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カミタチによる踊り続ける狂想曲  作者: 狼狐幻風
第二章 真っ赤に燃えるその炎
19/21

08 深層流

この物語は、後を少し考えて作られています。

意味が分からない描写があります。


軽い気持ちで読んでいってください?

 五郎が誘拐されたあと、気が付けば病室に戻ってきていた。先に戻ってきていた美亜によると、一先ず結界は張りなおせたらしい。だが、五郎は見つからなかったようだった。

「ごめん招君、音が見ていなかったから」

「…音は悪くない。それよりも誰が連れ去ったかだ。誰か心当たりはないか」

 そういうと、病室は急に静かになった。しばらく無言の時間が流れた時、急に美亜が立ち上がった。

「天理様、ご無事でしたか」

「美亜、どうした」

 美亜は誰もいない所を向きながら急に話し始めた。そして、しばらく話していると俺達の方を見た。

「はい、そのように伝えておきます。…えっと、五郎さんは無事だそうです。それで…五郎さんを誘拐したのは、岩武様だそうで…」

「ねーねー、その岩武様って誰なの」

「美亜、天理って誰だ」

 初めて聞く名前を出され、俺達はまずそこのところを美亜に聞くと、美亜は気まずそうな顔をしながら話し始めた。


 ガサ ガサガサ

「ここだな。ふむ…少し散らかっておるが…まぁ使えんことはないだろう。弟子よ早く来い」

「はぁ、はぁ…師匠ここは一体。て、もうあんな場所に」

 岩武に担がれて連れてこられた場所は、見渡す限り竹が生えた所だった。気が付けば遠くに歩いて行ってしまった岩武を追いかけて、僕は竹林の中を走り出した。

「ふむ、やはりここは迷いそうになるが…よい修練場になるだろう。さて、ここだな。見てみるといい」

 なんとか岩武に追いつくと、そこには不自然に竹の生えていない地面と竹でできた家が建っていた。その光景に驚いていると、岩武は近くの竹を手刀で斬り倒すと、僕の前に突き刺した。

「今なにをしたかわかるか」

 僕は、今起きたことを今一度思い返した。まず、岩武は手で竹を斬り倒した。その後、それを地面に突き刺した。一体どうやって竹を手で斬り落としたのだろうか。

「どうやっては今は関係ない」

「それはどういうことでしょうか」

 聞こうとしていたことを先に言われ、驚いたが、その前に関係ないと言われたことが気になった。

(関係ないということは、今重要なのはどうして、じゃなくてどうなったか。なら今答えるべき言葉は)

「竹が斬られ、地面に刺さりました」

「…半分だな」

 岩武は僕の答えを半分だけ正しいと言った。そして、近くの竹を再び手刀で斬り落とした。

「儂がお主に教える力は、『深層流』だ。これは技でなく、ただの力。お主に理解できるかはお主しだいだがな」

(深層流、それがみんなと戦うための力。それが手に入るなら僕は)

 岩武が見せた力があれば、きっと仲間と共に戦えると思った僕はその力を教えてもらおうと思った。

「師匠、僕にその深層流を教えてください。お願いします」

「いいだろう。だが、儂が教えるのは基礎だけだ。そして、お主が何か決めたときに元の場所に戻してやろう。ではさっそく始めるぞ」

 こうして、岩武による修行が始まったのだった。


「岩武様の話をする前に、一度天理様のことをお話ししますね」

 美亜から五郎は無事だと聞いた俺達は、一度学校に戻り美亜の説明を聞いていた。

「まず、天理様はこの世界の神様のような方です。正確には少し違うのですが、ここ『現実世界』と『幻実世界』の結界の調整とか、外界との調整とかいろいろやっているみたいですね」

「待て、その言い方だと詳しくは知らないのか」

「はい、実はあまり会ったことがなくて。詳しい話を聞いたことがないのです」

 美亜が申し訳なさそうに話すと、意外なことに火帆が前に立ってしゃべり始めた。

「なら、火帆が説明する。天理はかつての破封戦争で現れた調停者の一人。陣営は中立」

「ねぇねぇ、破封戦争ってなに」

「……火帆は詳しくは知らない。夜露様も詳しく教えてくれない。でも、陣営は教えてくれた。天理の中立派、破壊派、守護派、そして夜露様の支配派。その四つが戦ったらしい」

 話を聞けばこの世界ではかつて大きな戦いがあったようだった。そして、その戦いの中で天理という者が現れたということが分かった。

「でも、勝者はいない。他の者が横から止めたって夜露様が言ってた」

「こ、コホン。天理様については、火帆さんのほうが詳しいようですね。では、ここからは岩武様について話しましょう。岩武様は」

「破壊派に所属していた一人。夜露様の警戒リストにあった」

「ちょっと、なんで言うんですか」

(…破壊派か、五郎…一体どこに)


 夜になって岩武は急に話し始めた。

「儂はかつてこの世界を滅ぼすために訪れたことがある」

「滅ぼすために…それはなぜでしょうか」

 僕がそう聞くと、岩武は空を見上げた。そして、目を閉じて僕の質問に答えた。

「この世界が、大きな病に、不治の病に掛かったからだ。弟子よ気をつけろ。悪意は未だ消えておらん。儂らの見えぬところで、生き続けている。もはや、儂にも天理にも手が付けられんぞ」

 それだけ言うと、岩武は家の中に入り寝てしまった。

「不治の病…一体なんのことでしょうか…」


「もうだめ、もう無理、絶対無理、どうすればいいの」

「黙れ天理、口よりも手を動かせ。一日でも長く持たせるんだ」

 ピキ

「まずい、ひびが入り始めたぞ」

「おや、来てみれば大変なご様子。少しお手伝いしましょうか」

「この声は、ノワールね。あとで礼はするから、手伝って」

 世界の狭間のどこかにある場所で天理と主、そして、たまたま来ていたノワールが結界を崩壊させないために、必死に補強を続けていたがすでに限界が近づいていた。

「せめて、あと一日持ってくれ」

 結界崩壊まで残り十五時間


美亜というより火帆によって説明された天理と岩武

そして再び結界崩壊の危機が訪れようとしていた

次回、カミタチによる踊り続ける狂想曲『薪をくべよ』創作中です。

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