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カミタチによる踊り続ける狂想曲  作者: 狼狐幻風
第二章 真っ赤に燃えるその炎
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10 問1 何を守るべきでしょう

この物語は、後を少し考えて作られています。

意味が分からない描写があります。


軽い気持ちで読んでいってください?

  バキッ

 森の中で、何かが折れる音がした。枝が黒い腕によって折られた音だ。

  ベリッ

 黒い腕は、ひび割れたような空間から這い出ようと左右へ動かし続けた。

  バリン

 一際大きな音が鳴ると、それは這い出てゆっくりと動き出した。


「ここら辺のはずなのに」

 前回シャドウが現れた森の中で、私はシャドウが現れるであろう亀裂を探していたが見当たらずにいた。

(おかしいですね。戦った場所はここであっているはずですが、なぜ前回の亀裂すら見つからないのでしょうか。…念のため武器の要請を)

 警戒をしながら、私は無録へ武器の使用許可を得ることにした私は、無録へ呼びかけた。

「無録へ支援要請。『妖刀・天』の使用許可を…あれ…無録の皆さん聞こえてますか」

 無録に連らくを繰り返しても、返答が一度も返ってこなかった。天理様との通信が途中で切れたことも怪しく思い、より一層警戒を強くした。

  ガサッ

「そこだっ貫け『火炎符 炎槍』」

「うぉお、待て俺だ」

 音に反応して打ち込んだ先には、草をかき分けてこちらへやってくる、招鵺さんの姿がありました。

「あ、すみません。すっかり忘れてました」


 美亜に丸焼きにされるのをすんでの所で回避した俺は、美亜に今何が起こっているのかを聞くことにした。

「それで、今はどういう状況なんだ。問題の箇所はどこに」

「それが…どこにも見当たらず。それに、無録との連絡も途絶えてしまい、何もわからない状況で」

 話を聞いた俺は一先ず大量の御札を取り出し、辺りにまき散らした。そして、木刀を取り出し構えた。

「美亜、次はどうする。ここから探しに行くのか」

「…そうですね、まずは他に異常が無いかを探しに行きましょう」

 そして、美亜が一歩踏み出した瞬間だった。

  バジン

「今度こそ貫け『火炎符 炎槍』」

  グォオォ

 地面の御札の一枚が大きな音を立て燃え、そこに向かって美亜が御札を投げつけた。すると、少し空間が歪んだように思えた次の瞬間には、炎の槍が刺さった黒い何かが存在していた。黒い何かはグネグネと動くと形を人のように変えた。

「あれは、沙羅…の姿。まさか、これらの問題の裏で動いていたのは」

「おい、敵だよな。『加護符 火炎斬』、美亜行くぞ」

「待ってください。その程度の武器では」

 敵が動き出す前に斬りかかった俺は、全力で炎を纏わせた木刀を振るが、敵は当たる瞬間に形を変えて回避してしまった。

「チッ、これは一体何なんだ」

「招鵺さん下がってください。シャドウには基本的にこの世界の武器は効きません」

 その言葉を聞いて俺は美亜の隣まで下がり、守護符を手に取った。

「それで、どうする。前はどうしたんだ」

「前は…無録から武器を引き出しました。ですが、無録へ連絡できないので」

「引き出せないと…『妖刀・無』じゃ駄目なのか」

 そう聞きながら、妖刀・無を取り出した。その瞬間、動く気配の無かった敵がいきなり飛び掛かってきた。

「ッ『守護符 五芒結界』、美亜何か突破方法を」

「そうだ、妖刀・無をここに置いて、招鵺さんはここら一帯に他にシャドウがいないか探しに行ってください」

「分かった、頼んだぞ」

 結界で受け止めながら、俺は妖刀を美亜に渡すと背を向けて走り出した。また、美亜がどうにかしてくれることを信じて。


 妖刀・無を片手に私はシャドウを睨んでいた。そして、解放の鍵を唱え始めた。

「妖刀・無の限定開放開始。『神名刻印 無録伝・無限勇影』」

 唱えている間にもシャドウは私を狩ろうと飛び掛かってくるが、私は落ち着いて最後の句を唱え切った。

「果てより来たれ『神伝 無録玉藻』」

「あ~ら、先輩を付けないなんて、随分強くなったつもりみたいね」

 そして、虚空から現れた女性がシャドウを一刀で抑え込んでいた。そう、彼女こそ私の先輩である…はずの『無録玉藻』、その人だった。

「無録の状況はどうなっていますか」

「残念ながら、私は今無録にいなかったのよ。だから、無録の現状は分からないわ。ただ、美亜ちゃんの助けになれるように、色々な世界で待機しているわ。だから、もっと私達を頼りなさい」

