01 違って見える何か
この物語は、後を少し考えて作っていました。
意味が分からない描写があります。
軽い気持ちで読んでいってください?
「ショーヤ君、いってらっしゃい」
病院の先生に見送られ、俺は記憶を失ってから初めて学校に向かっていた。
(どうしようか。先生が言うには昨日が二学期の始業式だったらしいな。そして、俺には二人だけ…友達がいる。一人は男で名前は『無敵ヶ原五郎』。先生も賞賛するほどの天才であり、みた動作はほぼ真似できてしまうらしい)
「招鵺君、今日も考え事ですか」
五郎の事を考えていると、後ろから話しかけられてしまった。
(多分、五郎だな)
「おっおはよう、五郎」
「あっ、記憶に関してはもう知ってますよ」
「えっ」
記憶を失った事を隠そうと思っていたが、五郎はもう知っていたようだった。
「どうしてって顔ですね」
(…心を読むように話してくるな)
「昨日、病院の先生から教えてもらったんですよ」
五郎が言うには、俺の事は先生が全て伝えていたそうだ。
「何だよ。それなら最初に言ってくれれば良かったのに」
「まぁ、いいじゃないですか。実を言うとそっくりなんですよ、記憶を失う前のあなたと。だから、本当に記憶を失っているか試してみたんですよ」
俺を試していた、と言う五郎はそばにあった公園の時計見上げ突然走り出した。
「おっおい、急にどうした」
「学校の始業まであと五分ですよ。招鵺君、遅刻しますよ」
「まじかよ、いつもこんなんだったのか」
「そうですよ」
俺達は学校に向かって走っていったが…五郎が入った所は職員室だった。
「五郎…ここ職員室だよな」
そう、隣の五郎に話しかけたがそこには小柄な女性がいた。
「えっと、誰ですか」
「時雨君…もう先生のことを覚えていないんですね」
(先生だって!俺よりも低いのに)
「時雨君、私はあなたの担任の『小柱雫』です。好きなように呼んでくださいね」
俺よりも身長の低い女性は自己紹介をすると、一枚の紙を出してきた。
「雫先生、これは何ですか」
「これは、二学期の授業を全部免除することを許可する許可状です。時雨君達は、無敵ヶ原君の勉強法のおかげで、高校を卒業できるレベルに達しているので」
「つまり、学校来なくていいってことですか」
「そうです。あと、無敵ヶ原君に頼まれていた学校の第九番倉庫の使用許可も出しておきますね」
そう、雫先生は倉庫の鍵も渡してきた。
(なんだよ、学校行かなくていいんじゃん。そういえば五郎はどこ行ったんだ)
「先生はこの後、ラーメン大食いチャレンジに行くので…何かあったら無敵ヶ原君に聞いてくださいね」
「分かりました」
カツ カツ カツ
(さて、何をしようか。とりあえず第九番倉庫にでも行ってみるか)
トントントン 「しつれいし ガラ
「招君、頭大丈夫なの」
倉庫に入ろうとすると、突然扉が開き中から女の子が飛び出してきた。
(うぉ、ビックリした。もしかして、もう一人の友達の『鳴宮音』か)
「音はとーても心配したんだよ。あ、覚えてないんだっけ。音は音だよ、招君」
「鳴宮さん、少し静かにしてください。招鵺君、これがいつものことなので慣れてください」
(慣れてくださいってそれでいいのか)
「さぁ、座って座って」
音に勧められ、椅子に座ると五郎はパソコンの画面を見せてきた。
「これは、昨日の事故の瞬間の映像だ」
「でも、この招君を轢いた赤い車はまだ見つかってないんだ」
二人は俺にぶつかっていく物を車と呼んでいたが
「ちょっと待ってくれ」
「どうしたの」
俺から見ると、それは…
「これは…燃えている荷車じゃないのか」
「招鵺君、それはどういうことですか」
真っ赤に燃える荷車とそれを引く何かだった。
よし、なんとか続いたぞ。