03 妖怪に狙われる
この物語は、後を考えて作られています。
意味が分からない描写があります。
軽い気持ちで読んでいってください?
ガランガランガランッ カァーッカァーッカァーッ
「誰かいるのか」
今まで、人の気配が全くしなかった神社に突然鈴の音が響き渡る。しかし、良縁神社の賽銭箱の前には、一人も人はいなかった。
チャリン
よく耳を澄ましてみると、どうやら良縁神社の裏のほうから鳴っているようだ。音を立てないよう、静かに裏へ回ったが、そこは木と草が生い茂り先が見通せないようになっていた。
パンッ パンっ
「一応この先から聞こえているけど、この先に別の神社があるのか」
少しずつ先へと進んでいき、辺りは草木で真っ暗になってしまった。そのとき、暗闇の中に青い光を見つけた。
『こっち。こっちに来て』
青い光を追いかけるようにして先へ進んでいくと、突然謎の神社の前へ飛び出た。
「ここは、いったいどこだ」
「ここは、無録神社ですよ。時雨招鵺さん」
突然背後から声を掛けられ、慌てて振り向くとそこには、巫女を着た女の人がいた。しかし、その女の人は明らかに人ではないようだった。
(誰だ、この女の人は。どうして俺の名前を知っている。というか、隠してるつもりだろうけど、頭と腰の狐の耳と尻尾が隠れてない」
「え、隠れてない。嘘でしょ」
慌て始めた巫女は尻尾を服の中に入れようとしていたが、上手く入らないと分かると諦めて、招鵺の方を向いた。
(黄金色の髪に緋色の目、見た目は音と同じ年に見えるが、中身は妖怪ってやつだな)
「えっと、私は『無録美亜』…ここからずっと招鵺さんを見ていました」
「見ていた…それって、ストー「違います」すいません。えっと、無録さんは妖怪なんですか」
そう、無録美亜と名乗った女の人へ質問をすると、少し考えだしてしまった。
ピキッ
「そうですね…妖怪かと聞かれれば、妖怪と答えますね」
ピシリッ
「実際、妖力とか操れるから妖怪なのかな」
「あのさ」
バリッ
「でも、色々変えてるから…」
「なぁ、あれって」
パリンッ
「ん、どうかしましたか」
「危ない!」
美亜の後ろの空間がひび割れ、そこから何かが飛び出してきた。招鵺はとっさに美亜の手を掴み避けるが、飛び出してきた何かに引っかかれ学生服の一部が細かく引き裂かれてしまった。
(危ねぇ。とっさに避けたから良かったけど、もし避けてなかったら…考えるだけでも恐ろしいな)
「招鵺さん、下がってください」
そう言って、美亜は招鵺の前に立った。目線の先には、飛び出してきた何かが止まった時にできた、砂煙があった。砂煙が晴れてくるとそこには、鋭く長い爪を持った猫のような怪物がいた。
「なんだあれ」
「あれは…火車(荷車なしVer)です。鋭い爪を使った攻撃が多いので、一回当たっただけで致命傷になるかもしれませんね」
「オトコ、ウマソウ。オンナ、マズイ。オンナ、テキ、コロス」
バキッ キィィィン
その瞬間、火車は美亜に向かって飛び出し、爪を突き刺そうとしていた。対して美亜は、いつの間にか手に持っていた刀で攻撃を受け流していた。
(今、何が起きたんだ。何も見えなかったぞ)
ザッ シュン キィン
そして、火車と美亜の打ち合いが始まる。
「ここで、あなたを、封殺します」
「ケケケ、サワイデイロ」
しかし、招鵺を守りながら戦っていたからか、美亜は徐々に押されていた。
「モラッタ」
カーン
「しまった。刀が」
そして、一瞬の隙を突いた鋭い一撃が美亜の刀を弾き飛ばした。弾き飛ばされた刀は宙を舞い招鵺の前に刺さった。
「オトコ、クラウ」
「嘘だろ…」
美亜の刀を弾き、招鵺に狙いを付けた火車
招鵺の命はいったいどうなる
次回、カミタチによる踊り続ける狂想曲「妖刀・無」待っていてください。