がそこに現れるということでもある。それに気が付いた招鵺は急いで向おうとした。
「美亜、このままじゃ学校が危ない」
『そうですね。では、招鵺さんに少し技を教えましょう』
「技ってなんだ」
招鵺がそう聞き返すと、目の前に光が集まり、美亜が現れた。
「では、基本の技…『鳥居廻廊』へ入る方法と使い方を教えます」
そういって美亜は、無録神社の鳥居の前に立った。そして、ポケットから二枚の御札を取り出すと、一枚を鳥居の柱に張り付けた。次に、何もないところから弓矢を取り出し、矢の先に御札を付けると、学校の近くの神社の鳥居に向かって矢を放った。
「よし、刺さりました。では、今から行う動きをよく覚えてくださいね。『異界の鳥居よ、今こそ私の廻廊に繋がる道を開け。開門 鳥居廻廊』って感じです」
美亜が刀を持ち鳥居に向かってそう言うと、鳥居の内側が黒く歪み、どこかへ繋がったように見えた。美亜はその中に入っていき、招鵺に呼びかけた。
「今みたいな感じに門を開いてくださいね。じゃあ、出口で待っているので、早めに来てください」
「え、ちょっと待って」
美亜が完全に中に入ると、歪みは消えてしまった。
「今の感じにって、練習無しかよ。まあいい、美亜にできるなら、俺もできるようになったはず。『鳥居よ、廻廊に繋がる道を開け。開門 鳥居廻廊』だっけ」
似たように唱えると、同じように内側が黒く歪み、門が開いた。招鵺は閉じる前に走って入ると、その先の光景に驚いた。
「これは…すごい」
地面は石のブロックでできており、辺りにはいくつか鳥居が浮いていた。その鳥居は一つ一つが微妙に違う形をしていたが、ほとんどが黒くくすんでいた。美亜がどこに向かったのか探していると、鳥居の中に一つだけ、刀が刺さっている鳥居があった。近づいて見ると、それは『妖刀 無』だった。
「この鳥居の先にいるんだな。よし、コツは掴めてきたから『開門』」
妖刀を引き抜いて門をくぐると、そこは学校の前の神社だった。
「すごい、あの距離を鳥居を通るだけで来れるなんて」
ピシッ
「招鵺さん、これで『鳥居廻廊』は問題ないですね。次は…あ、そろそろ敵が出てきそうですよ」
ピシピシッ
美亜がそういうと、学校の校庭のところを指さした。その先には薄っすらと空間に罅が入っているのが分かった。
「私達がいるこの世界は、『現実世界』と呼ばれています。しかし、妖怪などが存在する世界は『幻実世界』という場所で、『現実世界』と裏表のように存在しています。つまり、普通は出会うことはないんです」
「じゃあ、昼間の火車はどうしてこっちに」
バリッ
「それは、ああやって世界を越えてくるんです」
バリンッ
そう、美亜が言い終わると同時に、空間が割れ中からさっき見た火車が現れた。しかし、火車の腰にはさっきまでなかった刀が差してあった。
「ココハイイ。タクサンノニクガイル。サッキハキツネニジャマヲサレタガ…ココデアバレルトシヨウ」
妖刀と契約し、人間をやめ始めた招鵺
そんな時に因縁?のある妖怪が現れる
次回、カミタチによる踊り続ける狂想曲「戦うということ」待っていてください。