05 魂結の儀
この物語は、後を少し考えて作られています。
意味が分からない描写があります。(なんか違う気がします)
軽い気持ちで読んでいってください?
美亜が意味不明なことを言ったあと、改めて男が説明し始めた。
「さて、妖刀との契約は誰でも出来るものではない。契約に必要な条件は三つ。まず、妖怪などが見えること。次に、仮契約に成功すること。この二つは、お前は満たしている。だが、最後の一つが問題なんだ」
「それは、なんなんですか」
招鵺が聞き返すと、男はどこからか鏡を取り出し、招鵺の前に置いた。
「お前は今何が見えている」
鏡に映っている招鵺は体の半分が黒くなっていた。
「えっと、半分ぐらいが黒くなっていますけど」
「この鏡には、現在の自分の魂の状態が映りこむ。今のお前は魂が半分だけのようなものだ。条件の最後の一つ、契約に魂が耐えられること。これをこのままでは満たすことができない」
満たすことができないということは、契約が出来ないということでもある。助かる方法が無いと気付いた招鵺は、膝から崩れ落ちた。そして、男に聞いた。
「もう、遅いってことですか。契約はもう無理なんですか」
男は招鵺の手を取り立たせ、美亜を横に並ばせると、一冊の本を取り出した。
「いや、方法はある。これは魂結の書というどっかの馬鹿が作った本だ。こいつを触媒にお前たちの魂を一つにすれば契約など余裕で耐えられる」
「魂を一つに…」
「つまり結婚ですよね」
「「それは、ちがう(と思います)」」
否定された美亜は残念そうな表情をしてしまったが、招鵺の手を取り胸にあてた。そして、耳元で小さく語りかけてきた。
「魂結の儀を行えば、貴方は純粋な人間ではなくなってしまいますが、本当によろしいのですか」
その声はとても小さかったが、よく聞こえる声だった。一瞬人間でなくなるという意味を考えようとしたが、まずは生き延びねばならないと思い「大丈夫」と返答した。
「では、無禄美亜はここに誓います。私が招鵺の武器となり、内から支えると」
「本気なのか。ならば」
ゴスッ
美亜の言葉を聞いた男は、少し驚いた後、美亜を全力で蹴とばした。蹴とばされた美亜は、招鵺の中に入っていった。
「え、美亜さんはどこに」
『招鵺さんの中にいますよ。これで貴方は契約の儀式に耐えることができます。では、妖刀と契約してさい』
目を閉じれば、契約の言葉がだんだん浮かんでくるようだった。
「俺、招鵺は妖刀の血肉となり運命に抗うことをここに誓おう」
そう、告げた瞬間、招鵺の意識はまた遠くなっていった。
「さて、これで最悪は避けたぞ。どうせ見ているのだろう―――」
空間が崩れていく中で男はどこかに向かって喋り掛けた。返答を待つ間にも空間は崩れていく。
カラン
ほとんどが無くなったときに、鐘の音は響いた。
「そうか、これも計画の内だったのか」
美亜と一つになり妖刀と契約した招鵺
しかし、その内容は少し不穏で… 謎の男は謎だし…
次回、カミタチによる踊り続ける狂想曲「妖怪が交わる時」(仮)待っていてください。