「はい、ありがとうございます。それで…」

「任せなさい。ただ、分かっていると思うけど」

「離れすぎないように、ですね」

 私が呼び出した方法では、妖刀・無から離れることができないただの幽霊のようなものですが、シャドウを倒すだけなら十分な仲間を呼び出すことができるのでした。

「じゃあ、一気に決めるわよ。『一式稲荷流 録ノ技 炎』さぁ、地獄の始まりよ」

 水平に振られた刀の残像から勢いよく辺りが燃えだし、瞬きした瞬間辺り一面は炎で囲まれていた。

「ここはすでに、炎の舞台。野草が燃え、幕が引くまで、鬼と踊るがいい」

 すると、炎が形を変え、大きな鬼の形になり、シャドウに襲い掛かった。シャドウは形を変えながらよけ続けたが、徐々に縮まりつつある炎の壁で逃げ場を失い遂に、鬼に焼き尽くされた。そして、ただ焼き尽くされた大地のみが残った。

「これぞ『神威顕幻 炎舞野幕引鬼』、これにて終了」


「ふぅ、ここまで離れれば、大丈夫だな」

 シャドウの相手は美亜にまかせ、俺は他にシャドウがいないかを探し回っていた。しかし、他にシャドウと同じような気配は見つからなかった。他にはいないと思い、美亜の所に戻ろうとした時だった。

「あれ、あんたこんな所で何してんの」

 後ろから声を掛けられ振り返ると、額に角が生えた女が立っていた。腰には一振りの刀が差してあったが、妖刀と同じ気配がした。

「お前こそ、ここで何をしている。夜露の部下とかなのか」

「え、夜露…くくく、ぷははは。まさか、あれの部下と間違われるなんて」

 いつでも、排撃できるように警戒しながら問いかける。すると、急に笑い出し俺に一歩近づいてきた。

「違う違う、あたしは『烈鏡沙羅』。確か、あんたは無録美亜の仲間だろ。まぁ、あんたらの敵だよ」

(俺達の敵か…だが、殺意を感じない。一体何が目的だ)

 ゆっくりと近づいてくる沙羅に斬りかかるべきかどうか、迷っていると一瞬で距離を詰められ、首に刀を当てられた。

「殺意を感じないからって迷ってんじゃねーよ」

「いっいつの間に」

「まぁ、別に恨みがあるわけじゃないが、ここで死んでくれ」

 刀を持つ手に力が入り、死を覚悟した瞬間だった。森の奥から赤い斬撃が飛来し、それに気が付いた沙羅が離れたのだ。俺から目を離した瞬間、全力で斬りかかった。

「チャンスだ。『偽式稲荷流 三ノ技 雷風飛斬』」

「ふーん、反応は早いんだな。だが、技に重みがないな」

 俺の全力は簡単に沙羅に防がれ、そのまま鍔迫り合いになった。少しでも気を抜くと押し負けそうなほど、沙羅の力は強かった。

「くっ…お前は何が目的なんだ。なぜ、シャドウを」

「くふ、理由か…そうだな、じゃあ一つ教えてくれよ。なんであんたは私と戦ってんだ」

 沙羅と戦う理由、それは当然答えは決まていた。

「俺は世界を守る。そう、決めたからだ。だから、美亜の敵であるお前を」

「あっそう、なるほどね。なら選べよ。なにを守るのか」

 そう言って、沙羅は一歩下がり御札を三枚投げてきた。反射的に斬り落とすと、そこから誰かが現れた。

「まずは、日車火帆。今も戦ってるみたいだな。このままだと負けそうだな」

 初めに現れたのは、今にも倒れそうなフラフラとした調子の火帆だった。

「お次は、無録美亜。まぁ、これは私と敵対しているからだな。これから戦うから選択肢に現れたな」

 次に現れたのは、誰かと喋っている様子の美亜だった。

「最後は、小柱雫だったか。まだ、私達の世界を知らないようだな。知ったらどんな思いをするだろうな」

 最後に現れたのは、どこかに座って待っている雫先生だった。ここで、沙羅がなにをさせようとしているのか気が付いた。

「それじゃあ、あたしはこれからこいつらに会いに行く。あんたはどれを守る。友情か約束か日常か。さぁ、選べよ守り手さんよぉ」

(俺は…選べない。選ぶことができない。この問題は)

「何か一つなんて選べる訳がないじゃないか」

火帆との友情 美亜との約束 雫先生の日常

守れるものはいづれか一つ

次回、カミタチによる踊り続ける狂想曲『解答 俺は命を守る』創作中です。

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